想い


「よし、雪女が願掛けまでしてくれたんだ!次は勝つぞ!」
「もちろんだ。俺もそのつもりでここに来た」
「俺達も協力するぜ!」

そう声が聞こえてきたから振り向くと、
そこには染岡達が・・・!

「へっくしゅん!」
「おいおい雪女。ずぶぬれだから風邪引いちまうぞ。」
「染岡、大丈夫だぜ!「サッカー馬鹿は風邪を引かない」ってあるだろ?」
「自分で言うことか?それを言うなら「馬鹿は風邪を引かない」だろ」
「そうとも言うー。」

「「「「あははははは・・・・」」」」

「(みんな、いつもの調子に戻ってよかった。)」

「待って。時間が無いのよ?怪我してる人の回復を待てる?戦うメンバーが足りないのよ?」
「(ここで言いますか夏未嬢。)」
「だけど・・・やらなきゃ・・・!」

「そうだ、やらねばならん。」

響木さんの声が響いた。

「監督!」
「校長先生!」

「ついてきなさい。」

校長先生の後をついていくと、イナビカリ修練場に来た。

「そうか!エイリア学園の次の試合に向けて、特訓するんですね!」
「いや。そうじゃない。」

エレベーターを降りると、そこにいた人物は・・・

「理事長!」

なんと夏未嬢のお父さんこと、理事長であった。

「君たちだけでも無事でよかった・・・!」

「もはや一刻の猶予も無い。やつらはこれからも破壊活動を続けるだろう。」
「なんとしても欠けたイレブンを集め、地上最強のサッカーチームを作らねばならんのだ!」
「地上最強の・・・・」
「サッカーチーム・・・」
「そして、エイリア学園を倒すためには「理事長!俺達にやらせてください!」

守は理事長の言葉をさえぎって、そう言った。
俺も負けずに、こう言ってやった。

「俺達がやります!・・・みんなやろうぜ!日本一の次は・・・」
「宇宙一だーーーーっ!!」
「「「「おーーーーっ!!!」」」」

「・・・準備が出来次第出発だ。円堂、頼んだぞ」
「え?頼んだぞって・・・監督は?」
「俺は行かん。」
「「「「ええーーーっ!?」」」」
「響木監督には、私から頼んでいる事があるんだ・・・これもエイリアと戦うために必要なことでな」
「それならしょうがないよな・・・守。」
「そんなぁー!じゃあ俺達、監督無し!?」
「心配するな。」

ポーン♪

そのとき、エレベーターの着いた音がした。

「紹介しよう、新監督の吉良瞳子くんだ。」
「「「「ええーっ!?」」」」
「ちょっとがっかりですね、理事長!」

その言葉を聞くと、みんなムッとなった。

「(瞳子さん、ドストレートだもんな〜・・・(汗))」
「監督がいないと何もできないお子様の集まりだったとは、思いませんでしたわ」
「本当にこの子達に、地球の未来を托せるんですか?彼らは一度、エイリア学園に負けているんですよ?」

駄目だ、美人でもムカついた。

「「だから勝つんです!!」」

「「あれ・・・?」」

守と俺の声がハモった。
どうやら考えてることは同じらしい。

「一度勝負に負けたことは、次の勝ちにつながるんです!」
「だから戦うんですよ」
「・・・頼もしいわね、貴方達。でも私のサッカーは、今までとは違うわよ」
「・・・覚悟しておいて!」


駄目だ、ココまで美人に殺意湧いたのは、
あっちの世界の分も足して2回目だ。
え?あっちの世界は誰に対してかって?

・・・そりゃもちろん、瞳子さんですとも。

俺は自分の部屋に入り、寒いときでも大丈夫なように、
お気に入りの猫柄のひざ掛けと兄ちゃんの写真たてを鞄の中に。
お守りのイナズママークのネックレスが入った箱。
それに、キャラソンや好きな曲のぎっしり入ったプレーヤーを入れた。

俺は、あいつに会えるのだろうか?

あっちの世界でずっと好きだった、




俺とよく似たあいつに・・・・


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