フィールドには龍がいるから
そして次の日。
荷物とかをキャラバンに積み込んで、
スタジアムへ向かう準備ができた。
「あれ、監督と冬花さんは?」
「先にスタジアムへ行ってるわ。」
「・・・結構な人数ですけど、乗れますかね?」
「まぁ、いざとなりゃ補助席もあるし、なんとかなるって」
「これで全員そろいました、キャプテン!」
「よし、じゃあ出発だ!」
そしてイナズマキャラバンは走り出した。
「勝てば、FFI世界大会へいけるんですよね!」
「あぁ!」
「私、マネージャーなのにすごくドキドキします・・・」
「ミーもドキドキしちゃうわぁ・・・」
そんな話をしていると、雪女のケータイがぶるぶると震えだした。
「あ、母さんから電話だ」
そう言って、通話ボタンを押そうとした瞬間。
キキーーーーーーーッ!!!
けたたましいブレーキ音を立てて、
キャラバンが急停止した。
もの凄い反動で、自然とみんなの上半身が前へ動く。
その反動で、雪女はケータイを手から放してしまった。
「何だよ、今の!」
「びっくりしたっス・・・」
「誰かのケータイが飛んできたぜ!?」
俺と秋ちゃんは、急いで古株さんの近くによる。
「どうしたんですか!?」
「何か、事故でも!?」
古株さんは少し震えながら、
前をすっ、と指さした。
そこにはなんと、改造自転車に乗った唐須と、
数人の少年が立っていたのだ。
「あいつらは!」
「なんだ、なんだぁ!?」
「お久しぶりですねぇ、飛鷹せんぱーい」
「唐須!てめぇ何のつもりだ!!」
「今から大事な試合だそうじゃないですかー、だから応援に来たんですよ。先輩に世話になったやつらと一緒にね」
そして守や俺たちはキャラバンから降りて、
前を退くよう、説得にかかる。
「そこを退いてくれ。スタジアムに急がなきゃいけないんだ!」
「えー?折角応援に来た友達を追い返すんですか、せんぱーい?」
「・・・ッ!」
「何が応援だ!たちの悪い嫌がらせじゃねーか!」
「いいんですか?喧嘩なんかしたら、折角の試合、出場停止処分になっちゃいますよ」
「!」
「まずい・・・早くしねぇと、試合始まっちまうぞ・・・!」
「お別れです、みなさん」
「飛鷹・・・!?」
「行ってくれ、キャプテン。俺がこいつらの相手をする」
「飛鷹・・・」
「もともとは俺が招いた問題。こんな事で、みんなの夢を台無しになんかできない」
「へぇ、やるんですかぁ?」
「あぁ!」
そう言って、向かおうとした飛鷹を
守が止める。
「やめろ、飛鷹。」
「大丈夫ですよこんな連中、俺一人で・・・」
「違う。お前も一緒に試合に出るんだ」
「えっ・・・」
「誰一人欠けちゃいけない。俺たちは、全員でイナズマジャパンなんだ」
「・・・美しい友情っすねー。」
「!」
「そんなもん、俺たちがぶち壊してやるぜ!!」
「「おう!!」」
そして、俺たちに飛び掛かろうとした次の瞬間、
スケボーに乗った雀たちが現れた。
「間に合ったみたいですね!」
「す、雀!?」
「飛鷹さん、ここは俺たちに任せてください!唐須の好きにはさせません!!」
「お前たち・・・」
「行ってください、早く!!」
「俺たちの夢、消さないで下さいよ!飛鷹さんが活躍するのが、俺たちの夢なんですから!」
「さぁ、早く!!」
雀の気迫に押され、俺たちは急いでキャラバンに乗り込んだ。
「・・・すまない、雀・・・」
タイムロスしてしまったが、
俺たちは何とか試合前に、スタジアムにつくことができた。
「遅れてすみません、監督!」
「全員揃っているな。行くぞ!!」
「「「はい!!」」」
そして俺たちは、急いで支度をして、
試合に備えた。
「とうとう決勝だ!みんな、勝つぞ!!」
「「「おーーっ!!」」」
そうやって円陣を組んでいると、
後ろから懐かしい声が聞こえてきた。
「元気そうだね。」
「?」
「アフロディ!?」
「やっと会えたね。」
「長くて退屈したぜ。決勝戦までの道のりは」
「ガゼル!?バーンまで、なぜここに!?」
ガゼルとバーンの登場に驚いていると、
二人の陰から、少女が2人現れた。
「あの、私達も」
「思い出していただけないでしょうか」
「グラース、モニーレ!?」
