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ひかりのはしら


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夢の微睡







ひかりのはしら



Sub Title

『お疲れ。メルル、マァム、回復魔法を』

分かったわ。そう言ったマァム達は
ポップやクロコダイルに回復魔法をかけ続けている中
都佑が調子は?と聞いた。

「全然いやしねぇ。それどころか見た事ねぇモンスターばっかで
ありゃ女の子で連れて行くには俺はごめんだね。」

『(やはり想像以上にレベルが高いか)』

「僕達も一部逃げ切って帰って来たみたいなものです。
此方の世界は魔界がとんでもない程強い様に見えました。
リナさん達ともあろうお方でさえも、生きているのか不思議です。」

『そう。なら3時間後に編成を組み直して移動するわ。』

「ちょ、また行くのかよ!!」

『弱音吐かない、ダイを救出するんでしょ?
私だって隠れて行こうとしたんだけど…メルルの監視が酷くって』

そう、実はこの数時間に3回程一人で魔界に飛ぼうとしたんだが
メルルの気配が背後から1回、それからヒュンケルが傍についても
何とか動こうとして2回。3回目はマァムとヒュンケルが傍についてしまった。

おかげ様で身動きが取れず、救助もしなくていい状態だったので
まぁいいのだ、いいのだが…

「都佑さんったら気を抜いたら私達の指示を放置して行こうとするんですもの!」

「私達に任せるって言ってたのに、一人で行動なんて許さないから!!」

『あはは』

「都佑さんも無茶をする方ですからねぇ、
それ位見守られていた方が此方としても安心します。」

そう首を横に振るゼロスに都佑は苦笑いが止まらない。

「嗚呼だがこれをみつけた」

『ちょ!?これ…ゼロス!!』

そう手に取ったものは

「間違いありません、アメリアさんのリストバンドですね。」

『やっぱり…あの子達此処に迷い込んできているので正解か〜』

一応ダイの物は見つかりはしなかったが、生きている可能性はありそうだ。
あの正義しか考えていないアメリアが生きているのだ。ひょっとしたら
ピンチの所をダイが救ったという可能性もある。

「ゼロス、貴方リナ達の生命力をキャッチとかは?」

「そんな、僕は魔族ですが人間を見つけるなんて
あんな広い魔界の中で探せるのは無理です。」

「私達は魔界の多分ここら辺を歩いていたわ。」

そうゼロスやクロコダイルが描いた魔界の地図により
人間世界の地図と照らし合わせながらどこまで捜索をしたのかを
皆の情報を照らし合わせつつ話をすすめる

『OKじゃあ皆今日はちょっと休んで置いて。
今日行っていない組である程度編成考えるから、ポップやゼロス達も
一応呼ばれること考慮してね。』

じゃあ一時解散。そう言って分かれた皆で
各々が何があったのかを別チームと共有している中
都佑は天井を向いた後、
下を向いて何時も背もたれる壁の下に腰をかけた

『(多分リナ達は生きている。問題は別にあるな。)』

一応光は全く衰えていないが、長く使うのは気が引ける。
何故ストックがあったのかをミーネに聞きたかったが、
どうせ神聖樹の加護を受けている者だ。
ネックレスを作れる方法を知ってある程度は作っていたに違いない。

『(どうする?私も行った方がいいか?)』

一応野生の勘は当たる方だと思う。力は確かに蓄えておいた方が良いが、
ヒムまでこの魔界に連れて行こうって気にはならない。
ある程度の戦力はここに集結しているとも言って過言ではない。

『マァムとゼロス、ミーネに連れて行かせて、メルルは待機にするか。
ポップがルーラを覚えてるから、クロコダイルと一緒に行動させて…』

「都佑?」

『ヒュンケルとチュウとメルルの方がいいか?いや神聖樹のネックレスも
ストック置いておきたいから一つに絞るとして、ラーハルト連れてくしかないか』

「…おーい、都佑?都佑ったら〜」

『いやでもポップやラーハルト既に体力見た目以上に削れてそうだし
やっぱ何かしら言って私出た方が、いや指揮任されたなら私動くのまずいだろ…』

「マァム、無駄よ。こうなったら都佑中々出てこないわ。」

そう首を横に振った都佑にマァムが困る

『魔法がこれとこれ居るから、サポはある。じゃ肉弾戦って考えたらマァムか。
後ろサポ居るからポップかゼロスの方がいいな。遠距離より情報的には
固まって動けそうな人間を配置した方がいいかむゅ』

