何があってもそばにいる
あの後。
イナズマキャラバンがなんとエンストし、
現在修理中なわけだ・・・。
「結構時間がかかりそうだな。」
「ここで待ってるのも退屈だし、ちょっと外の空気吸わねーか?」
「賛成!」
外へ出ると、すごくいい天気だし、
空気もおいしいし、最高。
・・・エンストしてなければ、もっと最高なんだけどなー。
その時、塔子が口を開いた。
「・・・で、みんなはこれからどうするんだ?」
「これから?」
「だから、雷門中に帰った後だよ」
「そう言えば、そうだな」
「エイリア学園は倒したわけだし、どうするのかな?って思ってさ」
「あぁ。」
「確かにそうね」
「雪女は、どうするんだよ?」
「俺?」
そう言うと、雪女は顎に手を当てた。
「・・・とりあえず、もう少し雷門に居ようかな。」
「そうか!」
「(・・・お前らが世界に行くまで、見ていたいからな)」
そう、雪女はポツリとつぶやいた。
「ん?何か言ったか?」
「いや、何も。」
「吹雪は、どうするんだ?」
「僕も、帰ろうかな。白恋中のみんなが待ってるし」
「・・・そうか。じゃあ俺たち、遠距離恋愛になっちまうな・・・。」
そう俺がつぶやいてうつむくと、士郎は俺の肩に手を乗せて、こう言った。
「大丈夫だよ。僕がどこに行っても、雪女がどこに居ようとも、僕は雪女だけが好きだから」
「士郎・・・」
「ね?」
「・・・前みたいに浮気したら、許さないんだからな」
そんな話を士郎としていると、リカが冷かしてきた。
「二人ともあっついなぁ!見てて熱うなってくるわ!」
「リ、リカッ!!」
その時、ボムッ!!と音がして、
あわてて音のしたほうを見ると・・・。
「・・・ぶっ、くくっwww」
煤まみれの古株さんと響木さんが。
「すまん、まだまだかかりそうだ!」
・・・で。
「おい、そっち行ったぞ!」
「こっちだこっち!!」
サッカーをする円堂たちを、
俺は士郎の横で見つめていた。
「・・・不思議だよな。」
「うん?」
「俺な、元居た世界でお前たちに、すごく憧れてたんだ。」
「そうなの?」
「あぁ。お前たちをテレビで見たり、漫画で見るしかできなかった。」
そう言うと、雪女は前髪をかきあげた。
「なのに今じゃ、円堂たちとサッカーできてるし、エイリアだって倒せた。」
「そうだね」
「夢かと思うくらい嬉しすぎてさ・・・。それに、お前への片思いだって終わった。」
「僕への?」
「あぁ。だって本人がここにいるんだからよ!」
「うわあっ!?」
俺は勢い良く、士郎に抱き付いた。
士郎はバランスを崩して、俺と一緒に倒れこむ。
「・・・雪女?」
「だから、離れるのがすげえ辛い。」
(たとえ、少しだけの別れと知っていても)
「ずっと一緒に居たからかな?」
(本当は、もっと一緒にいたい)
「・・・だから」
(好きだから、そばに居たい)
俺はその先の言葉に詰まる。
きっと今言えば、士郎に枷となってまとわりついてしまうから・・・
「・・・泣かないで」
すっ、と
士郎の白い手が、俺のほほに伸びる。
知らないうちに泣いていたらしい。
「僕は君のそばにいるよ、何があっても」
「士郎・・・」
「また、雪女に会いに来るよ。・・・絶対に。」
「・・・」
「雪女にもらったネックレス、大切にするから。」
そう言うと士郎は、ジャージのチャックをちょっとあけて、
俺があげたネックレスをつけているのを見せてくれた。
「・・・愛してる。」
ちゅ、と軽い音を立てて、
俺の唇と士郎の唇が重なる。
数秒後に唇が離されると、俺は真っ赤になった。
・・・なぜなら。
円堂たちがこっちを凝視していたからだ。
「な、ななななっ!!!!」
「ラブラブやなぁ、ホンマうらやましいわ」
「ちっ、ちが、これは!」
「隠さなくてもよくってよ。あなたたちの関係はもう把握済みだから」
「〜〜〜〜ッ!!!」
そんな感じで顔を真っ赤にしていると、
士郎が俺を抱き寄せて、こう言った。
「僕の大事な彼女に、手出ししないでね?」
「士郎ッ!?」
俺の恥ずかしさはマックス。
完熟トマトいっちょあがり!!(半分ヤケクソ)
「おーいみんな!キャラバンが直ったぞ!」
その時、古株さんが助け舟を出してくれた。
古株さん、マジでありがとう!!
そして雷門中についたが、
何だか異様な雰囲気が漂っていた。
「・・・あれ、変っスねえ。」
「誰も、居ない?」
「・・・変ね、今の時間なら生徒たちがいるはず・・・」
その時、向こうから研崎が現れた。
「・・・あいつ!」
「!?」
「・・・お待ちしておりましたよ、雷門のみなさん」
「!?」
「皆さんにはまだ、最後の戦いが残っていますからね」
「最後の、戦い・・・?」
そう言うと、研崎は後ろにいたフードをかぶっていた少年に目くばせした。
その少年は俺たちの前に来て、フードを取った。
何とその少年は・・・
・・・風丸だったのだ。
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