「久し振りね、シュテルン・・・いや、ヒカリ。」
「グラース・・・じゃなかった、氷鈴に加添・・・でも、どうして?」
そう言うと、照美がこうしゃべりだした。
「涼野風介、南雲晴矢。彼らは僕のチームメイトだからさ」
「ちなみに私、涼野氷鈴と黒崎加添は、このチームのマネージャーです。」
「それじゃあ、まさか・・・」
「そう、僕たちは韓国代表、ファイアードラゴンだ。」
「え・・・でも、なんで・・・」
「不思議ではないだろう?僕が母国のチームに選ばれても」
「母国・・・?」
豪炎寺が不思議そうにそう言うと、
晴矢がこう言った。
「俺たちはアフロディにスカウトされて、このチームに来たんだ」
「君たちと、もう一度戦うためにね」
「今までの僕たちと思わないことだ。」
「いい試合が、できそうだな!!」
「でも、気を付けなよ。」
「ん?」
「フィールドには、龍がいるから」
「・・・?」
「どういう意味だ?」
「さぁな。」
「円堂!」
「・・・はい、監督!」
「秋ちゃん、タオルどこ?」
「えっと、そこの下に・・・」
ウォームアップをしたり、必要な道具を揃えたり。
みんな各々で、試合のための準備を進めていく。
そして、試合開始のホイッスルが鳴った。
・・・しかし、守は監督に指示され、ベンチスタートになっていた。
「・・・俺に、何が・・・」
「守、お前には何も見えていないのか?」
「雪女?」
「仲間を思いやるということを、思い出してみろよ」
「雪女、それって・・・?」
「あとは自分で考えろ。」
豪炎寺のキックオフから始まり、
ボールは吹雪から風丸へ。
そのままボールはヒロトに渡り、
ヒロトは試合早々、流星ブレードを撃った!
しかし、相手もさることながら、
大爆発張り手で難なく止めてしまった。
そしてそこから、一進一退の攻防戦にもつれ込む。
飛鷹からボールを奪った晴矢と風介が攻め上がってくるが、
吹雪は新技のスノーエンジェルで、一瞬でボールを奪い返した。
「何っ!?」
「これだけじゃない!・・・土方くん!」
「あの技だな?よっしや!!」
ボールを奪いに来たDFを軽くかわし、
二人は連携技の体制になった。
「行くぞ、吹雪!」
「あぁ!」
「これが俺たちの連携技・・・」
「「サンダービースト!!」」
「大爆発・・・うわあああっ!」
技で止めようとしたGKを吹き飛ばし、
そのままボールはゴールへ!
ファイアードラゴンから先制点をもぎ取った!
「やったあ!」
「凄いです・・・!」
先制点で士気の上がったみんなは、
勢いよく攻め込んでいく。
「吹雪!」
そしてボールは綱海に渡る。
その瞬間、チャンスウがこう叫んだ。
「我らが必殺タクティクス、パーフェクトゾーンプレス!!」
その瞬間、吹雪と綱海を数人がかりで囲む。
そのおかげで、今までうまくいっていた連携が崩れてしまった。
おまけに、締め付けるように輪が縮まっていくため、
焦りで、冷静に判断しにくくなっていた。
「くそっ・・・うわああっ!!」
「わっ!?」
焦った吹雪と綱海が交錯し、
激突しあってしまった。
「士郎!!」
「条介!?」
怪我した二人をベンチまで運び、
俺たちは手当をした。
「春奈ちゃん、冷却スプレー貸してくれ」
「ミーのほうにもお願い」
「はっ、はい!」
「二人とも、大丈夫か・・・?」
「なーに、どうってことねーよ。」
「迷惑かけて、ごめん・・・」
「・・・」
士郎の足に、湿布を貼る。
「(くっ、頭がフラフラして、視点が・・・)」
貧血が悪化したような気がする。
眠いし、体がだるいし・・・
頭も腹も痛いし、俺に何が起こってるんだ?
「・・・よし、これで・・・大丈・・・」
いつもより少し遅い手つきで、士郎の足の手当てを済ませた。
その瞬間、視界がどんどんぼやけていく。
「・・・あ・・・」
その瞬間、俺の意識がブラックアウトした。
そして、地面にドサッ、と音を立てて倒れる。
「雪女さん!?」
「雪女!?」
「スノーガール!」
「雪女先輩!」
心配そうなみんなの声を聴きながら、
雪女の意識は飛んでいった。
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