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「どうしたんだ?俺達を呼び出して」
「私に何かできることがあるんでしょうか?」
『そうね〜メルル、貴方まだポップの事好き?』
そう言ったミーネに何急に聞いてくるのかと
メルルではなく、ポップが声を出した
「良いんですポップさん…答えはいいえです。ミーネさん
私知ってたんです。都佑さんがポップさんの事を好きだって。」
「…え?」
「でも私それでも思ったんです。きっとこれで恋心を諦めたら
きっと都佑さんに合わせられる顔がないって。きっと都佑さんなら
ずっと恋を続けて、振られたら諦めるってしないと怒られちゃう気がして。」
「メルル…」
「私あの時ポップさんがマァムさんと言った時に気付きました。
都佑さんが何かかけたんだなって。でもよかったんです。
あの時声を聞けて、私安心したんです。」
だから、そう言ったメルルの口に軽く人差し指が触れた
もういいとミーネがウインクで返したのだ
『おっけー?メルルいい?
貴方に私からとっても大事なメッセージを送ります!』
「はっはい!!」
『都佑の、親友で居続けてほしい。』
きっと貴方には悪い知らせかもしれない。
だって好きな人の思い人なんて、私なら無理。
でも、きっと都佑はそれを直感で感じて逃げる。
そうしたら、都佑はずっと人に逃げる人生になってしまう。
『貴方が本当に心から良ければでいいの。
都佑を、どうか一人にさせないで欲しい。』
「ええ、言われずともこのメルル、都佑さんの事を尊敬しています。
寧ろ私でいいのか、少し不安な位なんですから。」
『決まりね…ポップ!!』
はぃ!そうはっきりした声で返事をしたポップにミーネが笑う
『都佑のこと、頼んだわよ?』
「へへ、言われずとも!にしてもミーネ、さん?ってこれが上手く行ったらどうなるん、ですか?」
敬語にしていいのかわからずポップの戸惑いに
都佑と同じようにしていいと笑う
『今までは私が芯になって周りを都佑が囲んでいたんだけどね。
ちょっと私は芯から外れようと思っていて』
「それって、まさか!!」
『大丈夫。都佑の心の何処かに居るだけだから、
よほどのことがない限りこうならないわ。
まぁポップ君と喧嘩してしょげる時くらいね〜?』
「ポップさん?まさかそんなことしませんよね?」
そうにっこりした笑顔のメルルに、ポップがぎょっとして
滅相もありませんと声をあげることで、2人で笑った
『さぁ!戻って最後の晩餐でもしますかー』
「あの私ミーネさんとも、お友達になりたい…んですが、」
そう言ったメルルに、進んでいたところのミーネがとびかかった
『もちろん!!私ミーネ!ミーネ・アルスマグナ・マギアよ!!』
「ええ!」
そう笑ったメルルに、ミーネが笑ってはしゃぐ姿を
指で鼻をこすって遠くの方で眺めていたポップは内心喜んでいた
ミーネという存在があったからこそ、都佑は生きていたことに
そしてミーネが見せてくれた都佑の記憶の中で、ポップを追いかけていたことに
ポップ自身気付いていたのだ。
それに顔を赤らめないように無理矢理熱を冷やす魔法をかけたなんて
聞いたら、きっと笑って弄る子だろう。
都佑は前に心が無いと言っていたが、アレは嘘だったと思う。
だってミーネがメルルと一緒に笑う姿は都佑その者に見えたのだから。
++++++++++++++++++
「で、コレが最終的な魔術だと、ほーーあいつ本当に目覚めたら締め上げるか。」
「ポップさん?いくら何でも…私も参加させてくれる枠ありますよね?」
「ちょ、メルル〜!?」
『あはは、こりゃおっそろしい奴を味方につけちゃったわね〜都佑ったら』
半笑いのミーネにヒュンケルがそうだなと答えた
「にしてもお前位の実力なら身体を分裂させて生きることなんて可能じゃないのか?」
