Novel - Paola | Kerry

it's just you


見て覚えるな

20/09/15
100

前回のあらすじ
魔女集会に呼び出しされました。

チャイムが鳴り響く校舎内
其処に二人が黒い装束に身にまとい準備が整ったのか
メルがよしと声を出した

『オリアス先生準備良いですか?』

「こっちは大丈夫いつでも行けるよ」

『ではバラム先生、此処の鍵開けといてください』

多分夜中に此処使うんで、イフリート先生にも
一応メールで伝えていますが念のため伝えて置いて下さい。
そう言ったメルに、分かったと一言バラムはうなづいた


「気を付けてね。何かあれば僕にも連絡頂戴ね。」

『ありがとうございます。それでは!
スクーパ!!オズを箒に乗せてくれない?』


そう言って手を叩いたメルに、
何時も使用しているポシェットとは
また違う黒のポシェットを背中に回していたのか背中から
箒がメルの前に飛び出て原寸大に戻る

箒にしては一回り大きいサイズに見えたが
縦から横になり、すっとオリアスの前に出る
それにメルがまたがっても良いよと頷いた

オリアスは後ろの方に乗り
メルはオリアスの前に箒にまたがった後
気付いたようにオリアスに一枚の黒の仮面を渡す

左目から耳までを隠す黒い葉っぱの様な斜めの布に
それつけて置いてと言ってメルがお手本の様につける

「これは?」

『それ付けないと他の魔女に食われるかもだから』

「「くっ!?」」

『そいじゃ後宜しくお願いします!!』

スクーパ!そう言ってふわりと
浮き出した箒にバラムが目をキラキラさせる


『“魔女集会”に向かって飛べ!!』


突如箒が急発進して窓から飛び出していくのに
思わずオリアスは箒の持ち手部分に置いていた手を
落ちそうだったのもあってメルの腰部分に手を回す

メルはメルで両手を持ち手の部分に
しっかり持ってそのまま笑って飛び出した

帽子が落ちそうになったのは
オリアスが片手で自分の帽子を持ち
身体をメルに寄せることにより
メルの帽子が外れることは無かった。


ただ勢いが余りにも激しくて
速い速い速いと連呼するオリアスに
メルは笑って飛び出した声が
準備室からも遠くなりつつも聞こえる


「…気を付けてね」

そう言ったバラムの声は届かず、ただ空に消えていった


++++++++++++++++++++++

魔女集会に向かって飛び出してから10分
何処まで飛ぶのか分からないが、
とりあえず真っすぐ飛んでいるのに
方角は此方であっているのかとため息を吐くオリアス

最初だけ速度は速く、途中から慣れたのか知らないが
落ち着いてきたのには都佑も笑って答える

『多分まだまだですね』

「その間に聞きたいんだけど、一体何を話すの?」

『んー本の内容によると、魔女になったきっかけとか
どうしてこの悪魔を使いたかったのかとか?』

「えっ何面接なの???」

いや食べ物とか出る話もあったのでー飲み会?
そう言ったメルに大変だねぇとオリアスは苦笑いした
他人事であるものの、君も間違いなく標的になるよ。
そう思いつつもメルはふと魔女になった経緯を話す。


