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「で、ダイとその御一行が行方不明ということだと」
「ゼロスと申しますーどうもよろしくお願いします」
そうぺこりとおじぎするゼロスに睨みつけるポップを
ヒュンケルがそう怒るなと声をかけた
「ゼロス、貴様都佑のことをどこまで知っているんだ?」
「ちょ、ヒュンケル!」
「ふむ…隅々までって言ったらどうします?」
『ぜぇ〜ろぉ〜すぅ〜』
そのドスの効いた声に、びくりと驚き杖を両手で持ったゼロスに
逃げようとするなと首に手を回し腕で絞め上がげた
『あんたね!ゼル位ならまだ良いけど
ポップを美味しいご馳走として見ないでよ!!
絶対喜んでるでしょ!!こら!!!』
「いたたたたた!酷いですね〜僕が食事をするって知ってて言わせたんでは?」
うるせぇと言ってゲンコツをくらわし
ゼロスは「リナさんに似すぎていません〜?」と泣きだす
『ごめんねポップ、ゼロスは人が食べ物を摂取するように
人の負の感情を食事としてとるんだよ。』
「へー、じゃあ俺がイライラしたり、泣き喚いたりするのがいいってことか?」
『嫌な気持ちの濃度によって美味しさは変わると思うよ。
まぁ私も憶測の域だから本人に聞かないと分からないんだけど』
「…今都佑さんがこれ程まで勘があたる末恐ろしい人だと
僕思っていませんでした。」
どうも当たっているらしい。
「まぁ都佑さんのことはリナさん達と一緒に旅をしていた時くらいの話です。
それ以上もそれ以下でも僕は都佑さんと関わった事はありません。」
「だってさ。良かったじゃないポップ」
「ふーん」
そう睨みつけていた目を切り替えて、ポップが目を丸めた
どうも聞きたい事があったらしい
「ゼロス、お前さんってよ、どれ位の魔法力があるんだ?」
「魔法力、ですか?」
『魔力のことをこっちでは魔法力って言うのよ。
ちなみにリナみたいに魔力が底をついて倒れるー
なんてことはこっちの世界ではないらしいよ。』
へー興味深いですねと言ったゼロスにどれ程までかはお教えできませんがと言いながら
指をたてられたので、その指に目が行く
「試しに、僕に見せてみてください。」
ポップと都佑、ゼロス、ラーハルト、ヒュンケルは外にでて魔法の内容に
マァム達は食事の準備をしていることになり別れた
「メラ!!」
そう威力を少なくして、遠くに軽く飛ばす
風もそこまでふいていない為、遠くに飛ばしても燃え移らないと考えたのだ
「これが火炎呪文のメラだ。初歩の初歩だな
で、これがメラミ!!」
少し大きくなった火炎に、ふむとだけ言ってポップの説明を聞いていた
「メラゾーマ!!」
そう大きな声で唱えた最大火炎呪文に都佑が更に呪文を唱えた
『ヒャダイン!!』
氷の球体がメラゾーマと打ち消し合い、大きな風を巻き起こした
「これが最大のメラゾーマだ。んでその氷系呪文が都佑が撃ったヒャダインだ。」
『ゼロスの世界と違って、変形魔法での詠唱は一切ないの。
ここで本気出しちゃうとこの森けしかけないから抑えてもらってるんだけどね』
「他には〜んーギラ系とバギ系ってどう説明すりゃいいんだ?」
そう聞くポップに都佑は私も何となくしか知らないと笑いゼロス達がずっこける
「先程ポップが撃ったメラ系とは異なり、火炎そのものではなく熱エネルギーを扱う呪文が
ギラ系呪文と言われている。これも言葉が長くなれば長くなる程威力が強い。」
高熱のエネルギーをビーム状に放つため、
調整次第ではその見た目をメドローアに近くすることができると言った所で
メドローアとゼロスが疑問を抱いた
『炎と氷を同じ量で融合して、弓を射るようにして飛ばすビームみたいなものよ。
それに触れたありとあらゆる物質は原子レベルで崩壊し消滅してしまうから、
事実上この呪文を強度で防げる物質は存在しない位の威力なのよ。』
「ほぉ…
ひとまとめにして打ち放ったみたいな感じですか?」
『そうそう!!それと同じ感じね!そっちでは
炎と氷は同等の威力なら打ち消し合って消えちゃうけどね。』
「え!?消えるのか!!」
そう驚くポップに都佑が頷いた
「成る程、竜族が居ると先程聞きましたが、各種族で力をどうやって扱っているんですか?」
「呪文ごとに儀式を行って修得するんだけどよ、
儀式を済ませても術者の力量が不十分だと使えないんだよなこれが」
『生半可なレベルで強い呪文を使っても、出てこないとか技量もあるから何とも言えないのよ。』
「イメージで上手くいく訳でもないって事ですか。」
『大事は大事だけどね、その子の腕次第って所よ。
