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夢の微睡







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「へぇー神の力を使ってねぇ?」

「ふふふ、面白くなってきたわい」

魔王バーンが一部始終を見終えてこの魔王城に入ってきたのを見届けている中
声があがる

「闇と光のその狭間に生まれし子よ、我が力に砕け散るがいい」

++++++++++++++++++


「にしても、何でそんな、都佑貴方って神だったの?」

『馬鹿、んなわけないでしょ。これは光の神の力を使った呪文よ。
本物の人をぶち込んだら私の身体いくつあっても足りねぇわ。』

「でも都佑、背中?腰?から翼生えて…」

『恩恵よ。闇の魔法でさえも金色なりし力が身体を廻るんだから
光なら翼位生えても問題ないかなって』

「おおありだわ!!」

「にしても死んだかと思ったぞ、全く冷や冷やさせおって」

『へへ、これからどんどん皆の命そぎ落とすね!』

「そこに力注がずに敵に注いでほしいもんだぜ…」

そう走る御一行に翼の生えた都佑が飛びまくる
速度は一定で、まるで走るよりも軽いと言わんばかりの体力に
力を制御している事をポップは感じ末恐ろしい子と同じライバルとして
生活していたもんだと恐怖を感じ取っていた

『本当はね、武器を貰った時位から察していたの。
きっと私の知っている皆以上に変わるんだろうなって』

「都佑…」

『でもいいの。メルルがそれをぶち倒してくれた!
私ありのまま生きたい!もう考えて捨てないで
前を向いて歩くって、決めたんだから!!』

「なーんだ、都佑ってば、そうやって前を向けるんじゃない」

『へへ、こんな姿見せるつもりなかったんだけどね』

「本気でいかねぇといけねぇってボスなんだからなぁ」

『皆、私これまで以上に力を貸す。
その代わり呪文詠唱を止めないように防いで。』

『君達全員殺させない!』

「都佑!お前も死ぬと俺達がどういうか分かってるんだろうな?」

「そうだぜー?少なくとも俺はおめぇにメラゾーマ5つぶっぱなしても足りねぇよ」

えぇと不安そうな顔をする都佑に一同が笑いながら走り続ける
レオナが行くわよと号令をかけたことに、一同が声を一つにした



「待っていたよ、都佑?いや光の神よ」

『うるさい。その名前はもう捨てた身よ』

「いいや嘘だね。君は一つも捨ててなかった。
それに君にバーン様からご褒美があるんだ。」

ダイ達が傍に居ない事に
都佑の声が何トーンも低い声に驚き顔を見た

『貴様…!ダイ達をどこにやった!!!』

白い布の中に、真っ白な身体に真っ黒な髪の毛の少女が包まれていた
記憶にあった、優しい子の姿が、魔王バーンの腕の中で包まれ眠っていた


「あれ、何?」

「ほぉ?言っていないのか?
お前の事だからもうばらしていたと思っていた。」

ゆっくりと地面に降りた都佑が腕を構えて前に進む

『…悪夢の王の一欠けよ!!天空の戒めとき離れたし、凍れる黒き虚ろの刃よ!
我が力我が身となりて、共に滅びの道を歩まん、神々の魂すらも打ち砕き !!!』

神滅斬ラグナブレード!!そう言ってかかった都佑に
前に少女を持ってきた事に怯み動きが鈍った所を杖で殴り壁に打ち付けた


『…ダメ、やめて』


そう言っても、嬉しそうに笑う子に、
都佑の目が揺らいだ


「アレは心その者なのか。だから今まで放置が出来た。
君が普通に使えるものではないから。」

心がない。そんなときが度々あった
それを今、身に染みて感じる。
バーンは酷い事をしていたのだ。

都佑が生まれたと同時に、心を別にして
今までダイ達の味方に付きすぎれば
心そのものをいつでも殺せるということに



ボロボロと涙が零れていくのに困惑する都佑に、
何故泣けると問うバーン

「お前の心臓はこんなにもか弱いから折角わしが切り離したというのに…」

小さな子の首根っこを軽く掴んでいる感じがした。
そのまま潰してしまった方が、面白くなるのではないかと
思っているかのように、何処か見えて。

『(嗚呼、眼の中が熱くなる)』

ーやめて、ころさないで

そう言われた言葉に急に頭が痛くなる。

『っ!!やめて、聞かないで…お願い』

「力を求めて何が悪い?強さを磨いたではないか。
こんなか弱い感情を切り離したわしをほめて欲しいものだ。」

ーおねがい、都佑、ころして?

