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『いくか!』
「気を付けていくんだぞ」
「水筒持ちました?何かあれば私でも良いのでテレパシーを!」
「いい?何かあったら全力で力を放つのよ!!」
『ねぇ!!過保護増えてない!?ねぇってば!!』
ダイ達を捜索する為に都佑達一行は編成を考えつつも魔界に潜入していた。
その間に、ボスが3体もいるという大きな壁に立ち向かうことになり
一同は少々多めの5人編成で一度一つのボスに挑むことにしたのだ。
放置しておけば人間界に何が起こるか分からない。
魔王バーンのように企むなら、早めに潰しておいて損はない。
それにアメリアの仲間がずっとさまよっているのも気が引ける。
その為、編成を考えたのだ。都佑なりに。そう、都佑なりに…
「あんたたち…都佑に何かあったらただじゃすまさないから…!!」
そう目付が変わるマァムにポップが大丈夫だってと言い切った
第一部隊は、ヒュンケル、ポップ、都佑、ミーネ、ラーハルトの5人だ。
第二部隊は、クロコダイル、マァム、メルル、アメリア、アバンの5人で、
チュウはゼロスと一緒に偵察部隊として別行動するようになった。
まず第一部隊で3日程滞在する。そしてある程度の所で第二部隊と合流
そしてバトンタッチと言った所だ。
「ひぃ、ったく、大丈夫だって〜!俺様がいりゃ〜魔王の一匹や二匹〜」
「捨て身になりそうで怖いんですがー」
そう言ったアメリアの言葉に全員が頷いた。
それにポップがずっこけて、誰からもフォローがないという現実に軽く拗ねる。
「ま、一応都佑の護衛一号と二号と三号いるから大丈夫じゃない?」
「え?俺達一号と二号?」
「安心しなさい。私が一号よ。」
『あの〜そろそろ出発させて頂きたいのですが〜』
流石に進捗がないのも困ります。
そう言った都佑にごめん〜とミーネが笑いながら傍に寄る
本当に魔界に行くのだという現実に少々ぴりついた心境になる。
『大丈夫よ、ここ数日ではあるけど、ヒュンケル達と特訓したし!!』
「まぁお前を魔界に連れて行くなんてことは俺もしたくなかったからな。」
あれ?それって今もです?そう言った都佑に、そりゃそうだと言い切った。
ひゅんけるーそう泣きそうな声で笑う都佑に、泣くのか笑うのかどっちかにしろ!
とヒュンケルに怒られた都佑は、えーんと泣くだけ泣いた。
「では、ご武運を」
『必ず帰ってくるわ!じゃ、行くわよ!!』
おう!その声の元、今まで放置していた魔界の扉を開き身体を動かした
++++++++++++++++
『(これは、感情が揺れる中来たら死んでたな)』
どす黒い世界、に近い気がする。
まぁ光が見えない以上、嵐に飲まれるくらいだ
飲み水がマグマっていう所本当に地獄な感じがする。
というか地獄なんだよなぁ魔界。
そりゃ血液青くもなるか、いやあれ緑か?もうどっちでもいいか。
そう意識を別にしているのがミーネにバレて謝りつつ
都佑はそう言えばと声を出す
『ここら辺で有力な情報聞いてたけど、キメラの衣があったのは?』
「ああ、それならここから東の方にあったぜ?こっちだ!!」
そうポップの魔力でキメラの衣が落ちていたと思わしき目的地に飛び降りた
地面は所々切り裂かれ、かなり前になるのか赤い血液も瓦礫の一部から見えた
「此処で見つけたって、クロコダイルのおっさんが言ってたぜ」
『ゼルはあの塔にいる可能性が高いな。』
そう見上げたのは赤い塔のある方
レベル的には私は出来れば避けた方が良いかもしれないが…
遠距離の賢者もとい大魔導士のポップだけでなく
中近距離の魔族であるラーハルトに、
何度も死んでもいい筈の暗黒と正義を胸に
力を強化してきた騎士ヒュンケルがいるのだ。
加えてミーネは回復魔法を得意としている。
私も一応回復魔法は使えるが、ぶっちゃけ言うと
男性と女性で回復魔法の速度が違う。
ちなみに私は女性特化でミーネは男性特化だ。
周りは不思議そうにしていたのだが、私達二人は単純に
筋肉や身体の構造の知識を知っているからでは?と感じていた。
「よし!それなら早速入ってみるか!!」
『待って、何階かも分からない、それも戻れるか
どうか分からない場所にホイホイと連れて行きたくないんですけど』
「ならどーすんだよ!!」
一応体力も込みで、三日間マァム達が来れない状態でも
生き延びれるということを考えて、うだうだ考えていても
埒が明かないからさっさと入って済ませた方が、まぁ良いか。
そう思った都佑は、仕方がないと言って前に進んだ。
「にしても何で戸惑ったの?」
『いやー何かこういう塔、どっかで見たことあって…
なんだったかなぁー中級から上級戦ってさ?
