Emilia.




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夢の微睡







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Sub Title

『ーここは』

「あら、起きた?」

金色の髪の毛に、金色の力が身体にまとわりついていた姿に
見覚えがある

『ろ、ろろろろろ、ロードおおおお、おぶ』

「んもー!私の名前はメアちゃんって教えたでしょー!?」

誰が一般庶民が神と友達気分で会話しろと言うのだ!!
無謀にもほどがあるだろうが!!

『っ!そうだ!ポップは!!マァム達は!!』

「生きてるわよ。貴方が私の力を使った事で。」

その言葉で、私は安堵で涙が出た
良かった。心の底から良かったと思う。

「にしてもよく私の力を使ったわね」

『まさか貴方の管轄内と気付いた時には最終手段と思って使う予定でしたからね。』

この世界が精神世界なのはまず間違いない。
肉体が滅びているわけでもないことを
ポップ達が生きているという事で知れたからだ。

「これからどうするつもり?また戻るの?」

『一応元の世界には戻れませんし、貴方の管轄外に行くには
貴方が下さないといけない内容ですけど…』

面白い玩具は手元に持つのみであって、
私は元の世界に戻れる感じは一切ないと思った。

そうふてくされた顔をした私に、ふてくされないでと笑いながら言う神に
私は更にふてくされた。悪化するに決まっている。

「分かったわよ。元の魔力に戻しておくからそれでチャラにしてよね?」

『…私が行くことで世界が変わるとでも?』

「ええ。あの世界で頼りになるって貴方くらいじゃないの?」

『そうしないように裏でこそこそしていたのに』

「昔から前に出るのは嫌がっていたものね。」

『まぁ貴方にはもう一度位会うと思います。
もし万が一、の為にも。』

そう約束をして、彼女から離れる
メアちゃんの目の色が変わる
優しい目から、きりっとした目に

「ええ、待っているわ。出来ることなら手出しはしたくないのだけれど」

『まぁ頑張ります。では』

そう言って、私は意識を落とした
きっとこうしたら、肉体に戻れると信じて

++++++++++++++++++


目を覚ましたら、世界は真っ暗になっていた
隣にはダイが眠っていた
うなされているのか、少し脂汗が額に浮き出ていた

声のする方に私は歩き出した

「ーじゃあどうする?」

『…皆』

「都佑!!!」

扉を開けて光の方に歩く
私は何日も眠っていたことを、お姫様から受けた


「良かった、貴方が死んだらと思って…」

『ごめん、ね』

そう言った後、ズカズカ言った音がとまり、大きな音と共に頬に痛みが乗じた

ぶたれたのだと知るのはマァムが大きな声でポップを叱ったからだ

「おい、てめぇどの面で此処にきてんだ?」

「ポップやめて!!」

「なぁ!!何であんな呪文を使った!!」

『…アレしかなかった。』

それだけだ
しかも彼らには伝えないといけない

『無礼を招致でお話します。私はこの世界を滅ぼせる力を使いました。』

部屋の温度が急激に下がった感じがした
こういうのは慣れている
嗚呼、人が怒る所は、慣れ過ぎて麻痺していたのを
自分で下げないと分からないものらしい


『その魔法をもう一度撃つ覚悟で此処に来ました』

「貴様!魔王の手下か!!」

『まぁ、ある意味そうかもしれない。
だって力の根源は魔王であることに変わりはないのだから。』

そう言った都佑に何人かが動くも
静まりなさいとツルの一声で動きが止まる


「都佑、ポップ達から話は聞いています。
それは人間を救うものだと。それに魔王は魔王でも
この世界の魔王ではない者だと。違いますか?」

『…悪人にさせて殺させない王女様だねぇ〜。
そうだよ。私の知り合いである別の魔王の話。
深い話はポップとマァムにさせてほしい。』

これはあまりにもショッキングな話だからだ
できればマァムに話したくないが
この際戦える人に伝えておいた方が身のためだと思ったからだ

「わかりました」

「じゃあダイ君が目を覚ましたら出発ね!」

「嗚呼!」

『…そう、上手くいくかな?』

「え?」

『言っても彼は少年だよ?まだ10は行くか行かないか位の子供だ』

それに重荷をもたせて、人は喜ぶのなら、確かにバーンたちが言う
愚か者という言葉は、当たっていると思う。


「それは…」

「大変!ダイ君が!!ダイ君が何処にもいないの!!!」

