久しぶりのあいつ


「リカ!!」
「ダーリン!」
「まだ練習やったことないけど、バタフライドリームをやるぞ!」
「わかった!」

そして、鬼道からのパスを受け、俺とリカとで攻め上がっていく。
・・・が。

「フローズンスティール!!」
「きゃああっ!!」
「リカ!」

リカがゴッカのフローズンスティールで吹き飛ばされた。
雪女は必死に走り、なんとかリカを受け止めたが・・・

「リカ、大丈夫か!?」
「ダーリン・・・足、痛い・・・!」
「(足を痛めたのか・・・!!)」

雪女はリカを抱きかかえ、急いでベンチに走った。

「秋ちゃん、包帯と湿布、あと出来れば氷嚢!」
「うっ、うん!!」
「(・・・肉離れ、もしくは捻挫ってところか・・・)」
「ダーリン・・・うち・・・」
「大丈夫だぜ、リカ。安静にしてろよ?」
「・・・うん・・・」

そうリカに声をかけたその時。

「アフロディ・・・!?」
「!?」
「アフロディ・・・」
「また会えたね、円堂くん」

「誰や、あいつ・・・」
「フットボールフロンティア決勝で戦った、世宇子中のキャプテンだ」

「何しに来たんだ!」
「君たちと戦うために来たのさ」
「・・・!」
「君たちとともに、奴らを倒すために」
「!?」
「・・・いいわ。浦部さんと選手交代しなさい」
「えっ!?」
「リカ、お前は足を怪我してるんだぞ!安静にしとけ!!」
「・・・ダーリンが、そういうなら・・・」

リカがそう言うと、雪女は瞳子のそばに行き、こう声をかけた。

「・・・監督、いいですか?」
「何かしら、雪女くん」
「リカの怪我が心配なので、そばに居てもいいでしょうか?」
「・・・」
「監督や古株さんを除いて、今あいつを早く治すことができるのは、正直・・・俺だけだと思ってます」
「・・・大した自信ね。わかったわ、好きにしなさい」
「ありがとうございます」

そう言ったあと、俺はベンチに座っていた
立向居に声をかけた。

「立向居、すまない。あとは頼む」
「はっ、はいっ!!」

「・・・とりあえず、骨折だけはしてねぇから、湿布を貼って包帯で軽く押さえておけば大丈夫だろ」
「雪女くん、大丈夫?」
「あぁ、リカならこれで―「浦部さんじゃなくて、雪女くん自身だよ!」
「・・・え?」
「雪女くん、ちゃんと寝てる・・・?顔色悪いよ?」
「ちゃんと寝てるって!今日はちょっと調子が乗らねぇだけだから!」
「・・・そう?」
「あぁ。俺は大丈夫だから!」
「(・・・本当に、そうなの?)」

・・・そして、照美が雷門のユニフォームに着替え、
リカの代わりにグラウンドに立った。

「ん?よく見たらこの氷嚢、氷しか入ってねーぞ?」
「あっ、本当だ!急いでたから入れ忘れたのかも・・・」
「じゃあ俺、どっかで水道見つけて水入れてくるな!」
「なるべく早く帰って来てね!」
「あぁ。」

そして、雪女は水道を探しに行った。

「(水道、水道っと・・・あった!)」

近くの水道を見つけ、氷嚢に水を少し入れる。
そして帰ろうとした瞬間、雪女は驚いた。
なぜなら、目の前にヒカリがいたからだ。

バン!ジャボンッ・・・

手から氷嚢が滑り落ちて、廊下に落ちて少し大きな音を立てた。

「基山・・・ヒカリ・・・!」
「・・・シーッ!!ヒロ兄に見つかっちゃいます!!」
「!?」

・・・だが、いつもの上品なヒカリではなく、
普通の少女のような雰囲気を出していた。

「いったい、どういう・・・」
「あー、えーと・・・いつもヒロに・・・基山ヒロト達が雷門に迷惑をかけてすみません・・・。」
「えっと・・・基山ヒカリ、だよな?」
「あ・・・はい、そうです!あたしは基山ヒカリ、エイリアネームは「シュテルン」です!」
「Σやっぱエイリア学園だー!?」
「やっ、ちょっ、襲ったりしないんで、逃げないで!!」

