「おはよう」


ピピピ・・・ピピピ・・・

目覚ましの独特なアラーム音が、雪女の部屋にこだまする。

猫がたくさん描かれた毛布にくるまって眠っていた雪女は、その音に目を覚ます。
そして眠たい体を動かし、アラーム音を止めるために目覚ましを探した。

「ん・・・ううん・・・」

雪女はアラームを止め、
ゆっくりとベッドから起き上がった。

「ふぁ・・・そういえば、今日は学校が創立記念日で休みだったっけ・・・」

眠たさでだるい体を動かし、
雪女は1階に下りていった。


「・・・母さん、おはよ。」
「お、早いな・・・今日は学校休みか?」
「あぁ。創立記念日でな。」
「そうか。」

そう言うと、美幸は着替えている最中の雪女にこう言った。

「雪女。・・・今日俺は義正の応援に行くからな。昼過ぎには帰ってくる。」
「父さんの応援に?」
「あぁ。暇だろうし・・・どっか散歩にでも行って来たらどうだ?ほれ、駄賃。」

そういうと、美幸は雪女に
猫型の小さな財布を投げ渡した。

「おっと・・・わかったぜ。」
「・・・俺、もう少ししたら出るかんな」
「じゃあ俺、先に出るぜ。」
「おう、車に気をつけろよ。」
「わーかってるって!もうちっさい子供じゃねーんだから!」

着替えが終わると、財布をズボンのポケットに入れ、
雪女は玄関から出て行った。

「(・・・本当に、義正と雪女はそっくりだな。)」
「(じゃあ彰人は俺似ってことか・・・)」

そう考え、美幸は笑った。

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