『あーアレか。確かに出来なくはないんだけど〜私この子がすっごく好きなのよ。』
皆で食事をしながら会話するその流れがとてもスムーズで
時間があっという間に過ぎてしまう
『ポップとマァムが喧嘩したらしたで、どうしようって泣きそうな声出すし、
クロコダインに悪い事言っちゃったかなって夜に泣きだしたりしてたから〜』
「へー都佑って泣き虫だったのね…」
『都佑かなり考える子だからね〜
私は平気だって言い聞かせるんだけど聞かなくって』
「でも、都佑さんとっても考えて私達と真剣に向き合ってくれていましたよね?」
そう、都佑の良い所は誰でも真剣に前を向いてくれるところだ
彼女は適当にあしらっていると見せかけているかもしれないが、
かなりの頻度で真剣な目をしていることに気付いていない自分達ではない。
「嗚呼、奴の良い所であり、欠点でもあるがな」
「あと鈍感な所がちょっとな〜」
「ちょっと!ポップ!ヒュンケル!?」
『ふふっ、でもいいじゃないマァム。
それ程彼女は隠している様で隠しきれていなかったって事よ。
あの子は優しい子だもの。』
そう、草木の道でも花は踏まないようにするし
考えているだけで実際行動には出していなかったが
何度かマァムに花を渡そうかと迷った時があったことを告げると
マァムが照れた
そんなことを考えている子だとは思わなかった時期が長かった為か
でも都佑が優しい子だと最初から分かっていた
と言ったのは意外にもヒュンケルだった
「最初戦った時、ぬるい奴だと思ったが、
すぐに自分の立ち位置をわきまえた奴だと知った。
ミーネ、お前が都佑をずっと照らしてくれていたからこそ、
都佑はお前に託したんじゃないのか?」
ーあのね?とってもいい子がいるの!!
そう言った声を思い出す
『そうかもね…でもちゃんと返すわ!私には重すぎるのよ。』
感情と言う重荷は、鳥籠の中で眠る私より前を向いて歩いた者が持つべきだ
『それにこうやって都佑の話をしていくとね?
なんだか都佑に申し訳なくって』
「ミーネ、」
『後で呪文解いてあげるから、今日の夜には開放してあげないとね!』
「別に明日でもいいのよ?折角仲良くなったのに、こんなすぐに帰るなんて」
『マァム?私の血を飲んだでしょ』
そう言ったミーネに驚き声を上げたマァム
にっこり笑ったミーネがとんでもない爆弾発言をだす
『だって〜マァムとポップの声、私の所まで届くんですもの―』
「「はい?」」
『いや、神聖樹の力で元々私が使う者だったから〜
それは別世界の力を得ると同時に、私の心まで届くものなのよ?』
「えっ、ちょ、ま、まってくれ!!
じゃ、俺やマァムが感じた感情って…まさか」
『ええ!私だけでなく、都佑も感じ取っていたわ!』
だからこそよ
そう真剣そうな声をだしたミーネに周りが静かになった
『都佑は禁忌に手を出したの。
その声に応えたくて、強く願ったのよ。私に対してね?』
ーお願い、なんだってする。例え私が消えてなくなったとしても!!
ーだから、ポップとマァムの声に、応えたいの!!
『助けたい。あの子が強く願うなんてあれ以上なかったわ。』
「都佑…」
『だからこそ、よ。さぁ皆さん立って?最後の仕上げをするわよ?』
++++++++++++++++++
場所は神聖樹の傍にある泉の近く
木の根元には成人男性が10数人は入れそうな場所があり
子供ではあるものの成人に近い為、広く距離を取れる場所ではなかった
大体10数メートルだろうか?根元をくぐれば泉の方に繋がっている
家から2キロくらい離れた更に山奥の場所に、神聖樹は生えていた
『…さぁポップ、マァム、ヒュンケル、メルル、あとハル君おいで?』
そう呼ばれた者が前に出る
横に並んでいたのをミーネがヒュンケルとポップの服を持ち前に出し
円を描くように配置したあと、ミーネが円の中にはいる
「これって!」
「まさか、あの時に!?」
『そう、アレは私との再契約を交わすいわば呪いみたいなものよ?