『私未だに魔女見習いって気分なんですよ。
何か急に魔女のはがき来て、
一体何時魔女になったんだって思って。』

「それも何かヒント貰えるんじゃない?」

『ですかねぇ〜あ!なんか黒いモヤありますよ!!!』

「ねぇ待ってアレつっこむの?」

そう言ったオリアスにメルは
らしいですねと高い声で答える


間違いなく面白がっている声においおい嘘だろと
オリアスは引きつりながらも笑う。

その黒い霧のようなものには光がキラキラと入っていた
下手したら雷雲ではないかと思うのを
よそにメルがツッコむ

逃げたいのは山々だが逃げれないので
覚悟を決めてぐっと力を入れて
目を閉じたオリアス

霧の中に入って少しすると
肌に触れていた霧が無くなり
ただ風が来ないのに目を開ける


メルが止まって前を向いていたのを
後ろから覗いて確認した後
オリアスもまたメルが見ている方向を向いた


其処には大きな樹が一本生えており
周りから箒にまたがった魔女たちが
木の方向に向かって飛んでいたのだ

とりあえず向かう方向に飛ぼうと
言ったオリアスにメルはうなづいた


魔女を避けつつ、メルは木の枝側に降りた
箒をポシェットに仕舞い、
オリアスがでけぇと言った言葉に
メルもまたうんと頷いた。

「ここが、魔女の集まり?」

『うん、多分』

「お!君達見ない子だね〜!
ひょっとして新規の子!?」

『ひぇっ!!』

そう急に後ろから話しかけられたのに
メルが声を上げて距離を取った
オリアスもまた驚いて数歩後ろに下がったが、
メルはオリアスの後ろから
ひょこりと顔を出していた


目の前にはピンクの髪色がウェーブされた
髪の長い女性が全身黒装束に身をまとっていた


「そちらが契約悪魔の子!?
すっっっごい優秀そう!!」

『あはは、ありがとうございます。
あの私此処初めてで良ければ
ご一緒に居ていだたいても構いませんか?』


「うん!良いよ〜!あ、飴ちゃんいる?」


そう言って飴を出すその元気さに
黄緑色のストレート髪の彼女を思い浮かべたのは
メルだけではなくオリアスもまた思い出していた。

「アタシの名前はリンだよ!
こっちは悪魔のリオン!」

あ、悪魔は苗字は厳禁ね!名前だけだよ!!
そう言ったリンにメルは大きく頷いた

「え?魔女は?」

「魔女は苗字も名前も違いますよ?
本名を教えられるのは契約の悪魔だけですよー」

いやーそんなことする訳ないじゃないですかー
そう笑っているリンが段々笑顔が消えていく

「…あれ?」

「メル…?」

脂汗を流しまくっているメルにリンが
「後でちゃんと話しておきなって」とフォローを入れた


「まさか本名を知られると死ぬなんて
古い話を知っている奴に会うとは…」

リオン!そう言ったリンの後ろから
出て来た悪魔はオリアスよりも背が高く
強いて言うならイチョウと同じような身長だった。

髪色は赤く、ストレートな髪色で何処か
イチョウとツムルを足して
二で割ったみたいな顔にも見えなくもない。

「リオンと申します。本日はうちのリンが
ご迷惑をおかけすると思いますが、
何卒宜しくお願い致します。」

「いえいえ!」

『とんでもないです…あ!私の名前はメルと申します。
こっちは相棒のオズワルドです!!』

「いや違うってオズワールだって」

ごめんってえええええそう泣き声になるメルに
テンパっているが見えていたオリアスは
分かってるってとメルを落ち着かせる
それを見てふふっと笑い出したリンにメルが固まる


「ふふっ、仲良しな方で良かったです。
悪魔と契約をするだけの
仕事都合の魔女は多く存在しますから」

『え?悪魔さんとお友達になったりしないんですか…!?』

「…オズワール様本当に
レアな魔女をお引きになりましたね。」

運良すぎません?そう口を手で覆うリンに
オリアスは苦笑いして頭を少しかいた

「魔女は基本的に利害の一致で成る者です。
悪魔もまた心を開くことは珍しく、
お互いが理解すればする程
魔女も悪魔も力を強めると聞きますが…」

「え、そうなんですか?」

「え?はいそうですよ。オズワール様
メル様と契約をしてから
何か調子って変わりました?」

「えっ…どうだった…?」

そう悩みだしたオリアスに
深く考えなくてもと笑うリン
それにリオンがため息を吐いて答える

「そりゃ個人差あるから何とも言えねぇだろ。
まぁそんな話はさておいて中に入らせよう。」

そんな話は移動しながらでも出来るだろ
そう言ったリオンに
メルやオリアスもまた頷いた


移動を開始したリオンに続いてリン
リンの間にメルとオリアスが横に並んで進む


「此処は一体何処ですか?」

「此処は魔女集会の場
星明りの楽園スターライト・アトランティス”」

魔女と悪魔の集う
会議の場所でもあり宴の場所です!!