戦闘不能にならないと帰れないわーだの
アイテムが底をつく位のボスが立て続けにきたりするから〜』
「…?まぁ俺達が都佑らを守れば良い話だ。」
「そうだな。」
『(だからーそう守る為に回復が必要になるんでしょうが…
にしても魔界なら50階かな…あれだと100軽くありそうなんだけど…)』
まぁいいか。そう思いつつ、私は皆と共に赤い塔に入った
『…これ謎の塔だろ、お前さー絶対そうだろ、っにゃくそやろおおおお!!』
「…落ち着け、テンションを上げるな。」
そうなだめるヒュンケルに都佑が『きー!!』と声を上げる
都佑がテンションを狂わせている所、ざっと30階の休憩地点
ポップ達もレベルが上がりつつはあるが、一番上がったのはミーネだった。
「意識を落ち着かせないといくら敵が来ても太刀筋が追い付かない。」
『このやるせなさをどこにぶつけろと…
敵か敵なのかそうかーお前ら覚えて置けよ〜』
「あー駄目ねありゃ。魔王と化したか。」
「なだめられる者がまだ居て助かったと言うべきか…」
最初はポップやミーネも言ってたのだが、慣れなのか分からないが
途中からキレだして暴走していた。それをヒュンケルが見かねて怒ってから
うぐうぐ唸るだけになって、今現在のように声を上げはするも落ち着くようになった。
本当にリナに似たわねーとため息交じりにミーネが言う
暴れ馬辺りが彼女にとても似ている。
「そのリナという奴が此処に居る可能性は?」
「あり得ないわね、こんなある程度のモンスターがはびこってる位じゃ
リナの火力なら塔ごと破壊しかねないわね…」
『居てもゼルかガウリィーあたりじゃないかな。
剣の後はないにせよ、戦った痕跡みたいのが
塔の階が増えるごとに増えてってる。』
28階とかそこら辺から見えたから。そう言った都佑に
嗚呼とミーネが答えた
「確かにこれからだとより強敵がいるかもだし…もしかしたら
今からいけば彼の姿が見えるかも?」
「そう考えれば急いで行くべきだな。」
『っしゃー!!ぶっつぶす』
「とりあえずあの子を落ち着かせるしかないわね。ポップ」
はいよ。そう言われたポップが都佑の後ろに立ち、頭をぽんぽんと叩いた
それに都佑の背中が伸び、上を向いた
「落ち着けだとよ」
『………ん、分かった。』
戦闘以外ではポップに敵う者いないわね。
そう言ったミーネにヒュンケル達は冷や汗をかいた
「それにしてもミーネそこまで強くなったら攻撃呪文も出来そうだけどなー」
「私は遠慮しとくわ。都佑見てるとなんだかその…
どこぞの魔導士に見えてきて、なんだか怖くて。」
「その魔導士とこの場所に居そうなやつにはどんな関係があるんだ?」
階段をあがる途中ラーハルトがミーネ側を向くようにしたを向いて話す
一応先頭は都佑が行っているのだが、先に行き過ぎて困るのでポップが
落ち着けと首根っこのフードを掴んでミーネの後ろについた
「ああーラーハルトは知らないのか。まぁゼルの事はある程度言っても良いか。
彼は
青黒い石のような硬い肌と金属の糸のような髪を持つ異様な
『多少のことなら男の子だし体力もあるからこんな塔でへこたれる奴じゃないかな。
あと、クリーム色のローブを羽織ってるから、身体が青黒い色でローブ姿の剣士って
みたらゼルガディス本人だと思うよ。彼一応魔法剣士の部類だったし。』
「ほぉ?魔法剣士か、それは興味深い。」
