胸が焼けそうなほど幸福だったあの日々を思い出す

『なんか、申し訳ないなぁ』

食後に一息つこうと言った銀時に
名残惜しかった都佑は嬉しくて
そうヘラりと本音を呟いた

銀時「ん?何が?」
『行き成りキャラが変わって普通の人間とは
かけ離れた力に皆を巻き込んで居るってのが』
沖田「前はそんなキャラでもなかったですしねぇぃ」

そう、私は何方かというと冷たかった
けれど暖かく陽だまりの様な感情にかなり滅入っていた
そんな私を普通に接してくれるのが申し訳なくて

この感情が前世の自分だとスグに分かった都佑は
予想以上のお人よしだった事をようやく認めた事に
「え?今更?」と意外そうに銀時が驚いている


『前よりは予想以上に内心がお人好しなんでもう諦めました』
銀時「前よりって…前もまた違う意味でお人よしだった気がするけども」
『えっ…まぁ前世の感情が勝つよ圧倒的だよ銀さんや。
こりゃピュア過ぎて寧ろ私罪悪感感じる位だもん』

そう半泣きの声に其処までかと話を聞く土方に
沖田は例えばどれ位の差があるのか思い切って聞いてみると
案外さらっと都佑は説明する

『んとね、石ころで例えると川の小石と宝石の差位』
土方「んな程か?」
『昔「都佑はもっと自信持つべきだよ!優しすぎる!」
って色んな人に言われてたから…お人好し過ぎるのも駄目
とは知ってるんだけどなぁ、どうしても強く否定出来ないのよね』

沖田「じゃあ今迄断ってきたもんを受けたりするんですかぃ?」
『あ、正にそうかな。断れないたちでね、自分で決めれなかったりするの。
それだから余計に新選組として活動出来なくなるって思うと不安で』

まぁそんな不安も医者に相談してみると
時期的に不安定なだけで時機に良くなると言っていた
それも付け加えると土方は煙草を消して「別に焦んなくても良いだろ」
と胡坐をかいていた足を動かして体勢を整える

土方「何処にも行きやしねぇし、お前が居なくなると
寧ろ屯所内が大騒ぎになって仕方がねぇだろうしなぁ」
沖田「そうでさぁ、また仕事する時まで精々生き延びるんですねぃ」

すると沖田も身体を動かし始めたので
それに銀時はお開きにするか、と都佑を見る
少し頷いたのを見た三人は立ち上がり外に出る様に移動する

空は快晴でまだ一時間足らずの時間に案外時間はゆっくりなのかと
都佑は驚きながらも土方に借りていた隊服を礼を言って返した

銀時「じゃ、またうち(万事屋)にも来いよ?」
『はい!またお世話になります』
そうぺこりと両手を前で揃えてお辞儀をしたのに
銀時は土方とはえらい違いだと笑いを堪えながら
土方のほうを見ていると土方は刀に手を出そうとしていたのに
都佑が気付き止めると眉をハの字にして潔く諦める


『じゃ!また今度!』
銀時「おう、今度はおまわりさん抜きでな」
土方「んだとごらぁ、誰がてめぇと
岡本を二人っきりにさせるか。」

そう言いながらも背を向けて歩き別れを告げた
ほんの少し名残惜しくて、その感情に入り浸りたくなる



そのまま左側土方右側沖田の間に入って帰っていると近藤さんが
お妙さん処に居るのを聞きつけた土方は先に帰れといったが
都佑はそのまま一緒に行くといい、一人で小走りながらも走っていく
それに行きますかと沖田が軽くため息をつきながら目を丸くしていると
土方は頭を抱えながら沖田と共に都佑を追いかけた


怒っている妙に土方はどもりながらも謝り
沖田は近藤さんを地面から引っこ抜いていると
都佑がお妙に会い、いつもすいませんと頭を下げる
「都佑って呼んでくれませんか?」そう話の途中で
言ってきた都佑にお妙は察して「いいわよ」
と返事を返すと嬉しそうに目を丸く輝かせて
喜ぶと「そっちの方がいいわよ!」なんて言って
事情を詳しく話す為に立ち話もなんだからと言って家のほうに招いてくれた

近藤さんは外でまだ伸びているころ
ある程度話し終えると「そうだったの」と寂しそうな顔をする
「これからの事はある程度把握はしていますけど
どうしても自分を殺しちゃって、どうしたらいいのかと」
そう自分の悩みを打ち明けると「いっそのこと外に出ないのは?」
と提案するが朝狼の術はそう甘くない為
少しでも抜くと力は弱まってしまう為、今の新選組にいると
力の衰えはまず無いがどうしても自分の状況が肩身狭いと感じるのだ

近藤さんが起きて話を聞いていた事を言う
「都佑ちゃんは楽に居て良いんだよ。
寧ろ伸び伸びとしてほしい。
最近うちの隊の人間が頑張っているのは
都佑ちゃんの素が嬉しいからだよ」
そう都佑が女の人なのか朝狼なのか知らないが気の利く子だと
お妙に話すと「寧ろ今までどうしてひっこめてたの?」
と勿体ないような声をだす

相手の事を第一に考えて素直な気持ちを持つだけでも
素晴らしい人間であり、寧ろ誇っていいと思うわ。
なんて褒めるお妙に都佑は照れて笑い流す
「皆さんとても優しくてトゲトゲしてたの申訳無かった位です
でも強く居ないと仕事上やってけないからって内心
ごめんねなんて謝ってたの愚痴ったら皆嬉しそうにしてました」
皆が優しいと思っていた事を女だからかサラリと困った顔で
両手を握りしめて胸に置き話す都佑にお妙は感動した。