白いおにぎり


そして、ある山。
キャラバンはここで、急に止まった。

「監督?何で止まったんですか?」
「狭いバスに乗ってばっかりじゃ、体がなまるわ。トレーニングをしましょう。」
「あ、えっと・・・みなさんのためのトレーニングメニューもあります!」
「やったあーーーーっ!」

そう喜ぶ守。だが、他のみんなは喜んですらいなかった。

「・・・いいわ。だったら自主トレをしてもらうわ。この山の自然を相手に・・・ね。」
「ま、監督のメニューよりはマシだろうな」
「・・・そ、染岡・・・」
「よし、山だ、自然だ、特訓だーーーっ!!」
「(守、今日も熱いぜ!いろんな意味で!)」

そうしてみんな自主トレに精を出すなか、
俺はマネージャーのみんなを手伝うことにした。

「ごめんね、付き合せちゃって」
「いいのいいの、俺が勝手に付き合ってるだけだから!」

俺達は、みんなのためにおにぎりを作ることにした。

「ううっ、冷たいっ!」
「情けないな目金。」
「ほんと。」
「雪女くん、手際いい!」
「そうか?」

さすが夏未嬢。
お嬢様だけあって、飯盒でご飯を炊いたことが無いらしく・・・
いろいろやらかしておりました。

「えーと、これをこうして・・・と。」
「雪女くん、本当に手際がいいね!家で家事とかするの?」
「ああ。母さんが父さんの応援で家にいないこともしばしばあるし。」
「へぇ〜っ」


「フーーーッ!・・・うわあああっ!」
「あははっ!」
「目金、おま、煤だらけ・・・っ」
「わ、笑わないでくださいよ!」


「わぁっ、何か生きてるみたい!」
「・・・そろそろかな。」
「みんなお腹すかせてるでしょうね!」
「あっ、火傷したらヤバイから、俺が取るよ」
「ありがとう、雪女くん!」


「あちちっ!」
「夏未嬢、気をつけろよ?火傷でもしたらしゃれにならねぇぞ。」
「わっ、わかってるわよ!」
「・・・これで完成かな。みんなを呼ぼうか!」
「あぁ!」


「「みんなーーーー!ご飯だよーーーーーー!!」」


「おっ、うまそう!」
「「「いっただっきまーーー「ちょっと待った!」

「なんだよ、雪女〜」
「お前ら、手を洗ったのか?」
「「「洗ったっ!!」」」
「はいよろしい。」


「「「いっただっきまーす!!」」」


ずいぶん腹が減っていたらしく、
凄いスピードでなくなるおにぎり。

「あれ?監督は?」
「そういえば、いないっスね・・・」
「お、いたぞ。」

「みんな、自主トレで汗かいたでしょう。近くにお風呂があるから、入ってきなさい」


「「「はーーい!!!」」」

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