さあ行こう!


その時、響木さんがやって来たから、みんな綺麗に整列した。
俺達も一応、秋ちゃん達と一緒に並ぶ。

「・・・!」

その瞬間、俺たちは驚いた。
響木さんの隣に、久遠さんが現れたためだ。

「選考通過者発表の前に、日本代表の監督を紹介する」
「「ええっ!?」」
「私が、日本代表監督の久遠道也だ。よろしく頼む」
「・・・どうして、響木監督が代表監督じゃないんですか?」

守がそう聞くと、響木さんはこう答えた。

「久遠なら、今まで以上にお前たちの力を引き出してくれる。そう判断したからだ」
「・・・」

「・・・では、代表メンバーを決定する」


そして、代表メンバーが発表された。

代表メンバーに選ばれたのは、

鬼道、豪炎寺、ヒロト、士郎
綱海、風丸、小暮、リュウジ
立向居、土方、不動、飛鷹
虎丸、壁山、栗松、守

この16人だった。

「やったね、リュウジ!」
「ヒカリの応援のおかげだよ!」
「ヒロ兄もおめでとう!」
「ありがとう、ヒカリ。」

「士郎、よかったな。俺すげえ嬉しい!」
「ありがとう。僕もすごく嬉しいよ」

「条介、おめでとう。ミーは今すごくハッピーよ!」
「ありがとな、柚流!」

「ゆ、勇気。おめでとう・・・。」
「祈莉、ありがとう。俺、頑張るから!」
「うん。応援してるね」

「・・・今日からお前たちは、日本代表とそのマネージャーだ。」
「選ばれたものは、選ばれなかったものの思いを背負うんだ!」
「「「はいっ!!」」」

「いいか、世界への道は険しいぞ。覚悟はいいか!」
「「「はい!!」」」

「みんな、円陣組もうぜ!」
「ああ!」
「はいっス!」

「・・・男って、いいよなあ」
「雪女さん、羨ましいんですか?」
「・・・ちょっと、だけな」
「本当にちょっとだけですかあ?」
「怪し〜い!」
「本当だって!・・・たぶん」

その時。

「おーい!秋たちも円陣組もうぜ!」
「いいの?」
「あぁ!マネージャーも選手の一人だ!」
「・・・!」
「ミーも混ぜてー!」
「あたしもあたしも!!」
「わっ、私も!」
「俺も!!」


「ようやく世界だな!」
「世界への第一歩だ!!」
「どんな相手が待ってるか、楽しみだね」
「そうだな」
「何たって、俺たちは日本代表だ!絶対に世界一になるぞ!」

「俺たちは、イナズマジャパンだ!!」

「「「「おーーーっ!!!」」」」



そして俺たちは、世界への1歩を踏み出したのだった・・・



選手が決まったその夜。

明後日から守たちが合宿(もちろんマネージャーも)なので
俺は、自分の部屋で荷物をまとめていた。

「・・・えーと、あとそれから・・・」
「にゃー」
「あっ、こら!ウルフ!俺のバッグに入るな!」
「みゃー」
「こら!ジャージのズボン返せ、ノーザ!!」

・・・猫に邪魔されて、全然進んでねえけど。

「雪女ー。ちょっと一緒に下でコーヒー飲もうぜ」
「母さん。」
「どーせまたお前、しばらく家あけるんだろ?ちょっとくらい付き合いやがれ」
「あー・・・仕方ねぇな。」

リビングに降りて、コーヒーを淹れる。
俺と母さんの二人分。

「砂糖とミルクは?」
「2個づつ入れてくれー」

砂糖とミルクを入れて、テーブルにコーヒーを乗せる。

「・・・お前、日本代表のマネージャーやるんだって?」
「あぁ。」
「何か惜しいなあ、お前を男に産んでやったらよかったか?」
「仕方ねぇよ。女子は例外なく参加できないし。マネージャーできるだけでも有難いし」
「そうか。」

そう言って、美幸はコーヒーを飲んだ。

「そう言えばな、正義が言ってたぞ。」
「何を?」
「「日本代表のマネージャーなんて、なんて名誉なんだ!俺のじゃじゃ馬娘が!」なーんてな」
「じゃじゃ馬はひどくねーか?」
「まぁ許してやれよ。あいつ嬉しすぎて、ヘルメスウィングスのチームメイト全員に、この話言いふらしてたんだぜ」
「・・・父さんってば・・・」

「・・・お前も、成長したな」
「そうか?」
「あぁ。昔彰人にひっついて、ピーピー泣いてた頃とは大違いだ」
「なっ、母さん!!」
「ホントの話だろ?」
「う゛う〜っ・・・///」
「でも、元気に育ってくれて俺はうれしいよ。こんな娘でもな」
「「こんな娘」だけ余計だ」
「ははっ、すまんすまん!!」

そう言うと、美幸は雪女の頭をわしゃわしゃと撫でた。

「だから、無事に帰って来いよ」
「・・・母さん?」
「あいつらが世界に挑戦するってことは、お前もそのうちあいつらについて行って、海外とかに行くんだろ?」
「・・・そうかもしれない。」
「そうか・・・。」

そう言うと、美幸は机に肘を乗せた。

「・・・お前さ、俺に何か隠してないか?」
「ん?」
「何かさお前、いつもと違う。」
「別に何も隠してねーし、何もねーけど?」
「・・・俺の気のせいか?」
「気のせいだろ。疲れてんなら寝ろよ」
「娘に心配されるほど落ちぶれちゃいねえよ」
「減らず口ばっか言いやがって。」
「お前に言われたかねーな」


そう言って、美幸と雪女は
顔を見合わせて笑った。

そして、次の日の夕方。

「じゃあ、守たちが待ってるから行くな」
「・・・あぁ。」
「母さん、ちょっと顔寄せろ」
「ん?」

不思議そうな顔をして、
美幸は言われたとおり、雪女の顔の近くに顔を寄せた。

ちゅっ、と軽い音を立てて、
美幸の頬に雪女はキスをした。

「すぐ帰ってくるぜ」
「・・・バカ野郎、マセやがって」
「バカ、子供から親への普通の愛情表現だっつの。」

そう言うと、雪女はドアを開けて
美幸にこう言った。

「行ってきます!」
「・・・あぁ、行ってひと暴れしてこい!」
「あぁ!」

そして雪女は、玄関から飛び出した。

「・・・気を付けろよ、雪女・・・」



そう、美幸は雪女の背中を見ながらつぶやいた。




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