「さて…」
あの事件から2週間程経った今日、私は再び米花駅に来ている。
あの日に行けなかったリベンジに今度こそ、と意気込んで来たのだ。とりあえず今日の目標はポアロに行ってお昼を食べることとついでに毛利探偵事務所とできたら工藤邸も見に行くことである。
というわけで現在ポアロに向かっている…はずなのだが、、
「もしかして道間違った…?」
先に場所を確認してきたのにそれらしいものが見つけられない。これはもしかしなくても道を間違ったんだろう。認めたくはないが私は昔からどうも方向音痴なところがあるらしく、初めて来るところでは反対方向へ行ったり行き過ぎたりしてたいてい道に迷うのだ。
 私ははあ、と軽くため息をつき、仕方なくスマホを取りだしマップで現在地を調べる。やっぱり反対方向だったかとスマホを片手に来た道を逆戻りしていると突然横から聞こえた「あ、やべ」という声にそちらを向くと、サッカーボールがこちらに向かって飛んできていた。遊んでいたらしい子供たちが走ってボールを追いかけるが中々追い付けなくて焦ったところで私に気づいたらしく「お姉さんそのボール拾ってー!!」と叫びながら向かってくる。私は公園の中に入りサッカーボールを拾ったところで追い付いてきた子供たちを見てあることに気づいた。
あれ、この子たちもしかして少年探偵団じゃない?え、めっちゃ元太くんと光彦くんと歩美ちゃんに似てるよね??と思って、さらに3人の少し後ろから来るもう一人の子供を見て疑念がやっぱり⋯と確信に変わったところで、私の周りに集まってきた子供たちにボールを渡す。
「はい、ボール。道路に飛び出すと車もいたりして危ないから気をつけてね。」
「はーい!お姉さんありがとーーー!」
「ありがとうございます。お陰で助かりました!」
「まったく、コナンが飛ばしすぎるから悪いんだぞ!」
と軽く責める元太君に対し、「わりぃ、わりぃ」といいながら3人の後ろからあまり悪びれた様子もなく現れた男の子、コナン君に目をやるとちょうどこっちを向いた彼と目が合った。
「あれ、お姉さんどこかで⋯」
「君は確か、銀行で話かけてくれた子だよね?」
「あ、あの時の⋯!うん!僕江戸川コナンっていうんだ!お姉さんあのあと大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だったよ。あの時は本当にありがとね、コナン君」
「そっか、よかった!」
自分で少し白々しくないかな、なんて思いつつお礼を言うと彼はにっこり笑ってそう言った。かわいい。
「あの、コナン君のお知合いですか?」
「あ、いや知り合いというほどではないんだけど、先週銀行強盗の事件あったでしょ?私もあの事件に巻き込まれたんだけど、そのときにコナン君が声かけてくれてね、それで私すごく助けられたの。」
「そうなんですね!あ、申し遅れました、僕はコナン君の友達の円谷光彦といいます!」
「私は吉田歩美!」
「俺は小嶋元太だ!俺たち少年探偵団なんだぜ!」
次々と元気に自己紹介をする子供たちに癒されながら自己紹介をする。
「ふふっ、みんな紹介ありがとう。私は名字名前です。3人ともよろしくね。ところで少年探偵団って⋯?」
「僕たちこう見えていくつも事件を解決している探偵なんですよ!」
「これ探偵団のバッジなの!刑事さんの知り合いもいるんだよ!」
「そうなの?みんなすごいんだね!」
自慢げに言う彼らに思わず笑みがこぼれる。
「おう!だから姉ちゃんもなんかあったら相談しろよ!俺たちが解決してやっから!」
「ありがとう。じゃあなにかあったら相談するね。」
そう言うとどや顔で任せて!という彼らに頼もしいなあと思う。こんなに小っちゃいのに勇敢でしっかりしてるんだもんなあ。本当にすごい。
「ところで名前お姉さんはスマホを見ながら歩いていたようですがどこかに行こうとしてたんですか?」
「あ、えっと⋯実は、ポアロっていう喫茶店に行こうとしてたんだけどこの辺初めてで迷っちゃって⋯」
これは言って大丈夫だよね⋯?迷ったけどさすがにこれだけで怪しまれたりはしないだろうと考えそのまま伝える。いい大人が道に迷っているのは恥ずかしい気がしないでもないが⋯。
「あれ?ポアロってコナン君の家の下に入っているお店だよね?」
「ああ、そうだと思うけど⋯」
「じゃあ、俺たちが案内してやるぜ!」
「それいいですね!」
「私も言おうと思ってた!」
「え、本当に?じゃあそろそろお昼時だし、着いたらお礼にみんなになにか御馳走するね。コナン君にもこの前のお礼したかったし!」
そういうとやったー!ごはん!ごはん!と喜ぶ子供たちと対極に、え、俺は別にいいよと遠慮するコナン君に「だめかな?」とお願いしてみるとそこまで言うなら⋯としぶしぶ快諾してくれた。

よし、じゃあ行こうか、と公園を出てポアロへ向かって歩き始める。前を意気揚々と楽しそうに何を食べようか話す3人の後ろをコナン君と並んで歩く。視線を隣に向けると下の方に頭が見える。ちっちゃくてかわいいなあ⋯。これであんなにかっこいいんだもんなあ。中身は17歳とはいえそれでも高校生でしょ?すごいなあ。あれ、私さっきからすごいばっかり言ってるなんて考えてると、視線に気づいたであろうコナン君がこちらを見上げて少し怪訝に、でもまだ猫を被った風に「何⋯?」と尋ねる。私がいや、あの⋯かわいいなって思って、、というと、一瞬驚いた顔をした後、「やめてよ⋯、僕男の子だよ?」と少しムッとした顔でいった。でもそんなところもかわいいのだから仕方がない。


小さな友達


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