そう笑う少女に、都佑は目を見開き、絶望する

『っ!!駄目!気を強く持つの!!
貴方が、貴方が居なくなれば私は!!!』

ーいーの、もう、眠いの。

「人のコアが消えたら、どうなるか、見てみたいとは思わんか?」








+++++++++++++++++++++++++++++

戦闘の途中、ポップは脳内に急に広がっていく回想に
困惑するのに時間がかかった。

「いってー!なにすんだよ!!」

『うるさい。君が弱いから駄目なんだよ』

これは?そう思ったポップに写るのはいつしかの自分…?
走馬灯なのだろうか?都佑が走り出した姿に手を伸ばすも
布すらも掴めなかった手の行き場がないまま宙に止まる


「そんなこと言ってもよー俺ぁどーせ弱いままだよ」

『ポップ、私は貴方が羨ましいよ。』

「あ?なんでだよ!こんな弱いもんをからかうんか!?」

そう言った後の、寂しそうに笑う顔を、

一体どうして




思い出してしまうのだろうか?




「…都佑!!待て今行く!!!」


このまま走って行かないと、もう二度と都佑に会えない気がした。


++++++++++++++++


『っ!炎の矢フレア・アロー!!』

目を閉じ、バーンの身体に限りなく引っ付いて少女を抱きしめた
魔法は左右に分かれ背中につき怯んだ瞬間後ろに飛び跳ねたまま
地面に何度も打たれた

「おのれ…」

『へへ、君の声、ちょくちょく大きいんだからさ…
やめてよほんと聞かれたくないんだって。』

ーだって、思うのは自由でしょ?母上だって言ってたじゃない

『ほんと、私って馬鹿なんだよなぁ』

そう指をさしたキルバーンに、皆が目を向けた
その先には、少女の胸に赤い槍が刺さっていた

時間が、止まった感覚があった。


ーね!都佑!!私今、とっても幸せなの!!!

そう言った、少女は、今笑っている?

赤く燃えた目の奥に何かが宿る。
嗚呼、熱い、背中がとても、あつい。


++++++++++++++


「ダイ!ヒュンケル!!」

「ポップ!!」

合流した味方に、一人居ないことに焦りを感じるポップ
都佑の姿がいないのだ。
それにキルバーンがすぐに目の前にやってきた

「へぇ、前菜は終わったようだね?」

「お前!キルバー、」

其処に浮遊していたのは、真っ白の衣装に包まれた者がいた
黒髪が長髪になり、目の色が真っ赤に染まっていた。
背中から、大きな歪の羽根模様がでてきており、正気ではない事は確かだった。

突如ポップの前に大きな物理攻撃を入れる少女に
ポップがキルバーンに向かって叫ぶ


「てめぇ…!!都佑になにしたぁ!!!」

「いやだなぁ、僕はちょっとお手伝いをしただけだよ。
バーン様が折角この子の要らない所を取り除いただけなのに。
にしても恐ろしい魔法力だよね、味方につけて正解だ。」

ニヤリと不敵に笑うキルバーンに対して、
都佑がポップの正面から切りかかる

「っ、おいしっかりしろ!!」

そう威力が馬鹿にならない位押されるのに、ヒュンケルが加勢に入ってなんとかなった。
助かったとポップが礼を言うも、ダイやヒュンケル達の目がキレていた。

「貴様、俺達の妹弟子に何を吹き込んだ…
今まで感じ取ったことのない悪を感じるが…?」

「吹き込んだ?いやぁ悪い事を言うなぁ。
僕はちょっと触れただけなのになぁ。」

この子の大事にしている、小さな子に触れただけなのに。
そう笑うキルバーンにヒュンケルが飛び掛かるも
都佑が防御に回ってキルバーンに攻撃されないように庇った

目の色が赤く染まっているだけでなく、魔法力も瞬発力も
数時間前に見ていた動きより数倍もキレが良く
まさに強敵としてはばかっていた。

「都佑!!お願い!!目を覚まして!!」










ー都佑、もう、わかって、るんでしょ?

