第六話

「晒科三席…!何で…そっちに…」
「何故と聞かれましても…ねえ?」
「ボクに振らんと」
正解の回答を考えていると血だらけの朽木白哉と目が合った。
可哀想に…結構痛いだろうな、と場違いな思考に切り替わる。
「初めから騙していたのか」
「騙す、というか自ら騙されていた、というか」
理解が出来なかったのか眉を潜める彼に更なるヒントを与えようとするが、それは制された。
「答え合わせはまだ早いよ」
「はあい」
「時間だ…行こうか」
「…待て!おい、あんた!」
「あらら、あの時ぶりの。強くなりましたね」
困惑、達成感、驚愕、様々な感情が入り混じった顔で呼び止めた黒崎一護。
そんな彼に賞賛の意を込めて微笑む。
「あの時俺を助けてくれたよな。本当はいい奴なんじゃねえのか」
「頭お花畑ですか?面白い思考回路をお持ちですね」
「は」
「ただのゲームですよ。貴方がどこまで強くなるか…楽しみです」
苦々しく顔を歪め、なす術のない彼はただ立っていた。

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