それは突然に


「さぁ、着いたわよ!!」
「ここが、俺たちの大海原中だ!!」

「「「ここが、学校!?」」」

みんなが驚くのも無理はなかった。
なぜなら、その学校は海の上に立っていたから。

「でも、綺麗だな。」
「海が真っ青!」
「さすが沖縄・・・」
「・・・で、サッカー部はどこなんだ?」

その時、優しい声がした。
振り向くと、一人の老人が立っていた。

「おやおや、お客さんかいなー」
「ん?」
「あ、じーちゃん!」
「おぉ、柚流か!この男の子たちは誰なんじゃ?」
「ミーと条介のフレンド達!喜屋武ちゃんたちのチームと試合しに来たんだ!」
「そうか、そうか。さっきまでおったんじゃがー・・・」

その時。

パン、パーーーン!!!

急に大きな音がしたかと思えば・・・

「サプラーーーーイズ!!」
「「「「わーーーーっ!」」」」

大海原中のメンバーと監督が急に現れた。
・・・「ようこそ雷門中」と書かれた垂れ幕とともに。

「「「・・・」」」

びっくりしたみんなはもちろん無言だった。

「・・・」
「驚いた!?驚いたか!?」

ハイテンションで守に詰め寄る男性。
・・・どうやら、この人が監督らしい・・・

「・・・この人が、監督・・・?」
「いいノリしてんだろ!」
「・・・確かにこの人なら、大会忘れちゃうかも・・・」



まぁ、それから色々とあって・・・


ついに試合が始まった。

「フォーメーションはリカと目金のツートップ。立向居にはMFを頼む」
「俺は?」
「雪女は、久々にFWを頼む」
「FW・・・」
「久し振りで感覚がつかみにくいと思うが、気負わずやってくれ」
「・・・あぁ、構わねーよ」
「よーし、みんな!頑張って行くぞ!!」

「「「「おーーーーっ!!!」」」」

俺たちは円陣を組み、自分たちのポジションについた。

「じょーすけー!!ファイトーー!」
「あぁ!!」


そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

試合早々、大海原中はパス回しで始まった。

「なんなんだ、このチーム・・・」

そうしていると、リカがボールに向かって走っていく。

「ノリが何やねん!!」

その時、音村がこう叫んだ。

「8ビート!!」

それを聞くと、個謝は軽くリカをよけた。

「行かせない!ザ・タワーーー!!」

そしてまた、音村がこう叫んだ。

「アンダンテ、2ビートダウン!!」

そうすると、ザ・タワーの雷を避け、仲間にボールを回した。

そして、そのまま・・・

「「イーグルバスターーー!!」」

相手はイーグルバスターを撃ってきた!

しかし、守がマジン・ザ・ハンドで止めた。

「「「イエーィ!!」」」

「止められたのに、イエーィって・・・」

「(調子が狂わされる・・・。)」


そして試合再開。


綱海がリカに向かっていくが、軽くかわされた。

「抜かれたか!」

その時また、音村が叫んだ。

「16ビート!!」

そしてまた、ボールを奪われた。

「2ビート!!」

「4ビート!」


音村がそう言うたびに、
塔子や一之瀬が抜かれていった。

「小暮、こっちだ!」
「あ、あぁ!」

そしてボールは雪女に渡った。

「俺は簡単には抜かされねーぞ!!」

その時、音村が叫んだ!

「8ビート!!」

「取られてたまるか!アイスバーン!!」

雪女の足元が、音を立てて凍る。
勿論相手2人は綺麗に滑って転んだ。
雪女はスケートのように華麗に避けた。

「よし、いける!このまま・・・」
「クレッシェンド!16ビート!」

そう音村が叫んだ瞬間、俺はボールを取られた。

頭が一瞬真っ白になる。

「そんな、雪女が・・・」
「抜かされた!?」

「・・・そうとう侮ったらしいな・・・」

そしてそれからも、ボールを取られ、
全く攻撃ができずにいた。
試合は完璧に大海原中のペースで進んでいた。

その時。

「痛ッ・・・!?」

雪女の体に痛みが走った。
そして、頭の中に声が響いた。

《離れろ!!》

その声は、エリーゼの声だった。

「(なんで、こんな時に・・・ッ!!)」

雪女は頭を抱え、ふらついた。
足がガクガクして、まともに立てない。

《離れてしまえ!!》

「やめろ・・・帰れよ・・・!!」

《彰人は、お前の中にいてはならない!!》

「ああ・・・ッ!!」

声が響くたびに、頭がガンガンする。
頭が痛くて、意識が手放しそうになる。


「雪女?」
「どうしたんだ?」


「(みんなに、心配かけられ・・・ない・・・)」

意識が飛びそうな中、少し小さな声で雪女はこう言った。

「急に・・・頭が痛く・・・なって・・・」
「大丈夫か?」
「すま・・・ない、俺・・・抜けても・・・いいか・・・?」
「あ、あぁ。」
「キャラバンに・・・薬があるから・・・取ってく・・・る・・・」
「大丈夫か?」
「あ・・・あ・・・。」

雪女はフラフラしながら、グラウンドを後にした。

キャラバンに行く最中も、絶え間なく声は頭の中に響き続ける。

《離れてしまえ!!》

「やめろ!!」

《彰人と別れろ!》

「消えろ、エリーゼ!!」

《消えるのだ!!》

「兄ちゃんと俺に・・・手を出すなあああああッッ!!!」

大きな声でそう叫ぶと、
雪女は意識を手放した。

青い瞳に、大粒の涙を浮かべて。





落ちる・・・堕ちる・・・

俺は・・・


火月“雪女”?

火月“彰人”?


どっちなんだ・・・?



どっち・・・・なんだ・・・?


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