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チュウが本を見せて何か手掛かりがないかと
叫んでいる中、ポップが指示を出して
1時間足らずでマァムやメルルが到着した
「ポップ!話は聞いたわ!!都佑は」
そう部屋に入ったマァムとメルルの前には、
すやすやと眠っている都佑の頭をポップが優しく撫でていた
「おう、ここでぐっすりと寝てるぜ。
流石に効果が強いのか、明日の朝まで寝るかもしれねぇが…」
こりゃラリホーでもよかったかなー?そう頬をぼりぼりかいて
迷っているポップにマァムは良い判断だったんじゃない?と
都佑の顔を覗きながら答えた
「きっと都佑だって苦しかったに違いないわよ。
だってポップに相談する前にクロコダイルに相談しようとしたんでしょ?
それって貴方の事を思っての事だと思うわ。」
「え?なんでそのこと」
「ヒムが聞いてたのよ。クロコダイルから」
そう言ったマァムの後ろでヒムが頷いたのに、意外と噂広がるのはえーなと苦笑いした
「都佑はポップ、貴方の事が好きだから、貴方にこれ以上
負担をかけたくなくて言わないようにしようとしたのよ。
優しい都佑なら、きっと言わないようにしたわ。」
でも、勇気をだした。
「さ、私も覚えている限り尽くすわ!案外都佑ってお喋りなのよ?」
「すまねぇ、助かるぜ、マァム」
そう皆で中央にある円形のテーブルに腰をかけ、部屋の本棚にあった
ものを幾つかだして調べていると、メルルが何かに気付いた
「みなさんこれを見て下さい!この文字、現代の文字に限りなく近いんです!!」
「何!?…本当だ、これこの文字の翻訳にちけぇじゃねぇか!!メルル!すげぇ!すげぇよ!!」
そう喜ぶポップにメルルは「お役に立てて光栄です」と嬉しそうに笑う
「じゃあこの文字で使われてそうな字って、あれ?」
ここ、この文字ばっか使われてるな。そう言ったポップにマァムとメルルが覗き込んだ
「平仮名ってやつね?えーと、私前に都佑が沢山書いてたから覚えてるわ。」
「なんで俺には教えてねぇんだよ…あいつ」
「えー、これをみたひとへ、よくよめたね、えらい!…はい?」
滅茶苦茶茶化してるじゃねぇか!とポップの声に続きあるからきけ!とマァムが叫ぶ
「えー何々?そんな冗談は置いておいて、」
この文字を解読するのに時間かかったでしょう。本題にかかるわね。
これは私の記憶が消えた時のことを、この世界の人間がなるべく読めないように書いていたの。
青い本があるんだけど、そっちは漢字と平仮名で書いたものだから、気にしないで!
「読ませようとしてんじゃねぇか・・」
私は、ミーネと契約を交わした人間よ。此処に父親であるマークさんがミーネと仲良くしてって
言ってて、私に部屋を用意してくれたからこの部屋を使っているだけ。
多分これ、牢獄じゃないかって思ってる。いやー怖いわねーこの世界。
それだけじゃない、私多分ミーネの生贄にされる。言葉が申し訳ないけど分からないのよ。
でも生贄になるだけで、私が死ぬ事はないし、絵を描いて説明をしてくれる以上
ミーネたちも本当はやりたくないって感じがしたわ。
都佑、これは貴方の名前よ。もし仲間が都佑、貴方の事を願って
この文字を解読したのなら、私はこの世界で生きるべきだと思うわ。
まぁどちらにせよ元の世界には戻れないわ。
この世界に契約を交わして来た、人間なのだから。
「なんだって!?」
「此処から文字がすれて読めないわ、きっと何かがあったのね…」
「時系列的にゃぁ、ミーネと融合する前ってことか」
ラーハルトとミーネが会う前か後かは別として
どちらにせよ都佑は別の世界から来た人間だった事が判明した
それにマァムが頷いた
「ここ以外はちょっと字が読めないから、都佑が起きたら見てもらうしか」
「いんや、読ませねぇ方がいい。実際此処に来た時に
拒否反応を示したから、俺が眠らせたんだ。」
そう言ったポップにマァムはそれならと都佑に本を読ませない方向で行くと決意した
「どうする、都佑にはこの場所が、父親の部屋だと勘違いしていそうだが」
「それはそれで良いさ、都佑も馬鹿じゃねぇ。
きっと何処かで感じ取るだろうが…ま、その時はその時だ。」
そう笑ったポップに皆ひとまず書物をクロコダインの方に持ち帰る事にした
都佑はこのまま部屋で寝かしておいた方が良いという判断だった。
「都佑さん、どうしてこの世界に来てしまったんでしょうか?」
都佑とポップを置いて皆は書物を持って移動し終わり、一息ついた所だった
それにマァムが答えた
「きっと何かがあったのよ。ただ、都佑は優しい子だって、
あの子自身がそう本に書いてあったじゃない。」
マァムはただ、名前の意味を見て嬉しくなったのだ
例え住んでいた環境が悪かったとしても、都佑の性格が
表されていることに、変わりはなかったことを。
「私どっちでも良いと思ったわ。
記憶が無くても、記憶が取り戻したとしても。
私達は都佑の仲間なんだから!」
「マァムさん…そうですね!私達は都佑さんの仲間ですもんね!」
そうよ!その意気よ!そう言うマァムにメルルは笑ってみせた
そしてメルルは感じていた。都佑の奥底で眠る光が、のちに多くの被害になることを。
「(どうか、気のせいだと言って。)」