「都佑〜はいそこまで。マァムが困ってるわ?」

はぅ。そう困った顔になった都佑にミーネは苦笑いした

「いいわよミーネ、都佑ったらそこまで
私達を考えて指示していたとは思ってなくて…
寧ろごめんなさい、なんだか邪魔しちゃって。」

『あ!ご、ごめんね!マァム!!私こそ皆話してるからって
全く考えてなかった!そうだよね、知りたいことあるよね。何?言っていいよ?』

そう腰を上げてマァムの手を取り首を傾げて聞く都佑に
だからいったでしょ?とミーネが手を口元に寄せて笑った

「都佑は優しい子なの。心配しなくても集中力がちゃんと切れる筈だから
安心して魔界の方に移動してきなさい。」

『え!?私のこと話してた!?何!?』

「いや、私が魔界に行ったら誰が都佑を面倒みるのかって話してて…」

『え!?待って!?私子供じゃないんだよ!?ねぇー!!』

そう言った都佑に、ポップやマァムが笑い始めた
それに都佑も笑って、少し落ち着いた

『大丈夫。ミーネ達もいるからさ?』

「無理しないでいいからね?やばそうなら明日に持ち越してもいいし…」

「僕達は何時でも行けますからポップ君たちを休ませている間にでも構いませんよ?」

「な、アバン先生〜そりゃねぇぜ!都佑!俺行くよ!!なぁ次何処いきゃいい!?」

そう都佑の肩を両手で掴んだポップにヒュンケルが名前を呼んだ

「ポップ、都佑に悪いだろ。都佑此処は俺が」

『だぁー!お前ら煩い煩いうるさい〜!!ダイに会いたい気持ちも分かるけど
此処は慎重に動いた方がいい状況なの〜!!魔王バーンが死んだ今、魔界は更に
活性化されて、例えて言うなら今噴火しかけてる火山なのー!!落ち着け!!』

そうゼイゼイ言う都佑に、ゼロスが大丈夫ですか〜?と声をかけた
都佑はうるさい。ちょっと待って魔族さんと答える。

『まず、ポップ。貴方とヒュンケル交代。』

「んな!?誰がルーラで飛んで行くんだよ!!」

『アバン先生、貴方味方の後を追ってルーラみたいな薬草作ってましたよね?』

えっ!?そう驚き目を開いたアバンが低い声で答えた

「…何故それを?」

『勘です。』

「くっ…叶いませんねぇ都佑さんには。はいありますよ。」

ルラムーン草を材料として調合した魔法の粉を併用した
アバン流特性ルーラ草的なもので、
アバンはこれをつけておけばたとえ空間を隔てた場所であっても
合流呪文で後を追うことが出来ると言った。