逃げようとした雪女のユニフォームの裾をヒカリはがっちりと掴む。

「・・・何なんだよ、俺ばっかりー!!俺が一体何をしたってんだー!?」
「ま、待ってください!あたしは雪女さんに伝えたいことがあって来たんです!!」
「本当かどうか怪しいもんじゃねーか!」
「本当ですって!ここにはヒロ兄もバーンも誰も居ません!本当何で信じてください!」
「・・・本当に本当?」
「はい、本当に本当です」
「本当に本当に本当?」
「はい、本当に本当に本当です」
「じゃあ信じてみっか・・・」
「ありがとうございます!」
「ところで、俺に伝えたいことがあるって?」
「はい。」
「俺を捕まえに来たとか潰しに来たとか、そういうんじゃなくて?」
「はい。もしそうだったらシュテルンのままで来ます。それとも来て欲しかったんですか?」
「いや、それは本当にやめてくれ」

・・・最初のシリアスムードは
一体どこにいったのだろうか(笑)

「・・・話を戻すけど、俺に伝えたいことって何なんだ?」
「・・・えっとですね、今雪女さんは狙われてます!!」
「それは分かってる。レーゼといいデザームといいバーンといい、全員「俺を狙ってますよ」みてーなムード出してるからな。」
「それが分かってるなら話は早いです」
「?」
「エイリア学園の頂点に居る人物・・・名前は言えませんが、その人物が貴方を狙ってます」
「エイリア学園の頂点・・・って、グランの事か?」
「違います、ヒロに・・・グラン様じゃないです。」
「じゃあ、誰が・・・」
「とりあえず、エイリア学園の学園長・・・とでも思ってもらえば簡単かと。」
「余計に分からねぇよ」
「・・・と、とにかく!!雪女さんはそれぐらいヤバい奴に狙われてるんですよ!」
「俺をねぇ・・・。でも、どうしてそんなに俺を狙うんだ?」
「簡単に言えば、あなたが興味深いから」
「興味深い?」

そう言うと、雪女は首をかしげた。

「貴方はまれに、試合中に人格が変わったみたいになりますよね。簡単に言えば学園長はその力が欲しいんですよ」
「・・・!?」
「つまり、雪女さんをどんな手段を使ってでも仲間に引き込みたいんです!」
「な!?」
「・・・あの人は何でもやりますよ、復讐のためなら」
「復讐?」
「え・・・いや、何でもないですよ!」

そう言うとヒカリは雪女の肩を掴み、
少し大きい声でこう言った。

「雪女さん、とにかく気を付けてください!」
「あ、あぁ・・・」
「・・・ふー、よかった。忠告できて」
「ところで、ヒカリはなんで俺に忠告してくれたんだ?お前はグランの妹じゃ・・・」
「確かにあたしはグラン・・・基山ヒロトの妹です。」
「なら何で・・・」
「あたし、今のエイリアが嫌いなんです」
「!?」
「正直、今エイリアに居るのも、ヒロ兄がいるからで・・・。」

そう言うと、ヒカリは髪をいじった。

「・・・だから、雷門中の皆さんに、エイリアを倒してもらいたいんです。だからあたしは雪女さんに近づいたんです。罵倒されるのも覚悟で・・・」
「ヒカリ・・・お前はそんな覚悟までして、俺に・・・」
「でもよかった。雪女さん、意外と優しい人で。」

