母娘の会話をする暇もなく


そして次の日。

沖縄を去る時がやってきた。


「・・・霧留さん、あなたは本当にそれでいいの?」
「ええ。ミーは稲妻シティーに戻らなくちゃいけないし、それでいいんですよ。」
「・・・」

「条介!」
「柚流・・・」
「頑張って、エイリア倒してよね!ミーは雷門中で、条介をずっと待ってるから!」
「あぁ!」

そして、船は出航した・・・。

「綱海、柚流は・・・」
「・・・あぁ。イナズマキャラバンには参加しないらしいぜ。稲妻町で俺を待ってるってよ。」
「愛されてんな、お前」
「そうか?」

そして雪女は・・・

「・・・母さんか?俺だよ、雪女だよ」

《お、久し振りだな!元気にしてたか?》

「あぁ、なんとかな。」

《よかったな!》

「ところで、俺達は今稲妻町に帰ってる途中なんだ!」

《おぉ!また家に帰ってくるのか?》

「その予定だよ」

《・・・なあ、雪女》

「なんだ?」

《帰ってくんなら、前言ってた奴を俺に紹介する気は無いか?》

「・・・あいつが「はい」と言えばな」

《そうか。じゃあ言うまで待つとするか!》

「それに父さんが大変だろ?」

《そう言われれば、そうだったな・・・》

「まぁ、最初に河川敷に行くだろうから、そこで待っててくれよ!」

《あぁ。久し振りに娘の顔も拝みたいしな》

「じゃあ、またかけるな。」

《あぁ、じゃあな。》



そんなことをしながら、俺たちは
久し振りに稲妻町に戻ってきた。

その時。

「雪女ーーー!!」

「?」

大きな声が聞こえたかと思えば、
母さんが階段から飛び降り、綺麗に空中回転して、俺たちの前に降りてきた。

「「「!?」」」
「よう!」
「・・・えーっと、ど、どちら様ですか・・・?」
「守、紹介するよ。これが俺の母さん。」
「「「雪女のお母さん!?」」」
「いつも雪女がお世話になってる。」
「あーっ!!」
「どうしたんだ?目金。急に叫んで・・・」
「もしかして貴方は、元タカラジェンヌの火月美幸さんじゃ・・・!?」
「あぁ、そうだぜ。数年前に結婚した時に辞めたがな。」
「ぼ、僕・・・貴方のファンなんです!!」
「ありがとな。」

「ていうか母さん、なんつー登場してんだ」
「いやぁ、最近H○ROZにハマっててな!アクロバットやりたくなったんだ」
「・・・」
「ところで、すまねーな雪女」
「ん?」
「正義も連れて来たかったんだが、チームで会議があるっつって行っちまってな」

「え・・・正義って・・・」
「今、一番強いチーム「ヘルメスウィングス」のエースストライカー・・・」

「火月、正義?」

「あぁ。俺の旦那だ」
「「「ええーーーーっ!?」」」

「あー、俺前に言っただろ?父さんは火月正義だって」
「嘘じゃなかったんスね!」
「ちょっと見てみたかったかも・・・」

「あと俺、みんなに差し入れ持ってきたんだ!」
「・・・料理なら出すなよ?」
「安心しろ。果物だから」
「それならよし」

そう言うと、美幸は籠に入った
沢山のみかんを差し出した。

「正義の実家から届いたんだ。食いきれないから、みんなで食っちまってくれ」

「ありがとうございます!」

そう円堂が言うと、美幸は円堂にこう声をかけた。

「お前が円堂守か?」
「あ、はい。」
「いつも俺の娘が世話になってる。ありがとな」
「いえ、世話になってるのはこっちのほうで・・・」
「そうか?」
「はい」
「雪女をこれからもよろしくな」
「はい!」

そう言うと、みんな籠の中のみかんに手を伸ばした。

そして。

「あのみかん、甘くておいしかったな!」
「元気が出たっス!」

「みんな!とりあえず一度家に帰ろう!」
「家庭でのリフレッシュも、大事だわ。」
「監督、いいですよね?」
「えぇ。一日くらいは休みましょう」
「おいおい、俺たちはどーすんだよ?」

その時、綱海がそう言った。
すると美幸が大きな声で・・・

「じゃあ、俺の家に来い!」
「!?」
「今誰も居ねぇから寂しいんだよな。猫がいっぱいいるけど、まぁ気にすんな!」
「俺んちにも来てくれよな!母ちゃんの肉じゃが、最高にうめーからさ!」
「俺、肉じゃが大好きです!」
「どっちの家に行くか迷っちゃうな!」

そんな話で盛り上がるなか、
俺は前髪を目の前からどけるため、すっと上を向いた。

そして、その数秒後・・・


ドオオオオオン!!!

