白夜

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それから帰りは歌を披露しながら帰った

アイネクライネという曲で、男女の恋愛を描いた歌詞だ

それにいい歌だなと言って皆嬉しそうに拍手をしてくれた



私は、音楽もこの時代で習ってもいいかもしれないと思った





数日後のとある午後

私は長次に新刊がまだ残っていると聞いたので雷蔵と長次がいる図書に足を運んでいた



『お邪魔しまーす』

雷蔵「あ、こんにちは都佑ちゃん」

『こんにちは、雷蔵。新刊は?これ?』

雷蔵「うん、此間はありがとうね?おかげさまであっという間に終わったよー」


此間と言うのは、雷蔵達下級生が丁度授業で六年生しか暇がなく、図書の新刊を取りに言った事だった

あの後ちゃんと最後までやったので、月が出るくらいまで時間がかかったのだが、楽しくてその日は六年全員で眠ってしまったくらいだったのだ

なので、私は楽しい時間を物凄く久しぶりに過ごせたのでお礼は此方から言いたいくらいだった



『いいや、お礼を言いたいのは此方の方です!お仕事とは言えど本は知恵ですからね・・久しぶりに外に出てとても楽しい時間を過ごせました!』

雷蔵「それは良かったー三郎も皆心配していたんだよ?都佑ちゃんに悪い事したなって、」

『その件はもう良いんです。もう、もう大丈夫なんで。』

雷蔵「都佑ちゃん、何かあったの?とてもすっきりした様な顔してるけど・・・」

私は長次と目を合わせてとても良い事がありました!と笑顔で言った



長次も雷蔵が驚く位嬉しそうに微笑んでいた

雷蔵は本当にいい事があったのかと思うと自分の様に嬉しくなった


長次「これが今日の新刊だ・・・」

『へーこの時代でこんなぶ厚い本あるんだー!これとこの本二週間で!』

長次「分かった、だが二週間で読めるか?」

『読めなければ延期すればいい!』

長次「そうか、何時でも言って来てくれ」

『了解!・・ん?この本はどうしたの?』


私が目に付けたのは、古い本だった 雷蔵「ああ、それは今さっき新刊と入れ替えていた時に奥から出てきた本だよ。

僕や中在家先輩ですら読めない字だったから、どうしようかと」

『え?コレ現代語なんですが?』


「「ええ???」」



『何々?・・・異世界を渡る方法??え?何これ、私帰れるの!?』

雷蔵「ええええええええええええ」

『え、まって・・霊体に関しては、あることをすれば帰れる・・って、これ狼さんが書いていたこと!?』

長次「一体、どういう事だ?」


私はひとまず本を持って近くに腰を掛けた

それに2人も腰をかけて対面する様に座る


『此処の文字なんだけどね?前に狼さんから貰った紙に書かれていた術と同じ事が書かれているんだけど

それがもう一人の異世界人が持っているある密書をゲットして術を使うと私がこの地を守れる不老不死になれるらしいの!』


雷蔵「不老不死!?」

『最初はでたらめかと思ったんだけど、この世界に来た時にお世話になった竜が住んでいる神社があってね?

この身体の出身の村の神社なんだけど、次の日行って来たんだよねー』

雷蔵「そ、それで?」

『狼さんの件については哀しそうにしていたけど、不老不死に関しては本当の事だって。

しかも不老不死になれるのは私かもう一人の異世界人かどちらかなんだけど、

今異世界人も術を習得しようと格闘して半年らしくて・・私を狙おうと今外をうろついているから

なるべく外出しないように、って言われて帰って来た』


長次「なら、外の警備を厳重にするか・・・」

雷蔵「そうした方が良いかもしれませんね。」

『いや、相手はプロだろう、忍たまが太刀打ち出来るものではないし、私は君らに死んでもらっては困るんだ』

雷蔵「困るって、」

『いい?私が来た世界は、今更だけど君らが書物として出てくる世界なの。驚かずにそのまま聞いてもらいたいんだけど、

その書物に出ている時点では君らは殆ど死ぬ事なんてないのよ。寧ろギャグで終わっている位で20年以上もの歴があるんだけど

その間に私がこの世界に来てしまって、此処で例えば長次が死んだとするでしょう?


そうしたら私の世界でも長次が死んだ設定になる訳。つまり私の今まで生きていた存在が否定されてこの世界から消えてしまう可能性が高いわけ。此処までおっけー?』



雷蔵「な、何とか・・」

長次「つまり、私達が死んだら都佑も死ぬ事になると・・」

『そう言う事。もっと言うと私は別世界の人間だから、死んでも特にこの世界の軸を壊さない。

だから私が死んでも良いって何時も言っているのはこの事。

君らが死んでしまえば私が知っている中でも10数人は涙を流す事になるからね。』


人の涙ほど見たくない物はないのだとと付け足して言うとそうだろうと納得してくれた

雷蔵はだけどと書物を見ながら言った


雷蔵「仮に、この密書が相手側が使える様になったら、どうなるの?」 『あくまでも私の憶測でしかないけど・・・その時はこの世の終わりと思った方が良いと思う。

私はこの忍術学園の周りを永遠に守る神様的な存在になろうと思っているけど、真逆の事を考えている人物だろう。

現に何処にいるか分からないからね。ドクタケか、はたまた別の戦好きの城か・・タソガレじゃなければいいんだけど・・・』


長次「伊作の処に良く来る曲者か?」

『初めてこの世界に来た時にタソガレドキの忍者にあっちゃってねー。保健室に行きにくいんだわー。』

雷蔵「でも何もされなかったんでしょう?」

『まーそうなんですがー・・・相手ももうある程度調べている気がしてならんのでねー。』

長次「学園内も危険・・と言う事か?」

『だーねー。もっと言うと三郎からも言われている可能性だってある』


どうしてと雷蔵が声を荒げる

私は冷静になって低い声で雷蔵に言った


『雷蔵、鉢屋衆が何を企んでいるのかも私は知っている。今解決まで言っていたら別に問題はないんだけど、

もしもまだ鉢屋三郎を何かに使おうかと企んでいるのであれば、おそらく私の暗殺か、攫いに来いと脅されているかどちらかだろうね。

無論、この事は三郎と両親の関係になるからどうなっているのか私は知ったこっちゃねーんですけどね』


雷蔵「一応、三郎は鉢屋衆とは関係を絶ったばかりだよ」


『と言う事はー、それの可能性は低いと言うわけか。情報ありがとうね雷蔵』


いいえと声を返す雷蔵に私はさてと、と言って席を立つ 『此処にずっといるよりも、動いた方が良さそうなんでね。とりあえず私は部屋に戻るよ。』


仕事がんばってねーと言って私は本を持って部屋を出た

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