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『・・・・菊、』

妻「嗚呼、それ私の趣味なの」

『え?』


私は、数日この家に泊まっていた

否、外に出られなかった


此処を旅立つと、もう二度と会えない気がして、


妻「私、花が好きでね?夫はあんまり気分が良くないって言うんだけれども、

どうしても私は花を育てたくて、この時期になると菊を育てたくなるのよねー」


『ははっ、私の祖母も花が大好きで、丁度門の前にズラリと菊を育てていました』

妻「あら!貴方のお婆様には話が合いそうね!」

『会えたら、きっと話が合うと思いますね。・・丁度、そう、こんな感じの家だったし』

妻「・・・ね、都佑ちゃんは、離婚でもしたの?」



急にご先祖様から意外な質問に私は驚いた


妻「何も言わないって事はそう言う事なのね・・辛かったのね、今の貴女の顔、とても寂しそうな顔をしていたわよ?」

『そんな・・・私は、確かに両親が離婚しましたが、それはそれで』

妻「良くなかった。母親が特に」

『・・・・どうして断言できるんですか?』

妻「女の勘と、貴方の此処数日の事を観察していたら何となくわかったのよ。私とずーっと話したりするのはこれが初めてでしょう?

夫には素直に笑顔で答えるのに、私に対してはぎこちない・・まるで、そういった人生を歩んできた様な、」


その言葉に何も言えない自分がいた


確かに、彼女の言う通り、私はこの人に話しやすいとは言えない。

でも、私は・・・



『そんな事ないですよ、只話す機会が少なかっただけですよ』


そう、また嘘をつく

何度嘘を吐いたら納得するのだろうか?

それに騙されるその人もその人だろうが、




妻「あら、そうなの??てっきり私ったら未来の子供が心配になったのに、」

『大丈夫です、私は余り大丈夫ではないですが、他は元気すぎて困っています』

妻「そう言えば病にかかっているって言ってなかった?」

『ええ・・・治せない病ですよ。』


二度と、治すつもりもない病


恋煩いよりも面倒な、病



妻「そう・・・治ったらいいのに、そうだ!この家で暮らさないかしら!!」

『ほぇ?』


いきなりの話にまた驚く


妻「××も都佑ちゃんの事気にっちゅうし、大丈夫やろうー?」

『私は、』


ふと、悪くないと思う自分がいた

でも、この時間の間に芽生達が来ている

私は逃げる場所がもうないのだ

この場所が、私が守りたい場所であり、




死んでもいい場所でもあるんだ

私は一本杉を見ながら、お風呂の薪をくべますね。と言って、姿を消した


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