大きな音とともに、空から黒いボールが落ちてきた。

「・・・あれは!!」

すると、ボールから声が聞こえてきた。

《雷門イレブンの諸君、我々ダイヤモンドダストは、フットボールフロンティアスタジアムで待っている》

《先に言っておくけど、貴方たちはこの試合を絶対に断れない。もし断るなら・・・》

《黒いボールを無作為に、この東京に打ち込むだけだ》

「!?」
「無作為にだと!?」
「無作為って、何スか・・・?」
「でたらめにってことですよ!!」
「もしそんな事をされたら、東京がめちゃくちゃに・・・!!」
「えーーっ!?」

《じゃあ、フットボールフロンティアスタジアムでお会いしましょう?》

そうグラースの声が響いた後、黒いボールは崩れて消えてしまった。

「仕方ないわ。直ちにスタジアムに向かいます」
「「「はい!!」」」

「雪女・・・」
「母さん、すまねぇけど先に帰っててくれ。」
「でも」
「母さん。俺は狙われてるんだ。母さんまで危険にさらすようなことはできねぇよ」
「狙われてる!?なら、なおさら着いていかないわけには・・・」
「・・・母さん、頼むよ。家で待っててくれ。」
「・・・」
「絶対に、帰ってくるから」

雪女は真剣な目で美幸を見つめた。

「・・・はぁ。」

美幸はため息を一つつくと、
雪女の頭をわしゃわしゃと撫でた。

「・・・ッ!」
「頼むから無茶だけはしてくれるなよ」
「あ、あぁ。」
「お前は俺の大切な娘なんだからな」

そう言うと、美幸は雪女に背を向けて
家に帰るために歩き始めた。

そして、俺たちは急いでキャラバンに乗り込み、
フットボールフロンティアスタジアムに急いだ!

「相手はどんな連中か分からないわ。どのような攻撃をしてくるのもわからないわ。」
「(冗談キツイぜ・・・何もかも分からねぇとはな・・・くそっ!トリップしてきてから長い間がたってるから、記憶が薄れてきてる・・・)」
「豪炎寺くん、さっそくだけどフォワードを任せるわ」
「はい!」
「・・・豪炎寺くんは間違いなくマークされる。彼にボールを回すのも大切だけど、チャンスがあればゴールを狙いなさい」
「「「はい!」」」
「あと、雪女くんもよ。」
「・・・俺、ですか?」
「えぇ。」
「雪女、安心しろよ!」
「守・・・」
「絶対勝とうぜ!」
「・・・あぁ!」

その瞬間、青い光が強烈に放たれ、
俺たちはその眩しさに目がくらみ、目を瞑った。
そして目を開けると、目の前にダイヤモンドダストが立っていた。

「!」

俺たちが少し怯んでいると、
ガゼルは口を開き、こう言った。

「エイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダストだ。」
「マスターランク・・・!!」
「円堂。君たちに凍てつく闇の冷たさを教えてあげるよ」
「冷たいとか熱いなんてどうでもいい!サッカーで街や学校を壊そうなんて奴らは、俺は絶対に許さない!!」

「・・・何それ、バッカみたい」

その時、グラースがせせら笑うようにして
そう言った。

「何を・・・!」
「待て守!挑発に乗るな!」
「雪女・・・」
「落ち着け。」
「・・・あぁ。」

そして、試合開始のホイッスルが鳴った。

・・・しかし、その瞬間。
ダイヤモンドダスト全員がゴール前から退き、
ゴール前はがら空きになった。
それに怒りを覚えたのか、豪炎寺が思いきり強いシュートを撃ったが、
GKのベルガに片手で止められてしまう。

「なっ・・・!?」

そしてそのまま、ベルガはすごい勢いで円堂のいるゴールに投げた。
円堂はなんとかキャッチしたが、
雷門イレブンに緊張が走る。
そして円堂がボールを投げようとしたその瞬間!

「!?」

気が付けば、いつの間にか雪女達はダイヤモンドダストに囲まれていた。

「・・・なっ、なんて奴らだよ・・・!」

円堂は土門にボールを回すが、
その瞬間、リオーネにボールを奪われる。
そしてそのまま、ボールはリオーネからガゼルへ。

そしてガゼルがシュートを撃つが、
円堂はなんとか止めた。

そしてそのまま攻防戦へともつれ込む。

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