水色のスパイク
目が覚めると、そこには白い天井があった。
「ん・・・」
「雪女!義正、雪女の目が覚めたぞ!」
「本当か!?」
「父さん、母さん・・・俺・・・」
俺は試合のことを思い出した。
「試合は!?傘美野中は!?」
「・・・残念ながら、試合は0‐20で雷門の完敗・・・傘美野中は破壊されたそうだ・・・」
「・・・嘘、だろ!?」
「嘘じゃない・・・」
「そんなっ・・・」
「俺の子供サッカーチームも宇宙人にやられた・・・0−35で・・・あいつらは人間じゃない・・・」
「俺、こんなところで寝てなんかいられない!早く行かないと!」
「駄目だ!「止めるな美幸!」
「正義・・・!?」
「ったく、雪女は俺の困ったところばかり受け継ぎやがって!」
「・・・父さん」
「これ、持って行け。」
「・・・これは?」
手渡されたのは、水色の際立つ、
黄色のイナズママークの入ったスパイクだった。
「俺の実家から見つけた・・・母さん(雪姫)のスパイクだ。」
「雪姫ばあちゃんの・・・!?」
「お守りにするなり、履くなりどうにでもしろ。」
「父さん、ありがとう・・・っ!!」
「だが、今日は入院して明日の朝に行け。」
「う、うん・・・」
次の日、俺は急いでみんなのもとへ走った。
「行ってくる!」
「あぁ。」
「・・・」
「正義、なんであいつを行かせたんだ?あいつは人のためなら自分はどうなってもいいって考えるようなやつだぞ!?」
「・・・あいつは止めても突っ走るようなやつさ」
「ったく・・・男ならまだいいが、あいつは女だ!傷でも作ったらどうすんだよ!」
「もう作ってるだろ。あいつのユニフォーム見たか?裏は血のしみだらけだ」
「最悪だ・・・!あいつ嫁にいけるのか!?」
「いけるだろ。同じスポーツ選手とかなら」
「そんな悠長な・・・!!」
正義は、泣きじゃくる美幸をスルーし、
コーヒーをすすった。
「(あいつには彰人が乗り移ってる気がするからな)」
「(たぶんいけるだろう)」
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