それから……


俺たちが帰国してからサッカーが大流行し、

あちこちで「サッカー」や「イナズマジャパン」の文字を見るようになった。

・・・のだが。


「・・・見てこれ、新しいグッズ!」
「あっ、雪女選手のポスターだ〜!!」
「待ち望んでたんだよね、雪女選手のグッズ!」

「(・・・俺のグッズ!?)」

「そういや、この選手って、宇宙人騒動のあとはマネージャー業だけしてたんだよね?」
「もったいないなあ、いいプレイしてたし、超イケメンなのに」
「ねー。」


・・・一応、俺もその中に入っているらしい。
どうやら数種類、俺のグッズも出されているらしい。しかも静かに人気なんだとか。


「・・・ま、そんなのも悪くないかな。」


そう呟いて、俺はすっかり隠せなくなった
大きなお腹を撫でた。

その時、偶然秋ちゃんに出くわした。

「・・・あっ、雪女くん!」
「秋ちゃん。・・・買い物か?」
「うん。今日の晩御飯何にしようか考えてたの。」
「そうか。俺はちょっとした運動。」
「・・・そっか。そろそろ予定日なんだっけ?」
「あぁ。だけど士郎に似ておっとりした性格みたいでな、なかなか出てこないんだよ」

そう苦笑いしながら言うと、
秋ちゃんはやさしく笑ってこう言った。

「・・・雪女くん、性格が丸くなったね」
「丸くなった?」
「うん。最初に出会った時より女の子らしくなったし、今はもう完璧にお母さんみたいだね」
「・・・ふふ。そうかな」

俺がそう言うと、秋ちゃんは俺のお腹を
やさしく撫でてくれた。

「産後の肥立ちが良ければ、すぐ学校に戻ってくるよ。母さんにこの子のことを頼み込んだし」
「・・・そういえば、私たちも3年生になるし、そろそろ卒業式だもんね。」
「卒業式だけには、絶対出たいからなあ。」

そう言うと、秋ちゃんは少し嬉しそうな顔をして、
俺の両手を自分の両手で包み込んで、
胸元まで上げた。

「もし生まれたら、すぐに連絡してね!円堂くんたちと一緒にお祝いに行くから!」
「・・・ありがとう、秋ちゃん。」

秋ちゃんのやさしさが嬉しくて、
純粋にうれし涙が出た。

「・・・じゃあ私、買い物の続きしなきゃいけないから。」
「あぁ、気を付けてな」
「雪女くんもね」

そういうと、俺たちは別れた。

この世界も、悪くないな。

・・・昔は見るものすべて新しく見えて、
オロオロしてるだけの弱い俺だったけど



今は、いろいろ経験したおかげで
心底強くなった気がするな。




・・・でもこれで終わりじゃない。





また、新しい本のページがめくられるみたいに

新しいことが続いていくんだ。






・・・ぶきようがーる。Fin

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