そう言ったレオナに皆が大変だと騒ぎ喚きだした

++++++++++++++++++

「ったく何処にもいねぇじゃねぇかってマァム!と都佑!」

「ポップ…」

お前ら一体どうして、との声にマァムの顔色が優れないことに察した

「もうおしまいよ、この世界は」

『マァム…やはり言わなければ』

「嫌よ!言わなかったら都佑のこと貼り倒していたわよ!!」

そう言って殴りかかりにくる位の勢いで胸倉を鷲し掴んだマァムに
都佑は目を丸めるが、ポップがマァムの声にあーやだやだと言った

「マァムがこれじゃどうすんだよ。都佑はまだしもマァムが
しおらしく落ち込んじゃって、筋肉だけが取り柄のマァムが」

「っな!なんですって!?」

「いいさ、おれぁ寄る所あるからそっちいってくるわ!そんじゃ!!」

そう言って消えたポップに、都佑はうつむいた

「都佑、貴方ポップの事が」

『…うん、好きよ。』

そう

好き

その二文字がどれ程の力を心に入れてくれるか
分からなかったから、言わなかった

『でも私はこの世界にずっと居れるかわからないから』

「でも、言わずにこの世界が終わるなんて、それでいいの!?」

『いーの。私はこの気持ちを持てるだけで嬉しいの。
それに好きな人には幸せになって欲しいじゃない?』

マァム位の気の強い人なら、きっとポップの幸せも安泰だ。
まぁマァムがポップの事を好いていたらの話だが。

『それにあの魔法を使った以上、私はもう二度と人として生きてはいけない。』

「…どういうこと?」

『ポップに言う筈だったけど、先に言うね。
私あと二回あの魔法を使えば魂ごと滅びるのよ。』

その言葉に、マァムは絶望する

「う、そ」

『本来管轄外の魔法をこんなにもぶちかましたんだからね。
それに此間撃ったアレは不完全版なのよ。』

「完全版は?完全版を撃たなければいいんでしょ!?」

『完全版か不完全版かの違いは、
借りている者の力を使うか本人を呼び出すかの違いなの。』

完全版は金色の魔王ロード・オブ・ナイトメアその者を呼び出す魔法
その為自分の身体はナイトメアに染まってしまう。
そうなったら私の精神はどうなるか計り知れない

不完全版は金色の魔王ロード・オブ・ナイトメアその者の力を使う魔法
自分の力が試される為、下手に気を抜けば全員が消滅してしまう
そうなれば世界は崩壊の道をたどるしかない。

『完全版はナイトメアの機嫌がいいか悪いかによって左右される。
基本的には滅びの道を歩むだけで、世界を滅ぼせる力そのものなのよ。
だから私は不完全版の方を撃ったのよ。』

一つの生命が滅びる力をもっていた。筈だったのだが
世界が違う為、ある程度の威力は半減してしまったわけだ

「そんな…それじゃあ」

『ただ幾つか方法はある。でもそれは邪魔が入らない場合に限られるし
ある程度王女様たちとも話をしなければならないかもしれないから…』

「どうして、この世界の魔法は?一応使えるんでしょ?」

『…先に言っておくけど、私はその金色の魔王ロード・オブ・ナイトメアが司る
世界の住人ではないのよ。この世界で三つ目であって、私のいた世界ではない。』

つまり、私は本来の力を使えるものではないという事だ
精霊のご加護を貰えたのは、恐らく両親の関係だろう。


『多分この世界とあちらの世界、二つの世界に住んでいた両親の血で
私は魔法を使えるって所だと思うのよ。』

「え?ご家族が、え?」

『嗚呼ーやっぱり二人で話すにはきつかったかなー
んーとね、母がナイトメアの世界。父がこの世界に居たのね。
どちらも共通点があって、ドラゴンと魔法。この二つに共鳴されて
私は別世界でも二つの世界をみていたのよ。』

「え?」

『ようは、最初からマァム貴方の事を知っているし
貴方が誰が好きで、ポップが誰を好きなのか検討ついているってこと!
あと魔法力が人間離れしているのは、色々あるけど一番は両親の力よ。』

昔神隠しにあった両親は2人の世界が違う事を知った
その世界は魔法を使わず、機械だけが発達した世界

「成る程、お父さんもお母さんも都佑が生まれた世界で
出会った異世界人同士ってことね。」

『そういうこと』

「でもどうして私達の世界にこれたの?」

『まぁそのナイトメアさんが私を好きになってね?
彼女が飽きるまで私はこうやって行き来できるような
身体になってしまったって所だと思うよ。』

事実魔法力はあの魔導士であるマトリフがうなる程の持ち主だ
そりゃあそうだ、あのマトリフの知り合いであるこの世界に一人しかいない
人離れした魔力の持ち主が私の父親なのだから。

