白夜

都佑の身体の様子がおかしい


帰って来た時から何かがおかしいと思っていたのだが



仙「敵忍者が仕掛けた事らしいが、何とも気分の悪い事を・・・」

伊「あのまま、都佑死んじゃうのかな？」

留「馬鹿！そんな事やられてたまるかよ！現にあいつ記憶操作ってやつが出来るんだろ？」

長「留三郎、それをやった処で身体はどうにもならんぞ？」

文「そう言えば小平太が言いかけた話しが気になるんだが、話してくれないか？」


その言葉に小平太がビクッと驚いたのに長次が心配した

小平太は笑顔で大丈夫と言ったが、何ともその顔は笑顔と言うか作り笑いで、


小平太は下を向いて呟くように話し出した




小平太「・・両親が離縁して、自分の命を引き換えに愛情を求めて10年が経ったある日、他人に己を拒絶された都佑は

身体の自由がなくなっていった。それこそ此間伊作の処に行ったときに放って置いてと言われた時と同じ症状だった。」


伊作「あれが・・」

小平太「精神病と言われる病気の始まりだ。恐らく記憶が欠けてきているのは今迄の−分だろう。

私達の記憶をある程度引き抜いたらしいからな・・この場所に来る前に、都佑は愛犬を亡くしてしまったようだ。

しかもあの連れていた狼と同じ感じの人懐っこい犬だった。とても哀しく泣いていて、死んでも良いと嘆いていた矢先

急に別世界に飛ばされて、愛犬の死を見守ること無く、都佑はこの世界に飛ばされた」


仙蔵「惨いな・・・」


小平太「嗚呼、しかも離縁した時に犬を飼ったようで、その傷はとても大きくて暫く落ち込んで塞ぎ込む予定だったらしいんだが

運悪くこの世界に飛ばされて今迄の事を夢だったかのように仕向けられた挙句の果てがこれだ。」


伊作「都佑・・・」


小平太「狼を亡くしたのに愛していた犬と重ねてつい最近塞ぎ込んでいたのは死んでしまったとやっと脳が理解した直後だったらしい。

・・・そんな事も知らずに私達は、」


何て馬鹿な事をしていたのだろうと小平太が言うと長次が声を出さずに拳を地面に叩きつけた







一方、都佑はと言うと・・・



『・・・敵忍者はもう炎を操れる位まで力を付けている、竜の事ももう信用できないな、』


部屋で此間長次から借りた本を読んでいた時だった

首にぶら下げていた石が突如光り出したのだ


『なっ！？』



に、と言った時には、目の前は真っ白な世界に寝かされていて、

徐々に声が煩くなっていった






元の世界に、戻ってしまった
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