竜族との関係はまた違うわ。魔族に力を借りる呪文でもないってこと。』
「別の世界では魔族の力で魔法を使うのか!」
「魔導士協会って所で契約をして軽く指導されてって感じですね。」
そうお互いの魔法を説明し、お互いの魔法と同等で名前が変わっているだけという
ある意味世界を超えた交流にポップのテンションが更に上がった
「なぁなぁそういや都佑が最後にぶっ放した呪文ってこっちだと何の呪文になるんだ?」
『…あれは、ないよ』
「都佑さん?」
『完全版
そう言った都佑にゼロスが目を開いた
気が重そうに答える都佑に、ゼロスが成る程、と続ける
「あのお方をお呼びしたのですか、貴方という方は」
『へへ、めちゃ怒られたけどね。』
「…しかも仲良くなるなんて、僕には考えられない。いや考えてはいけない領域ですね。」
「ポップさん、恐らくその威力は貴方方と僕の世界での魔法の定義が違う域のレベルです。
都佑さんが撃った魔法は、僕たちの世界での頂点に君臨するお方の力を使う…お呼びする呪文です。」
この世界が無くなって居なくて逆に恐ろしいと言ったゼロスに
都佑が私も無くなったかと思ってたと笑っていた
『ま、そういう訳で、その不完全版をポップは使えるって所だけでも
貴方の知識では充分面白い人間に入ると思うんですが…?』
「ええ、勿論。大変興味深いお話を聞けて僕は満足していますよ。」
そうお互い目を光らせて不敵に笑う二人にヒュンケルとラーハルトが若干引き気味に見ていた
「それにしてもその人次第とは、面白い世界ですね。」
「例えば俺と都佑がメラを出しても、威力は違う。
俺がメラゾーマを出す威力を都佑がメラを出す位の差が出るんだ。」
「成る程、ありがとうございました。大変興味深いお話で久しぶりにのめり込んだ気がします。」
『人間の世界にしては良い所でしょ』
ええ、大変。そう笑うゼロスに都佑は笑いながら眼を閉じた
切り替えていこうと言った合図でもあり、ポップさんとゼロスに呼ばれたポップは
都佑に先にいっておいてくれとだけ告げてゼロスの元に行った
「で?俺を殺そうとしてんのか?」
「いいえ、流石に今殺せば都佑さんに悪いですから」
殺す前提なのは変わりない、か。
そう冷や汗を流すポップにゼロスは問う
「何故都佑さんの指示に従い、あの方の呪文を?」
「あの時はそれを使うしかなかった。とだけ言っておくよ。」
事実魔法力は底を尽きていて、都佑が言っていた魔力はどうやら
ポップ自身元々身についていたものらしく、都佑が何故最後の最後になって
ポップに血を渡したのか。
「ふぅん…なるほど、では彼女が普通の人間だと、知っておいでですか?」
「ーへ?」
そうとぼけるポップにゼロスはくすりと笑った
「彼女は紛れもない普通の人間ですよ。
体内に恐ろしい者を宿していますし、
僕の世界に来た時の記憶も持っています。」
「その時点で俺は普通って見れないですけど!?」
「彼女は運が悪かっただけなんです。
それに肝心な所記憶が消えていますし…
都佑さんの事を気に入っていたので少し残念ですが」
あれで記憶がまだ消えている?
まぁそりゃ別の世界の記憶がごちゃごちゃに
混ざってしまったら、記憶を消したくもなるだろうが
「都佑さん"は"紛れもない人間です。もし、ポップさん
貴方が都佑さんを人間とは違う存在と扱うのなら…
僕が都佑さんを頂きます。」
「っ!?」
それは宣戦布告だった
月明りの下、人差し指をたてて頬の横で振る姿は
何処かの死神を思い出す
「都佑は、渡さねぇぜ」
笑って手を取ってくれた
その目が、笑顔が、ずっと続けばいいと思った
旅をしている時も、どこかおちゃらけていて
昔ありのままで居たら良いと言ったことを
守っている気がしなくもなくて。
「そうですか。それは残念。」
「要件はそれだけかよ」
「いえ、もう一つ。都佑さんの血の件で警告をしておこうかと。」
何?そう帰ろうとしたポップが振り返りゼロスを見上げた
「これ以上彼女の血を使って力を使わないことです。
恐らく都佑さんは力を使えないとは言っていますが、貴方は
使える事が可能でしょう。ですがそれは使わない方が良いと言ったんです。」
「なんでそれを」
「さぁ?強いて言うなら、都佑さんが悲しそうにする顔を見たくないから…ですかね」
ではそう言って消えたゼロスに、ポップが俯き手を眺めた
先程教えていた魔法で聞いた言葉をつかえる可能性がある。
だが、例え使えたとしても使わない方がいい。
それは寿命が縮むから?あるいは・・
そう深く考える前に、ポップは首を横に振って家の中に入ることにした