がっかりして、どきどきして


そしてまた教室へ。
俺達はストーブで温まったり、おもちを焼いたり。
思い思いのことをしていた。
俺はプレーヤーで“アイスロード”を聞いていた。
本人の前で本人のキャラソンを聞く・・・何か不思議だな。

「雪女くん。」
「ん?何か用か?」

俺はイヤホンを外して、吹雪を見た。

「えっと・・・あの・・・その・・・」
「・・・?」
「雪女くんって・・・彼女いるの?」
「彼女?彼女なんか居ないけど・・・(彼女・・・orz)」

俺・・・やっぱり男として見られてるのね・・・orz

「そ、そっか!雪女くん凄くカッコいいから、彼女とかいるのかなー・・・って」
「いやいや、全然。そういうならお前の方がカッコいいぜ!」
「そ、そんなことないよ・・・」
「そうか?」
「あの、雪女くん、よかったら僕と「大変です!!」

吹雪の声をさえぎって、春奈ちゃんがそう叫んだ。

「どうしたんだ!?」
「こ、これ見てください!」

それは、エイリア学園のLIVE映像だった。

《白恋中の者達よ。お前達は我がエイリア学園に選ばれた。サッカーに応じよ!》
「レーゼ!」
《断ることは出来ない。負ければ破壊が待っている!助かる道は、勝利のみ!!》
《それと・・・お前達が敗北すれば、お前達の仲間・・・火月雪女を渡してもらおう!!》
《では、試合を楽しみにしているぞ》
「・・・!!」

そこで、映像は切れた。

「この白恋中に・・・」
「エイリア学園がやってくる!!」
「・・・ざっ、けんな!!お・・・俺を渡せだって!?」
「落ち着け雪女!」
「鬼道!だけど・・・!!」
「大切な仲間のお前を渡すわけ無いだろう!今度こそ勝利する!」
「鬼道・・・」
「(雪女くんを・・・渡すわけにはいかない・・・っ!!)」

吹雪は拳をぐっ、と握り締めた。

そして、今日から吹雪を交えての練習が始まった。

「今度こそエイリア学園に勝つぞ!!」
「もちろんだ!俺は絶対エイリアなんざには行きたくねーぞ!」
「って雪女、そこかよ・・・」
「あたりめーだろーが!」

まぁ、そんなこんなで雷門ユニに着替えた吹雪も来て、練習が始まった。

紅白戦で練習をするのだが、どうしても一人余るので、俺は1人で特訓することにした。

何度もサクリファイトの練習をしたり、新しい必殺技を出せるように練習したり、
アイススピアーの破壊力を上げようと励んだり。

体中、傷だらけになるまで雪女は練習をした。

「俺はエイリア学園なんかに行きたくない!絶対勝たなきゃ駄目なんだ!!」

そう叫んで、ふと足元の水溜りを覗き込むと、
そこには、写真の幼い顔とは違う、成長した彰人の顔が映っていた。

「にいちゃ・・・!」

しかし、雪女が手を伸ばすと、
彰人の顔は崩れ、雪女の顔が写った。

「兄ちゃん・・・見ていてくれるんだな・・・」

そう言うと、雪女はペンダントを握り締めた。

そしてまた雪女は練習を続けた。
休憩がてら座り込んでいると、誰かが雪女の肩を叩いた。

「ん・・・誰だ?」
「雪女くん、練習お疲れ様。」
「あぁ・・・吹雪か。」
「みんな、他の特訓しだしたから、一緒に行かない?」
「・・・そうだな。1つの練習だけしてても、無意味だからな」
「そうだよ!きっと今やってる新必殺技も、新しいことをすればヒントがきっと見えてくるさ!」
「えっ、何で俺が新必殺技やってるって・・・」
「来る途中、見えたんだ。君がノートを見ながら、技の練習してるの。」
「あぁ、それでか・・・」
「それで、行くの?行かないの?」
「行くよ。俺も違うことしてリフレッシュしたいし」
「じゃあ、行こう!」

そう言うと吹雪は、雪女の手を掴んで、引っ張った。

「Σ!?」
「ほら、こっちこっち!」

雪女の顔に、熱が集まる。
それにまったく気づかず、吹雪は走った。
吹雪も自分の顔の赤さを隠すように、ただひたすら・・・

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