黒いボールと野望


「風丸!?」

そのほかの少年も、次々フードを脱ぐ。

「染岡くん!?」
「栗松!?」
「し、宍戸!」

驚くべきことに、少年は全員、
怪我をして抜けていたはずの仲間だった。

「・・・久し振りだな、円堂」
「ど、どういうことなんだ!?」
「・・・ようやく私の野望を実現する時が来たのです。」
「何!?」

すると、風丸は黒いサッカーボールを取り出した。

「「「!?」」」
「あのボールは!!」

すると、風丸がこういった。

「再会の挨拶代りだ」

そして黒いボールを蹴る。
円堂はなんとか受け止めるが、吹き飛ばされてしまう。

そして風丸は、それを見下した表情で見つめた。

「風丸・・・!」
「俺たちと、勝負しろ!」
「なっ!?」

ふと気づくと、風丸のユニフォームの詰襟の隙間から、
紫色の光が漏れていることに気が付いた。

「・・・あの光は、エイリア石!?」
「なんだって!?」
「エイリア石は、研究施設とともに破壊されたはずじゃ・・・!?」
「ふふっ・・・」

その時、研崎が笑ってこう言った。

「皆さんにはお礼を申し上げます。おかげであの無駄極まりないジェネシス計画に固執していた吉良星二郎を、片づけることが出来ました」
「・・・!」
「まさか、あの爆発は!」
「お察しの通り、私がやりました。おかげでエイリア石を私だけのものにすることが出来ましたからね!」
「「「!!」」」
「おかげでジェネシスなんかよりもっと素晴らしいハイソルジャーの揃ったチームが出来上がりましたよ」
「まさか、風丸たちを!」
「・・・その通り。それが、ダークエンペラーズなのです!!」
「なんてことを!!」
「今日は彼らの強さを証明しに来たのです。彼らがあなた方雷門を、完膚なきまでに叩き潰してくれるでしょう!」

その時、ただ一人だけフードを脱がなかった子が、
フードをバサッ、と脱いだ。

「!!」




「柚流・・・ッ!?」



「柚流!?おい、嘘だろ!?」
「ククッ・・・そうだよ、アタシは柚流だよォ!ここはいいねェ、ヌルい大海原とは大違いだからねェ」
「・・・(いつもの柚流と違う!?)」
「柚流!」
「おい、綱海!」

綱海は柚流に近寄り、肩を掴んだ。

「戻ってこい!お前はそんな奴じゃねぇだろ!?」
「・・・」

パシン!


グラウンドに乾いた音が、一つ響いた。
その音は、柚流が綱海の頬を叩いた音だった。


「ヌルいんだよ、テメエは」
「柚、流・・・?」

その瞬間、柚流は胸を掴んで苦しみだした。

「・・・ぐっ、ぐああっ!?」
《ミーの条介に手を出さないで!ミーの体を返しなさいよッ!!》
「まだ、統合していなかったのかぁああッ!!」
《条介!条介ーーーッ!!》
「・・・柚流!?本当の柚流なのか!?」
《条介、ごめん。ミーはあの後、こいつの部下に捕まったんだ・・・》
「何!?」
《それで、エイリア石を無理やりつけられて・・・》

「そうか!」
「!?」
「・・・あいつはエイリア石を無理やり付けられて、もう一つ人格が生まれちまっているんだ!」
「何だって!?」

《助けて、条介・・・ッ!!》
「・・・ぐ、あぁっ!!こいつッ、消えやがれえッ!!」
《きゃっ・・・!!》
「はっ・・・は・・・」

柚流のもう一つの人格は上がった息を整え、
崩れたマントを着直し、綱海にこう告げた。

「・・・テメエの可愛い柚流ならアタシん中だ。助けたきゃァ、アタシらに勝ってみな」
「!」
「まぁ、無理だとは思うけどなァ!アハハハハハッ!!」

そして柚流は高笑いして、染岡たちのもとに戻った。

「・・・・くそっ!」
「仕方ない、戦うしかないのか・・・!」


「さあ、円堂。サッカーやろうぜ!」
「仕方ない、勝負だ!!」


そして、試合が始まろうとしていた。

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