呪いなんてありはしないさ


試合は順調に進んでいた。

「あ・・・(そろそろ前半終了か・・・)」

もうそろそろジキル先生がハイドになるかな。
そうして自分のポジションから相手チームを見ていたら、ジキル先生の様子が変わった。


「雑魚がいつまでも調子こいてんじゃねーぞォオオ!」
「うし!(キターーー!)」


生ジキルハイドのチェンジに、テンションが上がったと同時に、
あの呪文が聞こえ始めた。


「マーレマーレトマレトマレ・・・」
「狽ネッ!?」


呪文のせいで染岡たちはまったく動けず、尾刈斗中のシュートになすがまま状態に前半が終わった。

「おっ!?(生ゴーストロックまで見れたぜ・・・!)」

よっしゃあ!とみんなにバレない程度で喜んだ。

そして、
幽谷と呼ばれていた子が守のほうに向かう。
そして・・・・


「ファントムシュート!!」


シュートが決まってしまった。
そうこうしているうちに3-2になってしまい、そして前半が終了してしまった。


そしてハーフタイム。

「・・・一体、なんだったんだあの技は!?」
「さぁ・・・よくわからない。急に体が動かなくなって・・・」
「や、やっぱり呪いっすよぉ!」
「・・・馬鹿野郎!ンなわけあるか!」
「雪女・・・・」
「守!あれは絶対なにかある!俺のカンだがな!」
「確かに・・・いつから体が動かなくなったっけ・・・・」
「えっと・・・」
「・・・おい、そろそろ試合の時間だぞ。」
「くそっ、答えは試合の中で見つけるのか・・・」

そして後半

「くくく・・・貴様らにもう点はやんねぇよ」
「ゴーストロック!」

だめだ、動けなくなる。
そんなことを思った、その時だった。

「・・・みんなぁ!目を瞑れぇ!!」
「!?」
「キャ、キャプテン!なに言ってるでやんすか!?」
「いいからはやく!」
「こうなったらヤケだ!」


ギュッ


「・・・あ、あれ?体が動く!!」
「なんでだ!?」
「あれは催眠術だったんだ!」
「そうだったのか!」
「よし、そうとわかれば反撃開始だ!」
「くくく・・・それだけ見抜いても我々尾刈斗中には勝てないぜ」
「よし、俺にパスしろ!!!」
「・・・染岡!」

・・・正直、今のままでは染岡にパスをしたくないな・・・
でも、あんなに頑張って練習していたけど・・・でも!

「いけ!染岡!!」

俺は、あいつを信じる!

「サンキュー火月!おし、ドラゴンクラッシュ!」

頼む、決まってくれ!

「甘いな!!」
「歪む空間!」
「と・・・止められた・・・」
「お前らなんかのヘナチョコ球が入るわけないだろう!」
「・・・チッ」
「染岡・・・。」
「クソォ!!」
「落ち着け染岡!あいつの技も催眠術だ!」
「豪炎寺!お前そんなことまで考えていたのか・・・」

豪炎寺と染岡がなにか話している
そして・・・染岡の雰囲気が変わった。

これなら、勝てるかもしれない。

「・・・この勝負、ぜってー勝つ。」
「当たり前だろ?雪女!」
「あ、守・・・いまの聞こえてたのか?」
「おう!」
「(小声で言ったはずなんだけどな・・・守って結構耳良いんだ)」 

あ、パスが染岡にまたまわった!

「行くぞ豪炎寺!」
「!?」
「ドラゴン・・・!」
「(え!?豪炎寺に向けてうった!?)」
「!よし!トルネード!」
「ゆ、歪む空間!・・・ぐぁ!」

き、決まったぁ!!!

「よっしゃぁ!!」


これで3-3やっと同点だ!



この後また豪炎寺と染岡のドラゴントルネードが決まりついに逆転した。

そして試合終了。

「「か、勝ったぁ!!!」」
「・・・我々が負けた?」
「まずは一勝だな!!」
「おぅ!」





「・・・監督」
「なんだ?幽谷」
「・・・」
「そうか。お前が気に入ったなら好きにするといい」
「はい・・・!」

- 25 -

*前次#


ページ:





[ top ]

[ 表紙に戻る ]



ALICE+