そうか、ドラゴンクエストでは中々魔法と剣士が重なる者は少ない。
別のゲームなら沢山でてくるが、まだドラクエ3なら薄い話でもある。
何だかんだ強いって感じるのは魔法剣士とかじゃないからな。
『それに10階ごとに休みがあったけど多分こっから少なくなるだろうし
頑張ってやってみようじゃない!!』
「ありゃ元気すぎねぇか?昔あんな感じしなかったのに…」
「うーん、蓋の時は私の性格も混じってたから〜」
寂しそうにする姿は一体どこへやら、
都佑はポップが他の男にスカートの中をみせまいと
わざわざ下の方に連れてきたのに、また上に上がって行ってしまった
「ま、都佑があんなに前向きに進めるなんて見たことないわ。
私だってあんなに進める方じゃないのに…」
「え?いつも行ってたのは、」
「あの子がポップ君貴方達を助けようと力になりたいと思って進んで行ったのよ。
あの子は、人の力になれるならどんな力でも発揮するわ。」
現に、30階に入ってから調子に乗ってメラぶっ放してるわよ。
そう指をさした方向では、壁を伝いながら走ってメラを敵に放つ都佑
天井近くなるとスカートのせいでタイツではあるもののパンツが見えそうになる。
「俺、あとで教育しとくわ。」
「逃げ腰にさせない程度にね。」
無邪気さがダイ並みと言う現実に、ミーネは深いため息を吐いた
++++++++++++++++
『…ん?音がする』
そうくたびれたと35階で足を止めた都佑に
疲れたと思っていたポップが声をかけた
「あ?どうした?」
『…いる、ここ、の上か。』
腰を低めに落とし警戒する都佑に
何事かと奥に行っていたヒュンケル達が合流しに引き返して来た
「どうした!ポップ!!」
「都佑が急に警戒しちゃってよ、おい都佑〜どうしたんだ?」
『…誰!隠れてないで出てきたらどう!?』
声を張り腰に差していた剣を抜きだした
鞘から出てきたのは細めの杖だった
「杖!?」
「いいえ、違うわよく見て」
杖に闘気を集中して込めると、武器が変化する
青い宝玉が紫色に光り輝き、槍の様な姿に変化した
「ラーハルトさんが昔作ってくれた武器よ。
私の母に送ったらしいんだけど、母が私にって。」
「ほえーそんな大事なもんを都佑に渡しちまっていいのか?」
「アレは都佑が持つべきね。否定されなければ想像力は彼女が上よ。
現に勘が冴えて私達でも移動しようとした場所に敵がいることを見抜いた。」
そう都佑の気が強くなると同時に待てと声が上がった
「…お前、都佑か?」
『ほぇ!?ちょ、もしかして!?』
ゼル!?そう言った声に周りの声が驚きで洞窟内を響き渡らせた
「まさかあの怖いからと言ってリナの呪文を撃ち放っていた子が
こんな勇ましい子に育っていたとは、俺も近くで見ないと分からなかったぞ。」
『いやー私だってーゼルがあんな魔族並みの強さ持ってるとは〜
ゼルって知らなかったら首かっきってたわー』
そうサラッと怖い事を言う都佑に、ゼルがギクリと凍る
35階、ボスが目の前になりつつあるこの階で
自己紹介を終えておくべきだと思った周りが
ゼルのことをきく
「都佑、そいつが?」
『ああ、そうだよ。ゼルガディス、
魔法剣士で腕はヒュンケルと互角かそれ以上かもね?』
「ほぉ?俺に匹敵する奴がいるとは…
面白い仲間を見つけたんだな、都佑。」
「ゼルガディスったか?俺はポップ!
