白夜

『何を、』

小平太「天女が来てから私達は狂ったかのようにあいつを求めて止まなくなった・・・もう元に戻れない」

『馬鹿っ！花形体育委員会委員長如きがそんな事でへばってんじゃねーよ！・・・お前をどれだけ心待ちにしている後輩が居るんだ！！

私の命が亡くなろうとも必ずお前を返すと決めているんだ！！絶対殺させない！！』


私は小平太の両肩を掴んでいった

彼は明後日の方向を向いてしょげ暮れていた




留「それは無理な話だ。」

『留・・三郎？伊作、まって、何で皆動けるの！？時間停止で動けるのは・・・』


仙蔵「貴様の、持ち物があれば動ける。」

『はっ！しまった、その縄私達が創り出したものだ！！』



あちゃーと思いながらも仙蔵達はこれでいいと言った


文「お陰様で一瞬だが正気に戻させてくれたこと、感謝する。」

『まって、まさか自害するとか言わないでよ！？私はそんな事望んでいない！！』

仙「だが、私達はもうこの女狐から身体も心も奪われてしまったのだよ・・次の瞬間自分を刺さないと恐らくお前を殺してしまう」

『・・・良いのに、そんな。私なんか、見なくて・・・』


私はついに気分がおかしくなったのか、皆の哀しい表情に涙が零れた


『嫌だ！もう嫌だよ・・・どうして、どうしてこんな惨い・・・』

長「都佑、私達は乱世で生きる人間だ・・・お前まで巻き込みたくない」

『私は仲間じゃなかったっていうの！？私だって、貴方達に生きて欲しいのに！私みたいな落ちこぼれよりも貴方達の方が！』



よっぽど、生きている価値があるのだと言おうとした瞬間

伊作に頬を叩かれた




伊作「都佑、これは僕達の願いだ。」

『伊作達が、私を生き延びさせるのが願いなら・・・私は、私は！！』




次の瞬間時間が動き出して背景が変わる

私は直ぐに小平太から距離をとって体にもう何もない事に気が付いて身体を地面に立たせた その後直ぐに小平太が刀を持って私の腹部を貫いた

それに時が止まったかと思う位時間の動きが遅くなった


小平太の目の色は次第に色を持っていって、私の目は次第に赤く色づいて行った




ガシャンと音がした後、小平太が私を掴んで叫んでいた

私は、小平太の名前を呼んだ




小平太「どうして！！どうして私の攻撃を避けなかった！！！」

『だ・・って、こへ、それじゃ、正気に、もどん、なかった、じゃん、』

留「・・・あれ、俺達、一体」

伊作「身体が、自由に動く・・はっ！都佑！？どうして、小平太・・・」


小平太「いさっくん！頼む、都佑を！都佑がああっ！」



『やめて、もう、いいか、ら。』

竹谷「馬鹿な事いってんじゃねーよ！！今鉢屋達に水と清潔な布を持ってきてもらってるからそれまでこれで待ってろ！！」

私の腹部に竹谷が上着を被せて腹部の血を吸い取る

私は痛みに耐えながらも天女の方に向かって言った



『クロア、ノア、天、よろし・・く・・・』

クロア「勿論・・・都佑の願いは、え？都佑？？」




次の瞬間、小平太が持っていた都佑の右手はあっさりと地面に落ちた
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