撫で下ろす胸はないが


「お前は前、俺に言ったな。「今は、何も言えない」と」
「・・・なぜ、起きることを知っていた?」
「監督、きっと俺が今話しても、きっと信じてもらえないでしょうね」
「俺は、お前を信じる」
「・・・そうですか。じゃあ話します。」

俺は、全部話した。

ある日突然トリップしたこと。

イナズマイレブンは俺の世界では漫画だということ。

俺のおばあちゃん・・・雪姫もトリップして、俺の世界に戻ってきていたこと。


「・・・これで全部です。」
「そうか、雪姫のことを知っていたのも・・・」
「はい。俺がトリップしてきたからなんです・・・」
「そうか・・・俺は、信じるぞ」
「あ、監督・・・これはどうか、守やみんなには・・・」
「あぁ、内緒にする」
「・・・そうですか。」

俺は、ほっと胸をなでおろした。

その日、俺は家に帰った。

俺は部屋で、兄ちゃんの写真の前に座っていた。
ただただ、座っていた。

「・・・兄ちゃん、俺・・・トリップしたこと、話したんだ・・・」
「これで、いいんだよな?・・・これで。」

ポタ

「あれ、何でだ?何で涙が・・・」

俺は、泣いていた。
涙を拭いても拭いてもあふれ出て、止まる気配が一向に無い。

俺は暫く泣き続けた後、泣き疲れたのか眠ってしまった。



そして日曜の朝。
急遽河川敷で、伝説のイナズマイレブンとの勝負をすることになった・・・が。

俺は思い切り遅刻した。
現在、河川敷グラウンドまで必死に走っているところである。

なぜ遅刻したのかと言うと、昨日父さん作のダークマターを間違えて食ったら
5時間ほど腹が死にそうなくらい痛くなったからである。
死ぬかと思った。マジで。


「夢みたいだ・・・イナズマイレブンと試合できるなんて!」
「40年ぶりに伝説復活か!」
「・・・あれ?そう言えば雪女は?」


「ま〜〜〜〜も〜〜〜〜る〜〜〜〜ッ!!!!!」


「雪女!」
「すまねぇ、遅れたっ!!」

「「「「雪姫・・・!?」」」」

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