そう手を出す少女
布で包まれていたからか、布が剥がれ落ちることで
手の白さがただ皮膚が白いだけでない事を知らせる

ーなか、ないで?

『っ、ぐっ、ばか…ない、てっない…』

ーいやだ、いやだ、しなないで。

そう言った。強く、感じたから。
白が赤く染まっていくのに、ダイ達が寄り添い盾になるように前に出た

「ポップ、お前は後ろに行け」

「嫌なこったね。折角心開いてくれたと思ってたのに、こんな仕打ちされて
黙っていられるかってーの!!」

「都佑、今回復呪文を」

ーだめ、精神は、きかない

そう首をふる少女に手をかざしたレオナが目を開き絶望する


『いや、いやよ…私、まだ貴方みたいに強くなんて、!』

ーいいの、もういいの。

「こんな調子じゃあ切り札も使えないねぇ」

「てめぇ…まさかそれを最初から分かって、」

「そうって言ったら、どうする?」

そう笑うキルバーンにポップが走り出した

マァムが加勢すると言ってポップの傍に来た
背後に都佑が少女を抱きしめている状態に
戦闘が出来る者で敵の処理として分断した

レオナ、ヒュンケル、ダイが魔王の元に
キルバーンはポップとマァムで

都佑はずっと少女を抱きしめて回復もせずに泣き続けていた


ーたたかっ、て?おねがい

『なんで、なんで…私が、私が消えるべきなのに』

ー都佑、その名前がふさわしいのは、貴方の方なのに

言ったでしょう?死ぬわけがないと。

そう言った少女が立ち上がる
確かに血が沢山流れていた筈なのに
目を逸らすべきでないのでは?

そうキルバーンの攻撃にポップやマァムが切り返す


『ダメ、それ以上しちゃ』

ー都佑、最初から離れてなんかいなかったのよ。ずっとここにいた。

なんで痛みが消えていくのか、わかる?

そう言った少女に都佑は驚き身体を止めた
ローブのように大きな布を背中からかぶさっていたものの
頭にかぶっていたものがずれて顔が現れる


「っ!!」

「本当に、そっくりだな」


髪の毛が少し短い位で、都佑の身体とほぼ同じであった
銀色に輝く眼が透き通っていたのに、本来の姿は
純粋な女の子だったことを知る


『だめ、だめよ、そんなこと、しちゃだめ!!』

ーいいの。ポップやマァム達を、助けて?