『そのぱっぱは数年前に死んだってマトリフさんから教えてくれたからねー』

「そんな…じゃあお母さんは!?」

『残念ながら』

うなだれるマァムに、そんな悲しい顔しないでと都佑は言った

『私もダイみたいに名前が違うんだよ。本当の名前はね?ミーネって言うらしいんだ。』

「え?」

『確か向こうの世界だったかな?意味は“優しい子”らしいよ。
私の世界では私のって意味だったんだけどね。』

「何で今になって私に」

貴方じゃないといけなかったのよ
きっと

『あとでポップには話すからそれは』

「いーんや?話さなくていいぜ?ある程度は聞いたからな」

ポップ!そうびっくりしたマァムに先に帰ってろと告げて
席を外すように促した



++++++++++++++++++

『いつから聞いてた?最初から?』

「いんや?お前さんのおふくろさんの話あたりからだよ
…にしてもマァムにべらべらよく話せたな。」

『…別に?彼女に嘘を言わない方が良いと思ったから』

それが嘘か?そう言ったポップの方を見た
月明りで、どこか真剣そうな顔に見えて、少したじろいだ
嗚呼、私はまた悪い事をしたらしい。

「まぁいいや。俺にしか言えない事もあるだろうし、な?」

『ポップ!?なんで』

「お前さんと長い付き合いじゃねぇか。ポップ様をなめんじゃねぇーよっ」

そう額を軽くつつかれて私はこの夜所々真っ暗な雲に
月明かりが隠れて本当に助かったと思った
でなければこの心臓の音はバレなくても顔の熱さにバレるところだった

つつかれたから多少わかるかもしれないが
この男ポップはマァムが好きで、好きな女の子以外は
点で気付かない鈍感を超えた男だ。

だからきっと気付かない。
私が知ったこの心も、全部知らなければいい。
そう、墓場に持って行けば、それだけでいい。…良い筈なのだ。

『(なのに何でこんなにも痛いんだろう?)』

今まで母親や父親を捜していたのだが、両方とも死んでいる事に
アバンから教えてもらったおかげで何とかわかった。
だが、これで終わるわけではない。

『ポップ』

言おう、彼には言うべきだ。
そして渡すべきだ

『単刀直入に言うね』

「お、おう」

『これからの戦いの為に、私の血を飲んで欲しいの。』

静寂が数秒間保った
恐らくアニメであれば1カメ2カメ3カメ程のシーンは映せたと思う
そしてポップが動いたのは大声と共に数メートル離れることだった
わーとっても可愛いじゃなくて、

「ちょ、ちょちょちょっとまて!都佑!?気が狂ったのか!?
まさか世界が終わるからって数日で」

『ちげぇーわ馬鹿。この鈍感魔導士野郎が。いいからよく聞いて。』

「お、おう」

そう何度目かのどもりを言いながら距離を取って会話を
とりあえず聞こう。下手すれば逃げると言わんばかりの
通常よりは1m位離れた距離で都佑はため息交じりになりつつも話を進めた


『いい?さっきの私の母を知ったってことから話を進めるわね?
じゃあおさらい。私の母と父の出生地は?』

「え?あ、あ〜えーと、お袋さんが別の世界で、
親父さんがこの世界の魔導士だったって言ってたよな?」

『そう。我らがマトリフ師匠もその魔導士の弟子だったらしい。』

「ひぃ!?ま、まじかよ…」

これはポップが知らない事情だ。
だって一度もマトリフは言っていなかったから。
私がポップが確実に帰って来ない時に聞きに行ったからね。

『その魔導士はある日とんでもない魔術を作り上げちゃってね?
別世界に飛べる魔術作り出しちゃった訳よ』

「は?別世界?」

『この世界を例えば…あー駄目だ!もうこの際言い訳無しにして言うわ!』

頭をかき殴りながら都佑は言い切る

『この世界をA私の母がいた世界をBとする。
魔導士は母の世界Bで暮らしていると勘違いしていたんだけど
それを母が違うと否定した。』

だってそのAでもBでもないCの世界に二人はいたのだから。
そう言った都佑にポップが嘘だろと答えた

「じゃあ二人とも同じ魔法使って?」

『母の方は解明済みよ。Bの世界で母も魔導士をしていたらしいの。
そっちは別の世界から人を呼び出す呪文を作っていたらしいんだけど
色々手違いが起きて自分を別世界の方に送る呪文になったらしい…』

何と言うか、我が母ながら一言で言い切れる人だ

「えっそれってば」

『うるさい続けるよ』

一応制しておいた。えらいと思う。

『それで二人が会ったCの世界で私は生まれた。
AとBには共通点があり、CはAとBどちらも分かる。』

「…もっとわかりやすく言ってくれねぇか?」

『Cではポップ貴方が今ここで生きている所をこう呼んでいたの…』

“ドラゴンクエスト”