大魔導士で、こっちは剣士のヒュンケルとラーハルト。」
そう頷くヒュンケルとラーハルトによろしくと言い
ポップの手を握り返したゼルガディスは、
長いならゼルと短く呼んでくれても構わないと返した。
「そっか、じゃゼル、お前さんどうしてこんなところに?」
「リナやアメリア達とはぐれてしまってな。
そうだ、都佑!お前アメリア達と会ったか?」
『ええアメリアはこっちにいるから安心して?』
そう言った都佑に、ゼルが安堵の表情を浮かべる
「それにしてもお前達こそどうしてこんなところに」
『ゼルを救出しにきたんじゃないー』
良く居ると分かったなと聞いてきたのに、ミーネが話だす。
それを見て都佑は喉が枯れた為軽く水を飲んで唇を腕で拭い去った
『(やはりここにゼルが居た、か。塔のある場所か
何処かの者に捕らえられている可能性も考慮して
なるべく休んでいる場合じゃないことは確かだな。)』
ガウリィーは天然だからリナと居てくれたらまだ良いが
問題はリナの方だ。彼女の力はこの世界でも買うだろう。
ましてや魔族の世界だ、ひもじい思いをしていなければいいが…
「そういやどうやって食事をしてたの?此処には水も食料もないけど」
「ああ、それなら魔術を使って火であぶってモンスターを食ってた。」
「ひぃ!?」
「あーやるわよね、都佑も昔やってたし。」
そんな!?そう青ざめるのはポップだけでなく、ラーハルトまで軽く引いた
まだゼルならいいとしても、女の都佑がするとは思いもしなかったらしい。
「都佑!あと何階だと思う?」
『あと5階ではあると思うけど…記憶がおかしいな、』
確かあの時は4階までしかなかった筈。
なのに40階もあるとは、なんだか嫌な予感がする。
「ま、高い守備力と耐性で【こごえるふぶき】を
連発してくる【メタルキメラ】や
厄介な呪文を多数扱う【デビルウィザード】をぶった押してきたんだ。
俺たちゃ無敵だぜ!!」
『(はは、そりゃな。)』
確かに厄介な呪文を使ったり地味に体力高い奴が多かったが
恐らく此処からはヤバい可能性があることを考慮して…
『じゃ撤退しますか。』
「ええ!?なんで!?」
そう驚いたのはミーネだった
いくらなんでも早いと思ったのだ。
それに都佑がムッとした
『よく見なさいよ、ゼルも体力削られてるし
此方の戦力もかなり減ってきてる。次の階段に入ったら
連続で敵に当たる可能性だってあるのよ?
回復だってもう残り少ないし帰るかメルル達と合流するのが妥当よ。』
「でも!ガウリィーやリナが上にいる可能性だってあるじゃない!!」
『助けるのに割り切るのだって!!』
嫌!そう言って前に進んだミーネに都佑が舌打ちして追いかけた
『…メラ!!』
そう威力を抑えきれずに撃ち放つメラ
人が見ればメラゾーマ並みの威力で、ゼルが目を開いてみた
『ミーネ!大丈夫!?』
そう怪我をしたミーネに回復魔法をかけようとした都佑に変わり
ゼルが回復呪文をかけだしたことで呪文をやめる都佑
「此処は俺に任せておけ。お前達は敵の相手を!!」
目の前に来たのは、何故だろう、ボスに見えた
最終階まで穴が開いているように見えたこの階は
もう後戻りできるところではなかった。
竜が落ちてくる、蛇みたいな、竜が。
メデューサにしては人間ではないし髪の毛が蛇ではない。
ただ、蛇みたいな竜なのは確かだった
ドラゴンはどちらかと言えばトカゲみたいに見えるが、
こっちは胴体が細い蛇に見えた
それに攻撃を撃ち放つ蛇の先には
ミーネが居て、私は咄嗟に動いて魔法をかけた
『ーっ、ダメ!!』
一瞬、魔法を防いだと思った
光は無くて、その代わり、何か鼻に入る痛い匂いがした
それは、鉄の匂いに近くて
ぼたぼたと落ちる音に、顔が青ざめた