白夜

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部屋の中で引き籠る様になって早三日

四郎兵衛達が心配していただけなのに、まさかの五年生と六年生が見舞いに来てくれるようになった


私は勿論お引き取りを願って放っているんだが、

文「おい、入るぞ・・・・っておい!都佑!!しっかりしろ!」

『・・あ、文ちゃんか』

文「文ちゃんって変なあだ名を付けるなバカタレぃ!それよりも数日見ないうちに痩せこけたな・・・」


今日も今日とて引き取りを願っていた処、もう我慢の限界が来たのか、文次郎が部屋に無理矢理上がった

しかもあの犬猿と一緒に見舞いに来たのである。明日は嵐になりそうだ。


留「都佑、何か欲しいものはあるか?」

『ない。』

文「握り飯でも食わんとそれ以上痩せたら本当に死ぬぞ?」

『もう良いの、』

留「いいわけねーだろ!?こっちは生きてもらわないと困るんだ!!」


ダンと大きな音をたてた留に私はびくっとする

文次郎が止めろと言って止めてくれて留はすまないと謝った



誰も悪い事はしていないのに

悪いのは私なのに

どうして謝るの?


私が此処に居るのがおかしいのに


私は無言になり、ひたすら考えた

どうすれば死んでも誰も泣かずに何も思わないのか

記憶操作をしてもいいのだが、死んだ後にまた記憶が戻られたら溜まったもんじゃない


気が付いたら、文次郎たちは居なかった



『・・・はぁ、髪の毛とこう』

私はくしを取って髪の毛を整え三つ編みをする

三つ編みを編んでいる間、昔の事を思い出した

愛されていた、両親の事を 『・・はっ、何時までも、子供なんだな、私ってば・・・・・帰りたいよ、何処にいるの?狼さん』


愛犬が、死んだ様な気持ちだった

・・・その気持ちに違和感を覚える



『あれ?私』



どうして狼さんの事を愛犬と重ねているのだろうか?




ふと思った時私は直ぐに布団から出て服を着替える

無論、前の世界の服を着て机と睨めっこした



『現状、摂食障害発症。元の世界から忍たまに来てから約二か月とちょい。

この間竜と狼の神様的な存在に遭遇、道中数人の忍者にも遭遇し、現在忍術学園二年ろ組に編入・・

五年六年に色々見張られ、精神的な希望さえも崩されたのが原因だと考える


この間、狼さんの事を家族同然とも思っていた、

更にこの期間中身体に異変がどんどん起こり、髪の色はもう茶色に目の色は蒼くなった。

術は粗方覚え、記憶操作はほぼ完ぺき・・・と。こんな処かな』


紙に粗方の事を書いて、筆をおく 『兎に角これからどうなるかを予測しておいた方が良さそうだな・・・


まずはもう一人の忍者の事だ、一忍術学園に攻め込んでくる場合

1人では絶対に来ないだろう。少なくとも忍者隊を連れてくるだろうから大よそ10数人か

この場合の時、確実に忍たまを巻き込む・・な、あいつらなら警備してそうだし

でも死は絶対にさせられない・・私の時代で死んでいるだなんて聞きたくないからな。妄想で十分だ』


そう言いながら私は胡坐をかき、筆を取ってまた紙に描く


『忍術学園に攻め込んできた場合、私が裏山に逃げて・・追っては来るだろうが人質として忍術学園に攻め込まれるな

と言う事は、記憶操作等相手が術をかける前に此方から手を打った方が良いか・・時間操作でその範囲内だけで記憶がなくなる、とかはどうだろうか?

いや、自分がなったらそれこそ本末転倒だ。だとすれば、やはり早く風を味方にするべきか、面倒だが、寿命も少ない・・あれ?

こんな処に紙だなんて・・一体』

誰だ、と思いながら紙を開くと声を荒げようとしてしまった




『嘘・・・ま、落ち着け、・・・よし、音読なし。黙読開始』
その手紙には、こう書かれていた



私が亡くなった時の君へ



名は、狼

宛先は私だった
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