++++++++++++++++
『…ん、私、』
「お、気付いたか?急に眠っちまって心配したんだよ。」
おっさん達は俺が見てるからって言ったら帰ってったぜ
そう言ってウインクするポップに、身体を起こした都佑が微笑み返した
「なぁ、都佑…おめぇよ、此処に来てから何か感じねぇのか?」
『…?』
「いや、忘れてくれ!そういやここ風呂あるんだぜ!!」
そう入ってきたドアの方角から右側の方に向かって歩いて行ったポップを目で追い
中に入って大きな音をたてたもので、大丈夫かとベットから出ようとしたが
ただころんでいたらしい、何か頭の上に黄色いたらいが被っていて、都佑は軽く汗が飛ぶ
「今風呂沸かすからよ!何か食べたい物ねえか?」
『んー…ーーー木の実!?』
「ナッツ系か?そういや島にココナッツがあったんだよな、
流石に貰ってきた食べ物に入ってた様な〜」
そう言って今度はベットの前を通って風呂場とは逆の方角に歩いて行った
なんだかそのままにするのは怖い気がして、都佑はゆっくりと足を付いて歩いて行こうとした
『っ!!』
突如身体が急に重くなり、地面に膝をついた
その音に気付いたのかポップが駆け寄ってきた
「っおい!大丈夫か!?」
『う、うん…何で急に重くなったんだろ?』
「んー太った感じしねぇしな」
そう言ったポップの頭を軽く殴っておいた。
何かそうしないといけない気がして。
そう軽く叩いたことでも、反応してくれたポップに都佑は微笑んだ
ふと嬉しくなったのだ
「無理しねぇでベットで寝転がってな?俺が支度してくるからよ!」
『わかった。無理しないでね?』
無理ならマァムとメルル呼ぶでもいいのよ?
そう言った都佑だったが、この10分後に
マァムを呼び一部の食材を無駄にしたことを叱られることに
もう少し強めに言うべきだったと後悔した。
「どう?都佑、お味は」
『ん!美味しいよ!こっちも私好きだな〜酸っぱいの好きでさ、』
「そう!ってあれそれってポッ」
もごもごと言ったマァムに、都佑が首を傾げる
「美味いか?」
そうマァムの口を塞いだポップが都佑に聞く
お酢の効いた酢の物に私はこの中で正直一番好きな気がした。
『マァム凄いね〜!私も料理上手くなりたい!』
「ふふ、じゃあ今度教えるわ!」
約束〜そう指切りをしていた姿を見て、ポップはホッとした
『(にしても料理美味しかったな〜お風呂もマァムと入れて楽しかった!)』
覗くなよ?そう言われたマァムにポップが一度位は覗きに来たのに
制裁を加えている所をみて都佑は笑ってしまった
のぼせる前に風呂から上がって正解だった。
でも、お風呂でヒヨコを浮かべて…何処かで
ー、美味しい?
『ーうん、美味しいよ、ぱぱ』
そう言って、私は眠りについた。
嗚呼、嬉しそうな顔が、私の手を取ってくれる。
楽しい。ただその時間がずっと続けばいいと思った。
++++++++++++++++
「ポップ何で言わないの?都佑ってば一番早く食べきったじゃない」
「いいんだよ。それよりありがとな今日は。」
「いいのよ。寧ろ最近頼ってくれて嬉しいわ。」
そうか。そう言って笑うポップにマァムは笑った
都佑ね、そう言いだしたマァムにポップが目を丸くした
「あと少しで思い出すかもしれないわ」
「っ、」
「ポップ、あとさっきメルルが見つけてくれたんだけど」
なんだよ、そう言ってポップがマァムから手渡されたのは2枚の写真だった
そこには、白い髪の毛の少女と、黒い髪の毛の少女が2枚とも写っていた
1枚は少女二人、もう一枚は家に行った際に見つけた女性と男性を含めての4人が写っていた
「メルルと話したの。黒髪の方が都佑だろうって」
「…嗚呼、そうかもな。ったく良い顔してんぜ」
ただ、何も不安を感じないで幸せそうに笑っていた
此方に来た時も紺色を纏っていて、ワンピース姿で
そこらの町娘と言ってもおかしくない姿だった。
首元後ろでお団子をしていて、毛先が四方に散っていた
今よりも髪の毛が短いのか長いのかは分からないが
ただ一つ言えることは
「本当に、優しい子なんだなって、皆で見た時に思ったのよ。」
別世界から生贄とされる前
それだけが、彼女の普通ではない証拠であった
「…っ、なんで、こんな奴がこんな状態になんねぇといけねぇんだ」
「ポップ…」
ただ嬉しそうで、目を閉じたら思い描ける程
キラキラした目で白い髪の少女を追いかけて遊んでいたのだろう。
手をぎゅっと握って、前を向いて笑う
その時間が、ずっと続けばいいのに
「まぁアルバムがあったけど、その写真だけが2枚になってたの。」
「これが?」
都佑とミーネらしき人物の写真をポップが片手で取る
黒髪の方が都佑だろう、幸せそうに笑う姿に目を細めたポップ
「きっと都佑が言ったんじゃないかしら?
ミーネと一緒に写真を持っておきたいって」
「っ、それって」
「ええ、きっと都佑はミーネと一緒に戦うって思ってたんだと思う。
でも…」
都佑の体内に沈める状態であって、
気付いてから写真を本の一部にしまったのだろう。
まるで生贄になったことを何かの夢だと思いたくて、隠した。
「書物から私達が読める程のメモが出てきたの。
どうやらミーネの力を鎮める為に
普通の人間を生贄にするしかなかったらしいの。」
『…その話、詳しく聞いてもいい?』
「「都佑!?」」