勘違い


奈良に来たところで、問題が起きた。
エイリアの事件のせいで、立ち入りができないのだ。

「どうすんだよ、これ・・・」

守が痺れを切らして、警察に頼みに行こうとしたので一応止めておいた。
まぁ止めてもやるだろうから、大人しく本を読んでいたほうが俺にとってはいい。
だって暇だし。

お気に入りの青縁眼鏡をかけて読む本は最高だと思うぜ。うん、マジで。

髪の毛が長いので、最近は、普通にそのままにするか風丸のようにポニーテールだ。
固めないのって結構辛いんだな・・・(汗
ちなみに試合のときは結ぼうかどうか検討中。

そうこうしていると、何か通れるようになったらしい。あ、しおり挟んでおかねーと。


「通れてよかったっスねー!」
「・・・えぇ、はい。・・・はい。ありがとうございます。理事長」
「どんだけ顔が広いんだよ、理事長って・・・」
「土門、そこにつっこんだら負けだ。」
「そんなもんかねぇ・・・。」

俺は周りを見渡した。
あちらこちら破壊された形跡がある。

橋、屋根、像・・・

「(ったく、何でもかんでも壊しやがって)」
「こりゃひでぇな・・・エイリア学園のやつめ」
「みんな!なんとしてでも奴らの手がかりを探すぞ!」
「「「おーーーっ!!」」」

そしてみんな、エイリアに関する手がかりを探しに行った。

俺は行かねぇけど。

「雪女くん、どうして行かないの?」
「・・・あいつらは証拠をホイホイ残すような奴らじゃないと、俺は睨んでる。」
「だから証拠は無い・・・と?」
「そういうことです、夏未嬢。」
「それもそうね・・・でも、総理大臣を狙うなんて・・・奴らの目的は一体なんなのかしら?」

俺がその辺のベンチに座って、本を読んでいたそのとき。


「あったっスーーーー!!!!」


壁山の声が聞こえたから、俺はまた本にしおりを挟んで、そこに向かった。

そしてそこにあったのは、
真っ黒のサッカーボール・・・。

「雪女、ちょっと持ってみてくれよ」
「あぁ。」

持ち上げようとすると・・・

「お、重い・・・っ!!」
「嘘だろ?俺にも貸してくれよ!」
「あ、あぁ・・・」
「た、確かに重い・・・!」
「こんなものを軽々と蹴っていたのか・・・」

そのとき

「全員動くな!!」

大きな声が響いた。

「もう逃がさんぞ、エイリア学園の宇宙人!」
「え?」
「俺達の・・・こと?」
「どうやら、そうらしいな。」
「「そうらしいな」って雪女・・・・」
「財前総理はどこだ!」
「俺達、エイリアじゃねーよ」
「黙れ!その黒いボールが何よりの証拠だ!」
「これは池で拾ったんだよ!」
「とぼけるつもりか!?」
「・・・おい、夏未嬢。」
「警察には話が通ってるんじゃなかったのか?」
「そんなはずは・・・」
「我々は総理のSPだ。」
「だからって、宇宙人呼ばわりするなんて、失礼じゃないですか!」

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