白いミサンガと恋心


そして白恋中に到着。

「すごーい!本物の雷門中だっ!」
「あの日本一のチームがここにいるっ!!サインちょうだーい!」
「(凄ぇなぁ)」
「あっ、あのっ・・・!」
「え?俺?」
「火月雪女さんですよねっ!僕、大ファンなんです!!」
「そ、そうか・・・!」
「握手、してくださいっ!!」
「あぁ、いいぜ!」
「・・・ようこそ、白恋中へ。」
「すっげぇ!みんな俺達のこと知ってる!」
「フットボールフロンティアで優勝した実感が、ようやく沸いてきたっス!」
「あのー・・・ところで・・・」
「ん?どうしたんですか?」
「トイレ行きたいんだけど、教えてくれないか?」


・・・いや、寒いもので。


「あぁ!それならココの廊下をこう行って、右に曲がるとありますよ!」
「あっ、ありがとう!」


そして、用を済ませ
帰ろうと思っていたところに、



あいつと、出会った。



「き、君はさっきの・・・」
「あ・・・そうか、お前が吹雪士郎なのか!」
「えっ、どうして僕の名前を・・・」

何故か顔を赤くしながら聞いてくる吹雪。
見えないけど、たぶん俺の顔も赤いだろう。
何だこの構図。シュールすぎる。

「ほ、北海道に凄い氷のストライカー、別称「雪原の皇子」の吹雪士郎って子がいるって聞いて・・・」
「もしかして君・・・「白蒼の雪女」の火月雪女君?」
「そうだけど・・・は、はくそう?ゆきおんな?」
「君は白恋中でも有名だよ!」
「そ、そうなのか・・・」
「まあ立ち話もなんだし、教室に行こうか。」
「お、俺もちょうど教室に戻るところで・・・」
「じゃあ、一緒に行こうよ!」

そう言って笑う吹雪の右手に、
まるで雪の色のように綺麗な、白色のミサンガがしてあったことに、俺は気づいた。

本編じゃ、ミサンガなんてつけてないはずだけど・・・

「(なんなんだろう、このキモチ・・・)」

胸がちくりと痛んだ。

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