恨みさえ捨てて


そして世宇子スタジアムの中で、
円堂と俺は、衝撃の事実を告げられた。

「大介さんと雪姫・・・この2人の死には、影山が関わっているかもしれない」
「じいちゃんが・・・影山に・・・?」
「(影山が、俺のばあちゃんを・・・この世界で殺した・・・?)」

「響木監督!?なぜこんなときに・・・・!」
「・・・」

響木さんは何も答えなかった。

「っ・・・く・・・」
「・・・・・」

そのとき。
豪炎寺が守の肩と俺の肩に手を置いた。

「・・・」
「豪炎寺・・・」
「・・・うん」
「円堂くん、雪女くん。」
「雪女さん」
「秋ちゃん・・・」

「円堂!」
「雪女!」
「先輩!!」
「キャプテン!」

「監督・・・みんな・・・」
「なぁ、守。」
「雪女・・・」
「見ろよ・・・こんなにも俺達を思ってくれる人がいるんだぜ。」

俺も影山は憎い。

だけど・・・恨みでサッカーはやっちゃだめだ。

「・・・な。」
「はぁっ・・・監督、みんな・・・こんなに、俺を思ってくれる仲間・・・」
「みんなに会えたのは、サッカーのおかげなんだ・・・。」
「影山は憎い!・・・でもそんな気持ちでサッカーをしちゃいけない・・・サッカーは楽しくて、わくわくして、面白いスポーツなんだ・・・」
「だから俺は憎いという気持ちを捨てて・・・いつものサッカーをして・・・優勝を目指す!!」
「・・・それでこそ、守だよ。」
「雪女・・・」
「俺も憎しみを捨てるよ。だからさ、みんなで気持ちのいいプレーで優勝しようぜ!」
「・・・あぁ!!」

「さぁ、試合の準備だ!!」


「守も、大人になったな」
「・・・まだ、子供だがな」
「俺も大人にならなくちゃいけねぇな」
「そうか。」
「俺は・・・みんなを守り通す力を手に入れた。だからこそ・・・」
「守り通す、力?」
「あ・・・試合でのお楽しみ、ですよ」
「・・・?」

俺はみんなを追いかけた。

「守り通す、力・・・」
「・・・まさか!!」

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