落ちつけ


「・・・うん、うん、わかった。今から俺達、傘美野中に行くことになった。」
「うん、わかってる。無茶はしねぇよ。うん、うん・・・心配するなよ、俺は父さんの娘だぜ?」
「うん・・・じゃあもう切るな。」
「終わったか?」
「あぁ、待たせてすまねぇ。じゃあ行くぞ!」
「あぁ!!」

俺達は夏未嬢の父さんの電話で、
現在エイリア学園のいる、傘美野中へ行くことになった。

傘美野中へ着くと、今まさにレーゼが傘美野中の校舎を破壊しようとするところだった。

「やめろっ!!」
「・・・」
「ら、雷門中のキャプテンだ・・・!」
「・・・お前達がこの者の代わりに勝負するというのか」
「あぁ、そうだ!」
「・・・本当?俺達は学校を守らなきゃいけないのに・・・俺達は棄権したんだ!俺達は逃げたんだよ・・・」

そう言う子に、俺はなぜか昔の俺を見た。
だから、こう言って慰めた。

「・・・棄権も、勇気だぜ?」
「そうだ。学校を守るために棄権したんだろ?ちっとも恥ずかしいことじゃないさ」
「・・・さぁ、始めようぜ。宇宙人!」
「いいだろう。」


そして、試合が始まった。
俺はまた、最後の切り札としてベンチに。
そして、試合が始まったが・・・

開始早々、染岡がドラゴンクラッシュを発動したが、レーゼはそれをトラップして、
そのままボレーシュート!
あっさりと1点を奪われてしまった。

ジェミニストームの勢いは止まらず、
5点、8点、12点!

まるで最初の頃の帝国のように、
どんどん点数を奪っていき、どんどんみんなを傷付けていく。

試合の途中、豪炎寺が戻ってきて
宍戸と交代した。

そしてイナズマブレイクを発動したが、あっさりと止められてしまった!

「あぁ・・・あ・・・・」

涙が止まらない、
やめろ、やめろ・・・!!やめてくれ・・・!

「落ち着け雪女!」
「かんと、く・・・」
「世宇子戦の前に言ったことを忘れたのか!」
「あ・・・「憎しみや恨みを、サッカーに持って来てはいけない」・・・」
「・・・そうだ。とりあえず落ち着け。」
「は、はい・・・」

何度も深呼吸をして、ようやく落ち着いた。



あれ・・・落ち着いたら、眠く・・・

なんで・・・こんな、時に・・・・



そこで俺の意識は、完全に無くなった。



「雪女、交代だ」
「・・・・」

そう言い、無言で立った雪女、否・・・彰人。

「(よくも俺のただ1人の妹の心を、ズタズタにしやがったな・・・・!!)」
「・・・お前、また会ったな」
「できればもう会いたくは無かったがな」
「憎まれ口を!」

彰人に向かって蹴られたボール。
彰人はそれをよけようとはせず、こう叫んだ。


「アイスローズ!!」



そう言った瞬間、彰人の周りに氷の壁が出来た。
何十にも重ねられた氷の壁。
それはまるで、薔薇の花弁のようだった。

ボールは、3枚目の壁までは破壊したが、
ゆっくりとスピードが無くなっていき・・・最後は彰人の足元に。

「ほう、このシュートを止めるとは・・・さらに興味が湧いた。」

彰人はゴール前まで走り、そして・・・

「アイスバード!!」

アイスバードを放った。
キーパーは少し後ずさったが、簡単にアイスバードを止めてしまった。

「くそっ、またかよ・・・!」
「その程度か?」

そう言うと、レーゼは彰人に向かって
思い切りシュートを撃った。

「がはっ・・・!!!」

彰人は吹き飛び、そのまま気絶してしまった。

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