そう言った少女は名前を呼んだ


『っ!!』

ー好きよ、だから


『嗚呼、分かったって…ならやってやるよ。上手くいくかわからないけど。』

死ぬなよ?そう言った都佑に自信ないと答えた少女
それでこそ私だよと言い切った都佑が立ち上がった


「ちょっと、まずいねぇ」

「おっと!いかせるわけねぇだろ?」

「そうよ!都佑を倒したいなら、私達を倒してからね!!」

「こっの…ガキが!!!」



『たとえ力が半減したっていいよ。君が居なくなって、私は思ったんだ。』

ずっと心に穴が開いていたことに

ー都佑、あなたの気持ちずっと伝わってた。

『貴方が一緒なら、もう大丈夫。何処にだって行けるさ。』

「そうだね!!地獄に突き落としてやるよ!!!」

「都佑!!逃げてーーーーー!!!」

そう聞いた声に、都佑が振り返った
突如少女が頬にキスをする
耳元で、声がするのに、何処か遠い。

眩い光の元、死神の鎌が振り切る事は、無かった




『全く、本当に危ない事してくれるじゃん?』

「っぐ…貴様」

『彼女を取り戻してくれて、ありが、と!!!』

そう杖を出し肉弾戦にかける
そのスピードに速い、とマァムが声をあげた


『君が、今、生きているから!!!』

燃える。心が熱い。これを皆いつも持っていたというのか。
そう都佑は笑って言葉に出す。


『きえろおおおおお!!!!』

そう言って切ったのに対し、わめく小さな者に目を向けたが
一時撤退されて地面に膝をついて倒れた都佑にポップとマァムがかけよった


「都佑!!都佑しっかりして!!」

『へ、へ…あ、マァムだ…も、う意識、きえちゃ』

「何言って、んの?都佑!?」

『嗚呼、消えちゃ、ダメ…わた、しが消えないと』

「!そうか、都佑おめぇその子を切り離したのは、おめぇの心があったからか!!」

本来肉体と精神は一つずつあるもの
だが、都佑は一時的に精神を切り離されて何も考えなかった時期があった
その中で、傷付きながらもポップ達と会話をすることで徐々に芽生え始めたのだ

精神が、芽生え、二つ目の精神が今
元々あった精神に食い殺されようとしている

だからいいのと言ったのだ。
少女は、都佑が望んだ心で生きて欲しいと思ったからだ。


「どうすれば、どうすれば都佑が元に!!」

「そりゃ、都佑が一番どうしたいかに、かけるしかねぇだろ…最悪、死ぬ事だって」

「ポップ!…都佑?」

そう言ったマァムに抱きしめていたマァムが声を出した

『まぁむ、ぽっ、ぷを、すき、で、いて?』

目を開いた
そんな事を言うなと言うのは
きっとこの子に対してを言うのだと

ダメ、意識を保ってそう言うマァムに都佑は笑う
言わないで本当に死にに行くつもりだ
彼女は、最後の最後まで、元々あった感情を望んでいた。

だが、それは今まで過ごしてきた現実を忘れるということ
それはつまり、それは、今までマァムやヒュンケルのことはおろか



ポップとの時間も忘れるという事になる




「駄目よ!貴方!!言うべきなのよ!!!私なんかより!!ずっと!!」

「マァム?」

『だ、め…ね?』

そう言う都佑にマァムは涙を零した
ずるい、ずるいのは貴方よ。そう言って泣く

ポップそう言った都佑にポップは目を見た
不安そうな目ではなく、前に見た目だった。

優しい目、不安を消し去る目。

『マァム、の、こと、す、き?』

「都佑!!!」

「…嗚呼、好きだぜ、何よりも」

そう言っててを取った瞬間、都佑は目を開いた
絶望した様に見えたのも束の間、嬉しそうに笑って言った


そっかぁ。それなら、もう、大丈夫だ。


そう一筋の涙を流して、意識を手放した。
銀色に光り輝いていた魂が、消えた。


「いや、いや!いやああああああああ!!!!」

「なぁ、都佑?おい、眼、あけろよ、嘘だよな?おい、なぁ!!!おい!!!!」

嬉しそうに眼を閉じて笑っている
一瞬心臓が止まったかと思い、マァムから都佑を引きはがし
自分の耳で胸を当て音を確認した

ドクドクと言っている音に、一気に安堵を零すポップだったが
マァムから平手を受けた


「な、にすんだ!!マァ」

「うるさい!この大馬鹿ポップ!!!都佑は…都佑は、死んだの、死んじゃった、の。」

生きているのに?
こんなにもドクドクと音を立てているのに?

「なに言ってんだ?マァム、だって今こうやって心臓の音が」

「馬鹿!!今まで過ごしてた、都佑の記憶が、消えたの…本来の感情を、精神を戻す代わりに、」

そう言ったマァムにポップは絶望する
嬉しそうに笑った都佑の笑顔を思い出す

つついてくるお調子者の都佑に
ポップと似ているとダイに言われた時
うるさいと赤らめていた都佑に

一緒に旅をしていたことすべて


「うそだろ?なぁ、マァム、なんでそれを」

「わかるの、分かるのよ…だって、」

『…ポッ、プ?』

そう目を開いた都佑にポップやマァムが顔を覗く
マァムが言った事に、ポップは気付いた


ーその顔でいれば好きな男もいちころだろうよ!

