青空の下で夢うつつ


スカッと晴れた空の下。

雪女は屋上のベンチに寝転がり、学生服の懐から隠しておいた漫画を取り出した。

「え?何の漫画かって?もちろん「イナズマイレブン」に決まってるだろっ☆」
(誰に話しかけてるんですか・・・By管理人)


授業中のこの時間。
取り巻きの女の子も誰もいない、この時間に漫画を読むのが、
学校での、(少ないけど)心が落ち着く時間。

「やっぱ円堂カッコいいな。あっ、でも吹雪も意外と俺の好み」
「・・・あーでも豪炎寺もイケメンだしなぁ!」

・・・BL発言に聞こえるかもしれねーが、俺は一応女だからな!俺って言ってるけど女!ガール!レディー!
・・・あ、レディーはねぇな。レディーは。


「ふわぁ・・・・」


空が晴れているせいか、あたりが結構暖かくて、
優しいそよ風も吹いて、ついうとうととしてしまう。


「ん・・・いいよな。少しくらい寝ても・・・一眠りするか・・・。」


そう言って雪女は一つ大きなあくびをすると、
漫画を懐にしまい、腕を枕代わりにして眠った。


そして・・・


雪女が目を覚ますと、あたり一面夕焼け色だった。

「いつつ・・・体痛っ・・・」

固いベンチ上で寝たせいか痛む体。
その痛みに顔をしかめながら、雪女は体を起こした。
寝ぼけ眼の目をこすり、時計を見てみると、
もう6時前。生徒はほとんど部活動の片づけをしている時間だ。

「あー、もうこんな時間かよ。サボりになっちまったな・・・」

《下校時間完了5分前です・・・速やかに部活などを終了し、下校の準備をしましょう・・・》

いつも通りのアナウンスが、夕焼け色に染まった空に響く。

「・・・帰るか。と、その前にトイレ・・・」

と、ベンチから立ち上がったそのとき。


グラッ


そんな音が聞こえるくらい体がふらつき、雪女の目の前がぐにゃりと歪んだ。

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