その場所にイメージできる人間がいさえすれば、
そこが術者が一度も行ったことのない場所であっても行くことができる
まさに今一番画期的な魔法のアイテムだ

『(合流呪文は似たようなものがあったけど、名前忘れてたんだったよな。)』

それにしてもよく思い出した。全く、何の記憶だかイマイチだが
思い出すよりも大事な事がある。

『そのアイテムスタックは?』

「あまり作っていません。あっても3つ程でしょうか?」

『素材は?』

「おやおや、こき使うつもりですか?」

『…いいえ?ほれ言ってみなさい。ほれ』

そうニヤニヤと笑う都佑に、アバンが多少たじろぐ


「えっ…巨竜樹の枝に、ときのすいしょうを少々と
ルラムーン草で調合した物ですよ?まさかそんな手元にあるなんて…」

「ごめん、アバン先生。一つ言い忘れてた。都佑って子はね?」

アイテム回収のプロなんだよね。
そう言ったミーネと同時に、都佑が奥から荷物を出してきた

『伊達に一週間の間衣装のついでにアイテムかっさらってきてねぇよ。
っしゃ!やればできる私えらい!!つよい!!天才!!!』

「…これ位あればざっと10は作れますね、よく集めましたね」

「都佑のゲーム感覚は割と強い所あるのよ。彼女の“ついで”が多くて
私が指揮に任命したのが分かると思うわ。」

魔界に連れていかせては絶対にいけない。
そう一同が決意した


++++++++++++++++

「よし、じゃ行ってくるわ。」

「ポップさん、お気をつけて!」

「おう!あれ、都佑は?」

「都佑さんなら明日のことを考えてまた考えだしました。」

そう自分の世界に飛び込んでしまっているのを遠目で見て
ポップは「あぁーありゃダメだな」とため息を吐いた

「じゃ!マァム、いくぞ!」

うん!そう言って二人が消え、アバンとメルル、ヒュンケルも消えた。
ゼロスは後を追うようにチュウとクロコダイルの三人で向かった。
ミーネとラーハルト、ポップ達も消えて残るはアバンと都佑だけになった。

「…都佑さん、貴方死ぬつもりですか?」

『んー?どうして?』

「こんなレアな植物やアイテムを1人で取ってきた
それも短期間で、大きな魔術まで使って…貴方一体何者なんですか?」

『だだの町娘よ』

「それにしてはあんな力をいとも簡単に操るなんて、僕達でも難しいです。
都佑さん、もう一度聞きます。貴方は一体、何をしたいんですか?」

『…ポップ達には内緒で、お願いします』

そう寂しそうに笑う都佑に、アバンは静かに頷いた


『別世界の人間を元の世界に戻すってことは、同時に別世界の道が開ける。
きっと私も元の世界に戻らなきゃいけないんですよ。』

「それは、ポップ君と離れ離れに?」

『記憶を消す魔法を作ってるんです。』

「…!それは!!」

禁忌である。そう、クズなのだ。魔法使いで禁忌を使う人は。
だから信頼されているのが胸が痛い。痛いのだ。

『元に戻すだけです、ほら元々ポップはマァムの事が好きだったんですし』

「…正気ですか?」

『なんとでも言って下さい。私は』

あの子が、笑ってくれるなら。
この世界に居て良い人間ではない。
それが一番分かっていなければいけない。

笑って旅をしている今、笑っていなければきっと後悔する。
ポップ達にはみせないで、笑えるようになった。

『私怖いんです。元に戻る感じが、して』

「元に?」

『私クズで出来るものも出来ない。どうしようもない子なんです。
ポップよりもずっと勇気なくて、人にやらかしてから気付いて
放置するとんでもない子ですよ?…それに戻りつつある。』

「…元に戻るのが怖いんですね?」

そう、言いだしたら涙が止まらない
あふれ出る涙をアバンが拭う

『ない、たら、ばれちゃ、うから』

「辛い時は泣いて良いですよ?今は誰も居ません。
今まで怖かったんですよね、貴方は弱くもクズでもないです。
貴方は誰よりも勇気があり、強いです。大丈夫。」

『…っ、あば、せんせ』

そうって顔を手で覆う都佑に、アバンはそっと抱きしめた。
大きな手で小さな背中をリズム良く叩くと、鳴き声が少し大きくなった。
それでも、自由に泣かない。息をずっと殺して。