そうゲームのお話物語を言う
それに青ざめた顔色でちょっと待てと距離を詰めた

「そ、それじゃあ今まで俺達の行動を黙って見続けるだけだったのか?」

『残念ながらそれは無理。』

確かに覚えていた。記憶は何処か遠くにあって、きっとこうなると思っていた。
分かっていたからこそ、身動きがとりづらかった。
ましてや別世界の、スレイヤーズの世界での呪文まで発動できるなんて
そんな空想以上の未知なる問題私が分かるわけがない。

『確かにある程度は覚えてた。だからこそ手出ししなかったのよ。』

「なんで」

『最初はね、戻りたかったの。昔の私が居た世界に
なんならポップ今すぐ貴方に記憶を消す呪文をぶち当てて
この場から逃げることなんてできた筈なのよ…?』

声が段々震えだして、心臓が止まったかと思う位静けさに呑まれる

『でも、私、無理だった。貴方達が何度も困難から立ち向かって勝ち取る姿を見て、
私が来た事で起こらない筈の出来事なんて沢山でてきて、凄く不安だった…
嗚呼こんなことが言いたいんじゃないんだけどね?馬鹿だなぁ、ほんと』

「都佑…」

『馬鹿は母親譲りなのかもね、でも私も覚悟を決めれたの。』

この世界で、生きてもいいのかもしれないなんて。
目を見開くポップに都佑は涙を流しながら笑った

『私ね、長く生きれないの』

「な…は?」

『持ってあと10数年だと思う。
いやかなり削ったからマトリフ師匠から怒られてるのよ。』

ーてめぇこれ以上無茶すんじゃねえぞ。やらせるならあのガキにやらせろ。

「そんな、大事な事なんでもっと早く」

『言える訳ないでしょ!!私は!この世界の人間ですらないんだから!!』

そうだ、父の血を引いているだけであって
私が産まれた故郷ではない。
ましてや私はこの世界の呪文をある程度しか言えないのだ。

メラが使える位なのが察しが付く

『本題に戻すね、私の血は母親の血を引き継いでいて
魔力を血に流し続ける事ができたのね?だから』

「…おい、待て俺は嫌だぞ?そんな」

『私の血を飲めば、貴方は一時的に別世界の魔術を使える事ができる。』

嗚呼、言い切った
私は引かれたかもしれない
いやもう色々とドン引きされて超えているかも

『その代わり私が死ぬまでの話よ…死んで、私が貴方に意志を引き継いで良いって
思ったら貴方次第で私の全エネルギーを引き継げる事が可能よ。』

「っ、」

『四肢が引きちぎれる可能性だってあるかもしれない
でも死ぬならとことんまでやるって前に言ってなかったっけ?』

もし私が死ぬなら、もし私が最後の切り札だったのなら、
それをポップが引き継いでいるとは皆思いもしないだろう。
ポップと私はある程度いがみ合う仲で通っているからだ。

嗚呼、私がそう企んだだけであるのだが

「え、縁起の悪い事を言うんじゃねぇよ!」

『私この戦いで皆に見せたことない力を使うつもりよ。』

それは数日前に言ってたことに重なる
お別れの言葉と、酷く似ていた

「買い被り過ぎだよ、都佑…おめぇは、俺は小さな武器職人の子供だぜ?」

『だからよ、私だって小さな家の一人っ子だったの。貴方と一緒でね?』

「え?」

『私母親に殺されそうになったの。母は別世界に飛んでから記憶を失っててね?
父がこの事を教えてくれて、私元の世界で一度死んでるからさ』

「嘘だろ?そんな」

『貴方みたいに優しい母と少し厳しい父の元に産まれたかった。
出来るのであれば、来世に期待しているけど…こんな力を使ったら
きっと魂は持たないから…』

「都佑、情けねぇこと言うなよ、頼むから…」

『ごめんね?』

そう泣きそうな顔で笑う都佑にポップは目頭を熱くさせそっぽを向いた
置いた手のぬくもりが肩に伝わってくる

『ポップ貴方に継承しておきたいのは全部で5つの魔法よ。
此方の世界とは違って呪文詠唱を間違えると術は発動しないわ。
ましてや想像力を働かせないと発動しない位の力よ』

「それって、みたことねぇ俺ができたり」

『なーに言ってるの?今からとことんやるのよ』

にやりと笑う都佑に、どこぞの師匠の顔が思い浮かんだ
嗚呼、親父さんからの遺伝なんだなと何処かで思い出す。






























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