氷の槍で穿ちましょう


そして部活。

「なぁ、火月って結構速いんだな」
「・・・んー?そんな事ないない。俺今必死すぎて死にそー。」
「そうには見えないけどな・・・」
「そうかー?」

風丸とのダッシュに、必死こいて追って追われて・・・という
特訓を繰り返していたが、結局勝敗つかず休憩。これはこれで疲れた。

「・・・うん、休憩って大事だよな。」
「なぁ、雪女!」
「ん?なんだ?」

休んでいたら、息を切らした円堂が駆け寄ってきた。

「今からシュート練習すっから、雪女も打ってきてくれ!」
「んー。りょーかーい・・・あれ?今名前で呼んだか?」
「ん?駄目だったか?」
「全然おっけ。むしろ嬉しいね。」
「・・・そっか!じゃあ俺も守って呼んでくれ!!」
「あぁ。」

円堂・・・いや、守は嬉しそうに
“良かったー”なんて安心した顔をした。
そして、機嫌よくゴールに戻っていった。
微笑ましいなー、なんてふにゃりと和んで暫しゴールを見ていたら、あることを思い出した。

「あ、やばい。」
「よし、来い!」
「・・・おい守!!俺のアイススピアー威力強すぎんだぞ!下手したらお前、怪我じゃすまねぇぞ!?」
「んー。まぁ大丈夫だって!とにかく打ってこい!」


あぁ・・・お前のそのポジディヴさは、どこから来てるのか。
何?体から湧いてるの?
光合成的な?

「んー、・・・じゃーいっきまーす」

またひゅうっ、と冷たい風が吹いてくる。

すっと右手を挙げたあと、蹴る体制になり、
一気にボールを蹴った。

「・・・アイススピアー!」
「ゴッドハンド!」

ぐぐっとアイススピアーとゴッドハンドが競り合う形になったと思ったら直ぐに
ボールはゴッドハンドを砕きゴール。

「・・・す、っげぇ!この前より威力が上がってるぞ!!」
「・・・マジ?」
「マジだよ!コレなら絶対勝てるぜ!」


守の無知な優しさにキュンと胸を射たれながらも、練習は再開され、
いよいよ明日は尾刈斗中との試合だ。

染岡の対抗心と豪炎寺の無口ぶりに、明日は大変だとため息が出た。

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