いちばん


▲吹雪が結構ひどいです

▲R15くらいの気持ちで書いてます

▲浮気、性行為を思わせる描写あり

▲閲覧は自己責任でお願いします

















「一番じゃなくていい?」


彼、吹雪に告白して、最初に言われた言葉がこれだ。
今考えると告白されてからの第一声がこれって、相当だと思う。
けど、あの頃の私はもう吹雪くんと付き合えるならなんでもいい、ってずっと思ってたから、ほぼイエスだった答えが嬉しくて嬉しくて、「うん!」と即答してしまったのだ。




そんなことを思い出しながら、私は今、彼と裸でベットの中にいる。
そう、私と憧れの「吹雪くん」は、そういう関係になってしまったのだ。

吹雪には彼女さんがいる。
吹雪はその彼女さんのことをとても大切にしていて、とても愛している。

私は二番目。吹雪にとって私は二番目の女なのだ。





告白してこういう関係になってから、私の中で吹雪の印象はガラッと変わった。

大人しくて男の子っぽくなくて、でもすごく優しい。そんな憧れの「吹雪くん」とは全然違っていて。
今でも大好きな彼女さんの前では、そういう吹雪なのかもしれない。
でも私には、とても愛情があるとは思えないような雑な扱い。

今だって私に背を向けてケータイをいじっている。彼女さんとのやりとりかな。


(まあ今さら、そんなの気にしないけど。)






「ねえ吹雪」

「………んー」

「もっかいしよ」



そんな吹雪が唯一私だけを愛してくれる時間。それが、行為をしている時なのだ。
キスをして抱きしめてくれるし、優しい顔で、優しい言葉で愛してると囁いてくれる。名前を呼んでくれる。


それが私にとってはとても幸せなことで、だから私はこの関係をやめる気になれない。悪いことだと分かっていても、だ。
吹雪の一番が私じゃなくても、普段は私を愛してくれていなくても。




「んっ…吹雪…」

「…は、なまえ、可愛い…」

「吹雪、すき…大好き」

「僕も…愛してる」




私がずっと大好きだった吹雪を、また見られるのなら。





ーー突然、聞き覚えのある音が耳に入ってきた。

これ、吹雪の携帯の受信音だ。
しかもこの音は、彼女さんのメールが来た時だけに設定してる、特別の音。

すぐ飛び起きて私から離れる吹雪。






「吹雪、」

いかないで、なんて言葉は私が言える立場じゃなくて。声にする前に無理やり消した。



携帯を確認した吹雪は少し嬉しそうに大急ぎで服を着ながら、


「僕行かなきゃ。バイバイ」

早口でそう言い放ち、駆け足で部屋から出て行った。










「……ごめんね、の一言もなしかあ…」


昔は謝罪の一言くらいはあったのになあ。やっぱりだんだん、吹雪の中で私の存在が薄れていっているのが目に見えるようにわかる。



…くるしい。

一瞬彼女さんを羨ましく思ってしまった自分が嫌だ。でも吹雪が私のところからいなくなってしまうのも嫌だ。

服を着ているときのあの吹雪の嬉しそうな顔が頭から消えない。


どうして私じゃだめなの。
どうして私はあの人じゃなきゃだめなんだろう。





彼を想って一人で泣くのはもう何度目のことだろう。

私はあの日のあの時、彼に恋に落ちたあの瞬間から、気持ちは一度も変わってない。









私は、今でも、

彼のいちばんになりたい。



















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前サイトに載せていたものです
次の「しんじてる」は続編となっています。




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