そう言って木の中に入った
メルとオリアスの目の前には

木の中は空洞になっており、
木の縁の部分を沿って階段と本が敷き詰められている


中央には幾つかの円が浮かんでおり、
所々上からつるされている鎖が見えた


円には円卓と本が幾つか乗ってあり、
椅子に座って悪魔らしき者と
魔女が交互に座って会話しているのも見えた


階段は上まで繋がっており、
どうやら枝の方にも会議施設があるとか


「上に向かえば緊急会議のカードを持つ者のみが入れます。
メルさんの方にそんなカード来ませんでした?」

何色かによっては緊急度が変わるんですが。
そう言ったリンにメルはポシェットから出して見せる


『あ、これなんですけ、ど…あれ?リンさん?』


そう聞いたのにリンが固まって動かなくなる
申し訳ないと言いたそうな顔にメルは首を傾げた

「あら、低俗がよく口を出したわねぇ」

そう言った声が上から聞こえたのに顔を上げる

『…貴方は?』

「そのクズを処罰するために来たのよ
…貴方様に無礼を犯したという」

びくりとはねる身体をそっと
オリアスが前に出てリンを隠す


メルもまたオリアスと一緒に
前に出て空中から話す女性に目を向けた


『おやおや!無礼なんてとんでもないですよ?
…貴方よりかはかなりマシだと思いますが?』

「っ!!なんですって!?」

「彼女は私達に案内をしてくれています。
それの何処が処罰の対象になるのか…
来たばかりなのでお教え願いますか?」

そうオリアスが睨むのに、
メルもまた彼女を睨んでいた



これ以上この者に危害を加えるな。



さもなくば殺してしまうぞ。


そう言いたそうな圧に、
怯み、女性が尻尾を巻いて逃げる。


それにふぅと言って
メルはオリアスに向かって笑う

『やるじゃんオズ〜!
めっちゃ怖がって逃げたよ!!』


「いや、メルちゃんの方が
明らか殺意増し増しだったよね?」




アレ誰でもあんなんされたら
怖がるってそう苦笑いするオリアスに
メルはケラケラと笑って居ると、
どうしてと細々とした声が聞こえた




「どうして私なんかの為に!!」



『なんか?んー私はね、リンさん
貴方が声を掛けてくれて嬉しかったから!』


きっと彼女は同じ立場で会話したかったのだろう。



その気持ちが伝わったから、
だから敬語も抜きで話してみようかな

そう思ったから

彼女の守らなかったから処罰する話をもみ消したのだ。




「そうそう、それに急に来て
罰するなんて理不尽にも程があるからな」

「オズワール様にメル様…!!!」

『もー様要らないって!
私達、お友達にならない?』



そう手を出したメルに潤んだ目を
にっこりとした笑顔に変えて
はいと答えたリン



リンはメルの手を握って握手をする。



それにオリアスにすまないと言ってリオンが入る
良いと言ってオリアスは手を上げて首を横に振った



「オトモダチって友好な証になるんだろ?
色んな所の知り合いが出来るのは
此方としても好都合だ。」


「…貴様も変わっているな。
主が世話になる。」


「此方こそ、主が世話になるよ。」


そう握手をするオリアスとリオンに
メルとリンはにこりと笑った

移動しよう。


そう言ってメルが
前に出るのにリンもついて行く
上に上がると聞ければ話は速いからだ。


『にしても魔女にランク付けってあるの?』


「いえ、基本的にはありませんが
魔力の保有量によって差別的な文化はあります。
メルさ、メルは魔力の保有量が
すさまじいのは分かっていますので。」


『え?何処で判断してるの???』


「魔力の保有量は髪の長さと
目の色あと印の色合いで判断できますよ?」


『え????何それ聞いてないんだけど』


そう言ったメルにお教えしますからと
苦笑いするリンにお願いーーと
メルが泣き声で頼む。


「髪が長い程魔力を保有している証拠になります。
今まで長い子でしたら足まで付いている魔女も居ました。
まぁ其処まで魔力を保有しても維持するのが難しいので
基本的に丁度良い魔力量が見つかれば
その髪の長さをキープしますよ。」