「(貴方は一体どれ程息を殺して生きていたんですか?
帰りたくないなら、帰らせたくないなんて、私どころか
ポップ君たちも思います…帰らせるものですか。)」

こんなにも優しく、強い子が、誰かを見て傷つく世界に等
連れて行かせるわけにはいかない。

「大丈夫ですよ、大丈夫。」

『うぅっ、っく、うぇ』

そりゃ誰だって怖いだろう。
記憶を奪われて、一人ぽつんと森の中に落とされて
マァムに救われたのが幸いか、感情を隠す能力は身体が覚えていた。

そんな彼女が好きな人の幸せを望んで記憶を消し去る程までの力を使い
帰りたくもない世界に帰ろうと決意を高めていた。


たった一人で。


たった、一人ぼっちで。


そう考えたアバンの腕が強くなる
こんなか弱い少女が背負うものではない。
ポップ達も知ればきっと都佑の力になると思う。

…だが、都佑はそれを嫌がっている。
一人で、前を向いて歩きたいともがいているのだ。
だからだからこうするしかない。

抱きしめてあげて、前を向くように、導く印になるのだ。
傍に居て手を取って引っ張る子は私の役目ではない。


「落ち着きましたか?…おや、酷い顔ですよ?可愛らしい顔が台無しです。」

『うぐ…へへ』

鼻水垂れつつも、笑ったその笑顔は、先程見た無理した笑顔より晴れやかだった。
その笑顔にほっと胸をなでおろしたアバンはあるアイテムを差し出した

『これは?』

「先程周りを見ていた時に見つけたものです。
これはミーネさんのお父さんの物ではと思いまして。」

そう言って受け取った物は、少し重めの剣だった。
それに都佑は今度こそ笑う

『ふふっ、私もミーネも、こりゃ使えないわね!』

「ええ、か弱い女性にこんな刃物を持たせるわけにはいきませんが…一応、お守りとして。」

『ええ、ありがとう。アバン先生、本当に。』

そう笑う都佑にアバンは「どういたしまして」と笑い返した


++++++++++++++++


『…なるほど、此処まで歩けたのは救いか。』

気合が入っていたのか、予想以上に捜索は進んでいた。
地図上で気になる箇所が3か所程見つかっており
其処に邪悪な気配があるとのメルルの言葉に、魔界に何か潜んでいることは分かった。

『だが侵略するつもりで動かしているわけではないからなぁ』

「あくまでも俺達はダイを探しに向かっているだけだしな」

『んーどうしたものか。せめて会うだけ会って』

「今日は皆疲れてるし、明日にしましょう?今日だけでもすごい成果だと思うわ!!」

「そうだな、よし、明日に向けて寝るか〜!!」

『あ、マァム!ちょっと!!』

何?そう言って消えた都佑とマァムを横目にミーネが良いの?とポップの腕に肘でつついた

「な、なにがだよ…」

「マァムああ見えても都佑が好きなのよ?」

「そ、それがどうしたんだよ」

「おや、マァムにも嫉妬するかと思ったのに。」

「マァムはそんなタチじゃねぇよ。
それに都佑の顔が不安そうで心配してたマァムだったしな。」

「成る程、男である以上、下手にイチャイチャしねえと。」

んなっ!ちげぇし!!そう赤くなるポップにミーネが笑う。
都佑を貰っても良いの?そう言ったミーネにやるか!!とポップが声を上げた

「都佑は俺のだ!!誰にもやらねぇ、ぞ」

カラン、そんな音をたてた音に振り返るポップ
真っ赤になって泣きそうな顔の都佑に、マァムが手を取って逃げた
マァムー!!そう声を上げたポップにマァムが笑ってごめんーと言って消えた


「ね?言ったでしょ?ポップは都佑のこと大好きだって」

『…でも、あんなはっきり言うとか、恥ずかしい〜』

そんなことを言うが、嬉しそうに笑う都佑にマァムは微笑んだ

『ここら辺でいいか。マァム!
ちょっと加減しつつこの地面に穴ぶち込んでくれない?』

「え?良いわよ!はぁあっ!!」

そう軽く数発大きめの穴を作った後、都佑が呪文を唱える
すると穴の中には苔が生えだし、水が湧き出てきた

『よし、良い感じね。メルルとミーネを呼んできてくれる?』

お風呂にするわよ!!そう言った都佑にマァムがいいわね!と言って
メルル達を呼びに降りて行った


『…私、ずっといたいよ。』

だから、あがくね。
ずっと、あがくよ。

そう言った都佑は笑った





























































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