そういうと、ヒカリは雪女に背を向け、
こう言った。

「じゃあ雪女さん、ここであたしに会ったのは内緒にしておいてください」
「あ、おい・・・」
「ヒロ兄や氷鈴を・・・助けてあげてくださいね」

そう言うと、ヒカリは走ってどこかに行ってしまった。

驚く心を抑えながら戻ってくると、
試合は、点数は2対2となり、
すっかり白熱した試合へと変貌していた。

「遅くなってごめん、秋ちゃん!」
「大丈夫だよ!・・・でも、どこに行ってたの?」
「し、知り合いの子が居てな!ついつい話し込んじゃって・・・」
「そっか。」

そして、雪女はリカの横に座り、
試合を眺めた。
その瞬間、グラースがこう叫んだ。

「こんなことがあって・・・たまるものですか!!勝つのは私たち、ダイヤモンドダストでなくてはいけないの!!」

そう言うと、グラースは力任せに鬼道からボールを奪った。
そしてグラースはゴール前にたどり着いた。

「勝つのは、私たち・・・!!」
「来い!!」

「アイシクルブレイク!!」

そうグラースが叫ぶと、
地面から大量の氷が現れ、ボールを包んだ。
そしてそのボールを蹴ると、氷に包まれ鋭くなったボールはそのままゴールへ!!

「正義の鉄拳!!」

しかし、円堂はなんとか正義の鉄拳で止める。

「・・・私の・・・私のアイシクルブレイクが・・・!!」

その瞬間、グラースは地面にへたり込んだ。

「グラース!」
「ガゼル・・・さま・・・」
「グラース、立てるか?」
「はい・・・次こそは必ず成功します・・・!!」

そして、試合が再開した。

そして、円堂と鬼道と豪炎寺は
イナズマブレイクを撃つために、ゴール前まで攻め上がっていく!

しかし、撃とうとした瞬間、
アイシーにボールを奪われてしまう。

「行かせない!!」
「ッ!」
「円堂くん、早くゴールへ!!」

照美が体を張ってアイシーを止め、時間を稼ごうとした。

「アイシー!こっちよ!」
「グラース!!」

アイシーはボールをグラースに渡した!

「ガゼル様!」

そしてグラースはガゼルにボールを回し、
ガゼルはノーザンインパクトを無人のゴールに撃った!

しかし、何とかギリギリでノーザンインパクトの前に回り込み、
正義の鉄拳で止めようとしたが・・・

「やめろ!ペナルティーエリア外だ!!ハンドになる!!」
「!」

その声に円堂は一瞬止まったが、止めないというわけにもいかず・・・

「ぐっ・・!」

ヘッドで受けた。
その瞬間、オレンジ色の手が出て
ノーザンインパクトを止めた!

「えっ!?」
「何!?」
「・・・!」

そしてそのまま、試合終了のホイッスルが鳴った。

その時。

「そこまでだよ、ガゼル」

「ヒロト・・・!」

現れたのは、ヒロトとヒカリだった。

「円堂さん、見せていただきましたわ。短い間に、よくここまで強くなられたものですわ」
「エイリア学園を倒すためなら、俺たちはどこまでだって強くなってやる!!」
「いいね。俺も見てみたいな、史上最強のチームを」
「・・・本当に思っているのか?」
「ッ・・・。・・・じゃあ、またね。」

そう言うと、ヒロトはヒカリに目くばせした。
ヒカリはそれを見ると、指をパチリと鳴らした。
すると、空から黒いボールが落ちてきて、そしてまぶしい光を放った。

「円堂守!次こそは必ず・・・君たちを倒して見せる!!」

そうガゼルが言うと、ボールがさらに光って、
その光が収まると、ガゼルたちは居なくなっていた。

そして・・・

「一緒に戦ってくれるんだよな!」
「あぁ。」
「歓迎するわ」
「感謝します、監督。失礼ながら今の雷門には、決定力が不足していますからね」

「よーし!エイリア学園を倒すため、頑張るぞ!」

「「「おーーーっ!!」」」

「照美、まさかお前が味方になるとはな!」
「雪女くんのおかげだよ」
「・・・俺?」
「あぁ。君が雷門に負けた僕に言ってくれた言葉・・・」


“************、***(這い上がってくると信じてるよ、照美)”


「あの言葉で、立ち直れたも同然だよ」
「俺はただ、お前を励ましたかっただけさ」
「・・・本当にそうかな?」
「本当にそうさ。」

そんな話をしていると、監督が守に近づき、
守こう告げた。

「円堂くん」
「はい!」

「あなたには、ゴールキーパーをやめてもらうわ」

「「「!?」」」





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