突然のカミングアウト
そして。
「あれ?雪女は着替えないのか?」
「えー、あのー、そのだな・・・」
「一緒に入ろうよ、雪女、円堂!!」
「あのね塔子ちゃん、俺はいいけど女の子がそういうこと言わないの。」
「えー」
そして俺も水着(上下あるやつ)に着替えて温泉へ!!
「はー、気持ちいい・・・」
「雪女っ!!」
「Σうぼあっ!?」
急に、塔子に胸元に抱きつかれた。
「・・・あれ、やわらかい・・・?」
「塔子ちゃん、急に抱きつくことはやめなさい」
「えー。」
そして夜。
「なんでやねーん!」
「「どうも、ありがとうございましたー」」
「「「「あははは・・・!!」」」」
「ねえ、雪女もなんかやってよ!」
「俺?俺は手品くらいしかできないし」
「手品!?すごいじゃん!いいからやってみてよ!」
「じゃあ・・・」
「ここに、何の種も仕掛けも無い、ただの青色のハンカチがあります」
「あ、それ俺知ってる!色が変わるってヤツだろ!?」
「・・・ノンノン♪」
そうしてそのハンカチを、手の中にくぐらせると・・・
「なんとびっくり!猫柄のハンカチに!!」
「すごい!!」
「おお!」
「すげえ!どんなトリックなんだ!?」
「ふっふ〜ん♪トリックを言ったら、手品じゃねーっつの。」
そして、夜もふけた頃。
そして、そろそろ寝る時間。
「そろそろ時間ね」
そう言って、夏未嬢が何かピンクの丸い物体を投げた。
すると、そこにテントが!!
「すげえっ!」
「何スかこれ!」
「女子はこっちよ。」
「俺達はこっちだ!」
「(俺は守たちの方へ。・・・ん?)」
気づけば塔子も守たちの方に行こうとしたので、
首根っこを掴んで止めた。
「・・・はいはい、塔子ちゃんはこっちですよー。」
「なっ、邪魔すんなよ雪女ー!」
「じゃあおやす・・・みッ!?」
「あなたもこっちよ、雪女くん。」
急に首根っこを掴まれた感じがしたから、
振り向いてみればそこには夏未嬢が。
「なんで雪女だけそっちなんだよー」
「ずりーぞ!」
「・・・何言ってるの?雪女くんは女の子よ、お・ん・な・の・こ!!」
「なっ、夏未嬢!!」
・・・
「「「「「「えええええええええええええ!?」」」」」
「雪女が・・・女!?」
「・・・はぁ・・・。」
俺は諦めた。隠し通せる自信なかったし。
世界となれば、俺は女だから諦めなきゃならない。
・・・今ばれて、よかったのかもな。
「黙っててすまない。守には言ってあるけど・・・俺、女なんだ。」
「ありえない・・・!」
「何かすげえ・・・!」
「あ、だから着替えはいつも最後だったわけだ!」
「俺達と着替えしたこと1回もなかったし・・・」
「すまないっ!!」
「いいぜ、むしろ教えてくれてすっきりした」
俺は、少し嬉しくなって笑った。
「さぁ、みんなすっきりしたところで、寝るわよ!」
「ん、じゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
「また明日なー」
そして女子テント内にて。
「いやぁ、まさか雪女が女だったなんて驚きだよ!」
「私たちや円堂くんは知ってたみたいだけどね」
「だから胸が柔らかかったのか・・・!!」
「無い胸だけどな、女だから柔らかいんだろう。男だったら固いはずだからな」
俺はため息をついた。
「(何でこんなに胸が無いんだ・・・!)」
そんなことを考えつつ。
「残念だなー。あたし、雪女のこと結構好きなのに」
「・・・男の子として、か?」
「ううん、そんなんじゃないよ。サッカー仲間として、友達として好きだ。もちろん円堂も」
「そっか・・・俺も塔子好きだぜ!友達として、だけどな」
「私も火月さんや塔子さんのこと、好きですよ!」
「私も!」
「私もよ。」
俺達は顔を見合わせて笑った。
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
「おやすみー」
「おやすみっ!」
そうして俺達は眠りについた。
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