喧騒の届く一室

人のざわめきを聞いたのは、ひょっとしたら初めてなのかもしれない。

あれから彼、バンと一緒に捕まり、罪状が下された。



「己の〈強欲〉がために、王国と友好関係にあった妖精王の森を破壊し
「生命の泉」を我が物とし、聖女を殺害した」

そして


「聖女を助けもせず、そのまま立ち尽くした」

罪状:−−−−−−−−−−−−。

フクロウの刻印を右手首の所に熱く入る

痛みが伴うのは仕方がない

エレインは死んだ

ヘルブラムも

ハーレクインも


皆、私の周りから少しずつ消えていく


そして罪状は分かった

言われた判決は上手く聞き取れなかったが


『ー私は、全て知っているのに、変えれもしないのか。』




その現実に、雨が降り注いだ



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「お前、何処に行くんだ?」

『…もっと強くなる為にも、こんな所で罪を償える訳が無い。』

逃げるのだ。
だってご飯私の好きな物は無い。
好き嫌いが激しいとは思っていたがここまでとは

「逃げるんかよ、」

『…逃げない為にも、出ていくんだよ。』

「お話はそこまででいいか?」


そう言ったのは金髪の男の子が私とバンの間に入ってから気づいた。


「んーお前…」

『…な、何?』

「な、俺の仲間にならねぇか?」

なかま?


「協力して、戦ったりすることだ。」

『…でも、私まだ弱い』

私が弱いせいで、エレインが亡くなった。
ならば強くなりたい。

「強くなれるさ。」



「お前名前は?」

そうバンを置いて仲間になった私は名前を偽る事にした。都佑という名前を隠した方が後々楽な気がする。

『…スコル。スコル、フェンリル』


スコルは神話、狼の意味だ。
フェンリルは悪魔で、スコルの父親だった筈、
この記憶がどこからなのかも知らないのだが
金髪の男の子は嬉しそうに笑い、名前を言った


「ん、そか。俺の名前はメリオダス!なーあのバンって奴何とかなんねーのか?どーしても仲間に入れたくてな。」

『…強い敵に惹かれるから、殴り合いすれば着いてくるかも?』

好戦的な話を何時だったか話した気がする。
その会話にメリオダスは嬉しそうに笑った。



「マーリン!ちょっといいか?」


それから馬車で移動し、王様に会った後
マーリンと呼ばれた女の人の元に行った。

「メリオダス…と、」

「スコル、です。」

「大罪の1人、では無さそうだな?」

「まぁな。ちょっと気になってな。」

魔力の過多に。その言葉にスコルはたじろいだ。
腕輪の力を使い、魔力を抑えているのだが
マーリンと呼ばれた女性曰く
抑えてもまだ女の子が持つには多過ぎるとの事。


「ふむ、コレは…」

「何か分かるのか!?」

「いやさっぱりだ。」

その言葉に私は椅子からずり落ちた
いや落ちない訳ない。知ってそうだったのに!

「ただ、今まで見てきた中でも群を抜いて制御出来る魔具な事は確かだ。」

『これが?』

「1度本気を出してみてほしいものだが…どうやら宝の持ち腐れを連れて来た様だな。」

ため息を吐いたマーリンにメリオダスが笑う。
そいじゃ任せた!と言って何処かに消えた。

「スコルと言ったか」

『はい!』

「名前はなんだ?」

その言葉にスコルは自身の名前を明かしていないことがバレたと知った。

『…都佑です。でも名前は内密に』

「いい判断だ。その魔力はどうやって使って?」

『こう、集中して思った事が出る感じなんですが、言葉を発しないと発動しなくて、私は力ある言葉と呼んでます。』

「ほう?力ある言葉…此処では出せそうに無いか、」

マーリンにこれまでの経緯を話す事にした。
そこから得た情報によると、攻撃したものは魔神族の下っ端で、力ある言葉や腕輪、星黎族に聞いたことありげに、かなり驚いていた。


「まことか?いやまことならば魔力操作が出来ないのも頷ける。」

『あの、マーリンさん』

「ああ、私の事はマーリンでいい。あとその敬語も要らん。」

『では、マーリン。星黎族って、何?』

「…この世界には5つの種族がいる。」

おっと聞いていない?と思っていると、まぁ聞けと言われた。

「妖精、巨人、人間、魔神、神族に分けられる。
その中でもない種族が稀にこの地に産み落とされる。それが星黎族だ。」

『…おんぎゃーは?』

「…しても、何処かの世界から来ても変わりはしない。ただ言えるのはその声が聞こえるのと、腕輪を継承することだ。詳しくは知らないが、もう絶滅したはず」

『そう、』

なら、ひとりぼっちだ。


ーいいこね。都佑。

ふと優しい声がした。
私の名前を呼んで。
何処か落ち着く優しい声がした。