未完成のゴッドキャッチ


「・・・も、もうあと5分ほどで、試合が始まるんですよね?」
「あぁ。」
「すっごいドキドキするわ・・・!」
「・・・お前ら、絶対に勝たないと許さねーぞ!」
「分かってるって、雪女!」

そして、円堂たちがポジションにつき、
試合開始を告げるホイッスルが、高らかにスタジアム中に響き渡った。

「・・・行くぞ!」
「おう!」

染岡がボールを受け取り、どんどん上がっていくが、
すぐに、目にも止まらない速さでゴーシュに奪われてしまう。

「・・・なんて速さだ!」
「だが、追いつける!思い出せ、オルフェウスとの特訓を!!」

そして鬼道は二人のわずかなスキを狙い、
見事にボールを奪取!

「・・・佐久間!」
「豪炎寺!」

佐久間から豪炎寺にボールが渡り、
最初のシュートチャンスはイナズマジャパンに。

「爆熱スクリュー!!」

そしてそのまま1点をとれると思いきや、
ロココの“ゴッドハンドX”で阻止されてしまう。

「ゴッドハンドX!?」
「しかも、豪炎寺さんの爆熱スクリューを止めるなんて・・・」
「・・・さすが決勝、今までとはレベルが違うぜ・・・!」


そして、ロココはゴールからボールを蹴った。
そのボールは目にも止まらない速さで鬼道や壁山の隣をすり抜け、
一直線に守のもとへ飛んでいく。

「うわっ!?」

慌ててキャッチするが、ものすごい威力で
守はラインギリギリまで下がってしまう。

「ゴールからダイレクトに!?」
「なんてキック力だ・・・!」
「・・・これは、ロココからの挑戦状だ・・・」

「攻めろ、みんな!!」

そう叫んでボールを投げる守。
鬼道が受け取って攻めあがるが、やはり決勝戦まで勝ち上がってきたチームだけあり、
素早いマークでパスを出させない。

その時、監督が一言だけ叫んだ。

「鬼道、空だ!!」

「・・・そうか!」

鬼道はその言葉を理解したらしく、
素早くみんなに号令をかける。

「行くぞ、みんな!」

そしてその号令に合わせて、
必殺タクティクス、ルート・オブ・スカイが発動される。

「行かせるか!」
「取られるかよ!・・・豪炎寺!!」

ウィンディにボールを奪われそうになった染岡が、
豪炎寺に高いパスを回した。

・・・だが。

「うおおおーーっ!!」

ウィンディが驚異のジャンプ力で、
豪炎寺へのパスをカットする。

「なっ!?」
「もう一度だ!!」

鬼道はボールを奪い、もう一度
ルート・オブ・スカイを発動しようとしたが・・・

「サークルプレードライブ!!」

逆に相手の必殺タクティクスに翻弄され、
味方ゴール前に戻されたうえ、鬼道はボールを奪われてしまった。

「食らえ、ダブル・ジョー!!」

そして、ドラゴのダブル・ジョーが守を襲う。

「させるか!・・・ゴッドキャッチ!!」

まだ未完成のゴッドキャッチを使い防ぐが、
やっぱりまだ未完成のようで、守は吹き飛ばされてしまう。

「守!」
「・・・威力が、半端じゃない・・・」
「これが・・・世界・・・!!」

そして先制点はリトルギガントへ。

「ゴッドキャッチが、破られるなんて・・・。」
「・・・違う。まだ完成していないんだ・・・」
「た、確かに。さっきのゴッドキャッチは、その・・・なんていうか、タイミングがすべてバラバラで・・・」
「・・・つまり、まだ未完成ってことね」