『へぇーーー私ずっと伸ばしてるんだけど、
だから徐々に使う量が増えてるのか。』


昔は髪の毛の長さがほぼ無いに等しい程短かった。
坊主まではいかないが、
指の第一関節位の短さ位だった。

其処から約4年は髪を切っていない為、
今ではもう胸の位置より
下位まで伸びていたのだ。


「重要なのはその目と印の色合いです。
メルはどちらにあるんですか?」

私は左の二の腕に
そう言ってリンが見せる

そこには見たことない
悪魔の印が白く描かれていた


「この印の色が濃ければ濃い程
悪魔の力が強い証拠です。」


『私確か首元だったから見えないんですよね…』


「…わぁお」


そう見たリンが声を出す。
え待って?何色なん??白?白だよね?
そう言ったメルに違いますと
片言で答えられた気がする。


「…赤、だな」

「赤だね」

「赤ですよ」

『赤ってどのレベル?』

「上から数えて三つ目ですね。
悪魔のランクで言うとケトです。」

上から
10ヨド 青
テト 金
ケト 赤
ザイン 緑
ヴァウ 紫
ヘー 黄
ダレス 橙色
ギメル ピンク
ベト 白
アレフ 黒

の順番に色が変化するらしい。
何故一番上が青なのかは知らないが。

「初期の魔女でそのレベルは凄いんですよ…?」

『え?でも契約した時黒かった気がするけど…』

「ああそれは見習いの時の話ですよね?
あの時は感情によって
左右されるので実質意味ないです。」

『意味ない』

「魔女として生きる為に
契約完了呪文を唱えた者の言葉で
光ってそのまま幾つかランクが
下がってその色合いになります。」

『ひかる』

あれ、確か青い光あったよな????
…キノセイダヨうん。

「はい。少なくともメルはケト以上となります。」

「え?俺より上なの???」

「悪魔の魔力は確かに反映はされますが、
この場合は魔女本人の素質があるかないかの話です。
メルは魔女の素質があるということです。」

ちなみに何色でした?そう聞くリンに
メルはぼそりと青と呟く
それにリンが顔を青ざめる

「えっちょまっよよよよよよよよ!!!!」

『違う絶対違うから!!アレ多分ほら!
そう他の魔術だって!!!』

「基本的に光る呪文は無いから無いな諦めろ」

『ちょリオンさん!?
やめて!?!?
サンチピンチだから!!!』

主に魔女二人が!!そう言ったメルに
オリアスは苦笑いするしかなかった

「成る程だからそのカードなんですね」

『これかなり危険なの?』

「基本的に魔女のマークが入っている
スタンプは見たことがありません。
緊急でも黒色に赤の筆跡がある筈なんですよ。」

ということは前代未聞ということか?
そう言うメルにええとリンが答えた

「にしても私は扉迄のご案内しか出来ませんが…」

そうリンがそっとカードを取り出して口を隠した
リンのカードは白色で黒字に文字が書かれているだけだった
確かにメルの持っているカードとはまた違っていたのだ。

「あ!此方になります」

そう止まったリンの前には大きな扉が自分たちの道を立ち塞いでいた
ではそう言ったリンが下がるのにメルは待ってと止める

「なんですか?」

『あの、今度遊びたい…からその』

「ふふっ、分かりました。ではこれを」

そう言ってリンが一つ花を渡す
アネモネだろうか?その花を持ち
小さくしてオートキープを
かけておいてくださいと言われた

「そちらを持って東に進めば
私の家に飛べるようになります。」

『っ!ありがとう!!今度絶対行くから!!』

「ええ!その時は是非オズワールも来てくださいね」

「ああ、予定が合ったら一緒に行くよ。今日はありがとね」

とんでもない!そう首を横に振ったリンに
メルはそうだと言ってポシェットから一枚の紙を渡す
念を入れて紙が青くなったのをこれは?とリンが首を傾げる

『さっきみたいにいじめられたらコレ
見せて“うるさい”って言って?
きっと貴方のお守りになるから!!』

「…わかりました!」

ではそう言って走っていく彼女を見守りつつ
オリアスは何であんなの渡したの?と聞いた
それにだってとメルはオリアスの方を向いて笑う


『あの子はオトモダチだから…ね?』

「…恐ろしい子引き当てちゃったな俺」

『ふふっ運、良いんじゃない?』

「るっせ」

行くよ。そう言ってメルがポストカードを扉の前に落とす
すると落ちたカードの角が床に当たり、水面が揺れると
扉が開くと同時にカードが燃えて無くなった



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