ネックレスと願掛け


途中で守と秋ちゃんと合流した。

「守!秋ちゃん!」
「雪女くん!」
「雪女!大丈夫なのか?」
「あぁ、もう治ったぜ。たいした怪我じゃなかったからな。」
「そっか、今からどこに行くんだ?」
「部室。中に物しまってあるの思い出したんだ。壊れてなきゃいいけど・・・」
「俺達も行くから、一緒に行こうぜ!」
「あぁ。」

そして。

「よっ、と」
「大丈夫?雪女くん。気をつけてね」
「あぁ。」

俺は、内心ビクビクしながら、
小さな箱を開けた。

「・・・大丈夫だった!!」
「何?それ。」
「えっ!?いや、何でもないよ!」

それは、俺がイナズマイレブンを好きになり始めた時に作って、お守りにしている
イナズママークのネックレスだった。

ペンダントならまだしも、ネックレスだと千切れそうで怖かったから、
小さな箱にしまって、部室に大事にしまっていた。

破壊されたときに壊れなかったか内心怖かったが、
無事だったので安心した。


俺が出てきたとき、守が向こうを向いていたので
何があるのかと見てみると、そこには豪炎寺がいた。
いや・・・鬼道と、春奈ちゃんも。

「やっぱりここにいた。」

夏未嬢の声がして、俺は振り返った。

「夏美さん・・・」
「夏未嬢。」
「めちゃくちゃだと分かっていても、気になるものね。」

そう言うと、夏未嬢はかがんで
サッカー部の看板を拾って、綺麗にはたいた。

「俺は・・・エイリア学園を許さない!」
「そうだよな、守!あいつらは倒さなきゃいけないんだよ!」
「宇宙人に本当のサッカーが何か、教えてやる!」
「そうだな!」
「よし決まった、俺願掛けする!」
「願掛け?」

そう言うと雪女は何を思ったのか、
近くの水がたくさん入ったバケツを手に取り・・・


バシャッ!!!


思い切り自分にかけた。

「雪女!?」

ポタ、ポタと落ちる水の雫。
傷だらけの体を伝う水。




そして雪女は涙を流しながら、こう言った。

「俺は・・・エイリア学園が大嫌いだ!サッカーは人を傷付けたり、何かを破壊するためにあるんじゃない!」
「絶対に、エイリアを放って置くわけにはいかないんだ!だから願掛けだ!」
「エイリア学園を倒すまで・・・俺は髪を切らない!ワックスとかで固めたりもしない!」

そう言うと、雪女はにっこりと笑ってこう言った。

「俺、実は髪の毛ワックスで固めてたんだよな・・・だから取ったらこんなに長くなるんだぜ」
「雪女・・・」
「いいの、いいの。」

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