リトルギガントの強さにみんな動揺しているなか、
有無を言わさず試合は再開。

「攻め続けるんだ!!」

ヒロトたちは怒涛の攻めを繰り出すが、
ロココは難なく防ぎきってしまう。
そしてそのたびに、リトルギガントが幾度となく迫ってくる。

攻めて防いで、攻められて防がれて。

その繰り返しが続いていたその最中・・・

「ダブル・ジョー!」
「ゴッドキャッチ!!」

また守はゴッドキャッチを繰り出すが、
まだ未完成なのか、止める前に崩れてしまった。

「(だめか・・!?)」

その瞬間、円堂の前に染岡が割り込み、
体を張ってシュートを防いだ。

「染岡!」

染岡は負傷して、とてもじゃないが戦える状態じゃなかった。

・・・そして、染岡と虎丸が交代した。

「虎丸・・・」
「監督から、伝言があります」

「頑張ってください、みなさん!!」
「ファイトよ、条介ーっ!」
「気張って行け!!」

そして、3度目のコーナーキックで試合再開。

・・・しかし、再びリトルギガントの攻撃が
守を襲い始めるが、
今度は、綱海や虎丸たちが防ぎ、何とかピンチをしのいでいく。

気づけば、守の周りにイナズマジャパンの選手全員が集結していた。

「・・・えっ!?」
「お前のゴッドキャッチが完成して、ボールをキープできるようになるまで・・・」
「俺たちも、ゴールを守る!!」

「・・・思い切った作戦にでたな・・・」
「でも、これはこれで素晴らしい作戦です!」

その時、監督が動いた。

「円堂!!」
「?」

そして監督は、自分の左腕をつかむ。

その位置は、守のキャプテンマーカーがある位置。

「・・・!」

監督が伝えたいことを理解したのか、
守の目には決意の色が浮かぶ。

「・・・ゴールは、俺が守る!!」
「吹っ飛べ!・・・ダブル・ジョー!」

そしてまた、ドラコがダブル・ジョーを撃つ。

「ゴッドキャッチ!!」

今度のゴッドキャッチは、今までの失敗したゴッドキャッチとは大いに違っていた。

真紅のマントを翻して現れた巨神が、
強く感じるパワーを溢れさせながらシュートを受け止めた!

「できた・・・ゴッドキャッチが、完成したーーーっ!!」

その瞬間、スタジアムに歓声と拍手が沸き起こる。

「今度は全員で攻めるぞ!みんな、反撃だ!!」
「「「おう!!」」」

円堂の掛け声に合わせ、全員が動き出す。
どんどん勢いづいていくのが、目に見えて分かった。

「行かせないよ!」

だが敵も負けてはいない。

ボールを奪っては奪い返し、チーム一丸となって、みんな前へ前へと進んでいく。

「させるかーッ!!」

その時、ドリブルするヒロトにドラゴが強烈なディフェンスをかけ、ドリブルを止めてしまう。

しかし後ろから追い上げていた守がボールを受け取り、
前線へ進んでいく。


「俺たちは、みんなで世界一になるんだ!!」

そして守の思いがこもったパスをヒロトが受け取り、
天空落としでゴッドハンドXを破り、見事1点に変えた!!

「やったあ!」
「同点ですよ、同点!!」

ロココが点を許してしまったことで、
リトルギガントの面々が動揺しているのが手に取るように
表情から伝わってきた。

「そんな・・・」
「ゴッドハンドXが破られるなんて!」




そしてそこで、前半終了のホイッスルが鳴った。

「お疲れ様です!今のうちに少しでも体を休めてください!」
「汗とかしっかり拭けよ!」
「水分補給してねー!」

貴重なハーフタイムの間に、少しでも休ませようと
俺たちマネージャーも必死に働く。

「・・・そ、それにしても、強いですね・・・」
「だって決勝戦の相手だもの。強くなきゃここまで来れないでしょ」
「まぁ、そりゃそうだ」
「・・・でも私、相手がまだ何か強さを隠しているような気がしてならないんですが・・・」
「それが当たりでも外れでも、相手が後半どう出てくるかが、試合のキーよね」
「・・・確かに」

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