本来はダイ君とお姫様がいるべきなんだけど、これかけた人数の過半数いれば
解ける代物だから、君達三人居れば良いって訳』
まぁメルルも実際被害者だから四人かなー?そう言ったミーネに
なははとポップが空笑いすると同時にメルルは苦笑いで返した
『…都佑、あの時の判断は、私後悔していないわ』
でも、貴方を沢山心配しているのよ。
そう言ったミーネに木々が揺れる
『帰らないといけないの。代償は、私も何とかするから。
さぁ、やるわよ!!』
そう言ったミーネに円を描いた者が声を上げた
『金色なりし光の王、我此処に汝に誓う、我此処に汝に願う』
手に光が籠りだす。あの時もそうだったとポップが呟く
最初は何しでかすかと思ってたけどよ。
こんな結果で救われるとはな。
そう言ったポップにマァムやメルルが頷いた
『大いなる光のその綻びから、解き放たれし五つの者に!!』
また、笑ってくれると良いんですけど
そう言ったメルルにマァムが返した
きっと綻びを出しちゃったから隠しきれない筈よ?と
『その力もて、黄昏よりも暗き者、暁よりも尚眩き者!!』
もし沢山照れて隠そうとしたら、思いっきり叫びましょう?
『大いなる力を解き放たんことを!!』
大丈夫だって、もう貴方を苦しめる者は何一つないのだと。
++++++++++++++++++
そのままミーネが同じように腹に光をぶっ刺した
その後、白い羽が飛び出るも、綺麗に粒上になり消えていったのと同時に
ミーネが崩れ落ちるのをポップが受け止めた
「これで泉の中に入れりゃ良いって事か」
「なんだか、身体が重くなったような…」
「都佑様の魔力から解き放たれたからだろう。
あの呪文は物体を元に戻す効果を宿しているからな。」
「また鍛え直しね〜」
そう言ったマァムにポップが前を歩きだした
「ここ、か」
目を閉じて開かない都佑に目を細めて呟いた
「…早く起きろよ、皆、お前を待ちわびてんだ」
「ポップ…」
「ポップ、都佑様を中央に浮かべてこい
そこが一番濃度の高い場所だ」
ラーハルトの言葉に深く頷いたポップは
都佑を抱き上げつつ浮遊したまま都佑をそっと泉の中に沈めた
息はこの神聖樹の力を持つ者なら出来ると聞いているのだが…
「これでしばらく様子見らしい。いつ目覚めるかは分からん」
そう言ったラーハルトに一度家に帰ると言って姿を消した
マァム達も続々と下に戻っていくが
「俺は残るぜ」
「ポップ、私も!」
「マァム、お前は先に休んでろ。
都佑が起き上がったら起こしにいくからよ?」
そう言って笑ったポップにマァムは分かったと言って駆けおりて行った
浮遊したまま笑顔を崩して泉の中をみる
上からみると透き通って、都佑の姿が良く見えたのだ
「こりゃすげぇ所の出なんだな、おめぇは…」
小さな一人っ子じゃねぇじゃねぇかよ。
そう言ったポップの目の中には
泉の中に刻まれていた大きな円の呪文が光り輝いているのを映し出していた
++++++++++++++++++
もう何時間経過したか、月明りが頂点に来た頃か
「なぁ、都佑、頼む、起きてくれ」
そう言ったポップの声に届いたのか、
都佑の目が動いたのをポップは見逃さなかった
「っ!?都佑!!都佑か!?」
そう声を出したポップに目をゆっくりだが開く
その目は昔みた真っ黒で、声を出せないのか、
夢だと思っているのかしらないが
優しい顔をしていて、違う人かと一瞬思ってしまった
まだミーネではないかと、ふと思ってどもったが
何処か強く言えば変わると思った
「都佑!!頼む、眼を…目を覚ましてくれ」
ーープ?
そう聞こえた声に、零れた水を宙に置いて水の中に入った
その大きな音でマァムは飛び起きた
都佑が目を覚ましたかもしれない
との声に急いで一同が飛び上がって泉に向かう
「ポップ!!都佑が目をさまし」
そこでは、月明りの下で嬉しそうに笑っている女性が
泉の中から抱きしめられているのを見えた
声に嬉しそうに笑って反応しているのに、
水から出たからか、涙なのか目から何か流れているのは見えた
良かったそう低い声が響いたことに、
駆け付けたマァムやヒュンケルも安堵していた
『ごめんね?』
「ーーっ、」
そう笑っている女性に、都佑が帰ってきたと一同思い、声を上げた
その声に、女性が耳を傾け此方に顔を見せてくれた
嬉しそうに笑っているその笑顔の後ろで、安堵するポップの顔をみて
マァムはほっとしたのだった