「都佑?」

『なぁに?ポップ』

そうきょとんとした顔に、ポップは都佑を抱きしめた
強く、強く抱きしめ、どうしたの?という声に
思い浮かぶ今まで立ち向かった子の想いを、ぶちまけそうになる。


『どうしたの?マァム?ねぇポップが泣いて…』

「っ、ええ…どうしたのかしら、ね?もう泣き虫なんだから」

『マァム?…あれ?都佑は?』

そう言った言葉に二人が固まる
きょろきょろとする姿は先程迄みていた少女と変わりなかった

「都佑、は」

『ねぇ、いないの…もしかして、あの子まさか』

「ねぇ何処かにいない?何処でも良い、都佑いないの?」

マァム、そう言うポップの低い声にだってと声をあげた

それじゃあこの子が悪いだろうが!!そう言ったポップに
都佑である肉体の子がびくりと飛び跳ねた

嗚呼、こんなに驚く姿も、全て偽りだったのだと思うと
何処かあざ笑えるところが出てくる

いやもしかしたら、あの瞬間だけ見ていたのかもしれない


『ポップやマァムの事知ってるよ?だって会ったじゃない。』

「え?何を」

「嗚呼、知ってるぜ…ったく、あの馬鹿とんでもねぇ呪いかけやがったな」


ー都佑、どうかお願い。私の願いなの。

「本当に、血を使わねぇといけねぇ手段作りやがって」

ー今から会って欲しい子がいるのよ。きっと数分ならそこから抜け出せれるわ。

「なんで、おめぇは大事な事もっと相談しねぇんだよ、」

ーこれから会う子はね?優しくて、強い、勇気のある子なの。

『都佑、言ってた』

ーあとね、もう一人、女の子を紹介したいの


『二人紹介するって。一人は優しくて強い勇気のある子だって。』

「ーーっ、」

ーもう一人はね、

『一人は女の子で優しくて可愛くて、良い子だって。』

「都佑、なんで…」


『言ってたの。』


ー私の自慢のお友達だから!!


そう言った都佑に、ポップとマァムのアバンの印が光り輝いた


「ああ、マァムおめぇも思ったか」

「ええ、当たり前じゃない。」

そう強い目で二人は頷いて都佑をみた
優しく、強い、何かを信じる目で。

「都佑、おめぇ何か伝えたいこと、あったんだろうけどよ。
早く言わねぇと俺が先に伝えるぞ?ほら強く思え、感じろ。」

「貴方なら出来るわ。本当は忘れたくなんてないんでしょう?
私、こんな勇気のあるポップを見続けるなんて無理だわ。」

『マァム?ポップ?』

背中を支えるマァムにポップは頷いて頭をマァムの耳元にくっつけた

こんなところで、うずくまる人じゃないって
諦めちゃ駄目だって、最初から諦めようとしていたんだって
バレてるって、そう言う

都佑の目が曇る。銀色が薄くなっていく

真っ黒で、キラキラしたあの目を


生きたいと思ったのは、一体どちらの方か。



叫べと言ったのは、一体誰の方か。



応えは貴方が一番知っているだろう。




『都佑…ほら、貴方こそ、生きるべきよ。
こんなにも貴方を愛してる人がいるんだから。』

言いたい事、言わずに逃げるなんて、しちゃだめよ。
そう瞬きした都佑の目に光が変わる


『…ほ、んと…ばか』

「都佑!!気をしっかり持て!まけんじゃねぇ!!!」

「都佑!あんたはやくしないと先に言われちゃうわよ!!」

『な、にが…いいよ、私、言わないって、いっ、せっかく、らくに、なれるって』

「馬鹿!!おめぇが封印してた魔術なんてとっくの前に解いてんだよ!!」

そう言ったポップに都佑が目を開いた






「頼む、帰ってきてくれ、都佑…俺、おれぁよ…本当は、おめぇのおめぇのことが」




だめ、それ以上言ったら、私きっと







「おめぇがすきなんだ」






二度と戻れなくなってしまうから。

































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