「あ。気付いた?」
『えっ?あっ休憩終わりました?』
いつの間にか眠っていたのだろう
メルは飛び起きる様に身体を動かした
体感1時間はあった気分だったが
何時もの広い体育館で、
教師達が軽く運動していた
どうやらメルの動きを見て
追い抜かれてもと思ったらしく
自主練し始めたとか。
『(さっきのがもし現実に起こるのなら
私はもっと強くならなきゃ)』
集中できるようにしなきゃいけないし、
皆の動きをより深く見なければいけない。
私はじっと教師陣が戦っているのを見ながら
ノートを取り出してお腹を床に向けて
肘で身体を起こしつつ前をみるのだった。
+++++++++++++++++++++++++++
疲れた〜そう言って帰ってきたのは
入間も暮らすサリバン家だった
メルの声に、お疲れ様ですと
オペラが出迎えてくれた
「おやオリアス先生
メル様?今日は一段と
…まぁ、頬に傷が」
『え?嗚呼これ避けたからかな?』
「よけ、何かあったんですか?」
『うん。イフリート先生とか
他の先生と体術練習。』
「すいません。
一応止めはしたんですが…」
あと火炎使ってる所見せて貰って
攻撃してもらってたらこうなった
そう言ってジャージ姿だった
メルの服に上着がかぶさっていたのは
あまりにも火炎がギリギリだったもので
「言わんこっちゃない!!」と言って
オリアスが自分のパーカーを着せてくれたのだ。
申し訳ないと言って
イフリート先生がわざわざ謝りに来てくれた。
それにメル様を傷物にした
覚悟はありますかね?と言うオペラに
メルがぎょっとして身体を大きく跳ね上げた
『ちょっ!?おおおおオペラ!だだ大丈夫だから!!
ほら!二日位したらかさぶたになって良い感じに剥がれて
元通りになるから!!』
「メル様、貴方も貴方です…
どうしてまた火炎というものを…」
『いやーつい調子に乗っていけるかなって!!』
「間近で見たいって言われても
今後当たるのは他の教師共にしますので…」
「いや別に命に関わらない限りでは問題ありませんよ」
こちらとしても扱いて貰うのは歓迎ですと
言ったオペラにオリアスとイフリートはほっとした
「当たりに行ったでしょう」
『げっバレた』
「貴方という方は…
全く他の方が青ざめることを
軽々とこなす所は尊敬できませんよ。」
褒められたーと言うメルに、
全く褒めていませんと
笑わないオペラにメルは笑ってみる
ため息を吐きつつ、
お世話になりましたと言ったオペラに
それではと二人は夜空に消えていくのだった
『ね、オペラ先輩』
「なんですか?」
『今日も良い一日だったよ』
そう言うメルの笑顔に
拍子抜けしたオペラが目を丸くした後
そうですか。とほほ笑み返した。
「今日はハンバーグです」
『まーじで!?やったーー!
え入間君もう食べた?』
「はい。メル様の分は
取って置いてあります」
『じゃあ早く食べて〜
終わったらメモしてきたの纏める〜!』
「その前に手を洗って下さいね」
そう言われてメルは
はぁーいと伸びた返事を返して
小走りでお手洗いの方に向かうのだった
+++++++++++++++++++++++++++
『にしても結構出来ること増えたなぁ〜』
そう思いながら
朝食を食べていると入間から声を掛けられた
「メルお姉ちゃん!
学校の子と遊園地行ってくるけど
…一緒に」
『あーーめっっっちゃ行きたいんだけど
…今日ね、マルバス先生と約束してて…』
マジごめんそう謝り、
今度良い場所連れて行ってやろうと決意したメルは
途中まで入間達と一緒に行こうとおもっていた時だった
「あー!オリアス先生だ!」
「お!リードちゃん…に、え?
何何?アブノーマルクラス殆どいない?」
何事?と帽子を上げるオリアスに、
クララが説明しようと前に出る
あのねー!遊園地いくのー!その声に
オリアスが成る程と
顎に手を置いて納得している頃
『わわっ!オリアス先生!!
こんな所まで何で!』
「理事長から通達でね。
オペラさん理事長それでは
暫くの間お嬢様をお借りします。」
そう帽子を取り胸に置いて
おじぎをするオリアスに
何事と周りがざわつく
「どどどういうこと!?
メルお姉ちゃん
帰って来なくなるの!?」
『いやいや、二週間位特訓に
学校で寝泊まりするだけだから…』
「え!?先生所に!?」
「いやいやいや流石にうちの男性寮に泊め続ける訳ないでしょ…
女性寮にちゃんと予約取ってるからね。そこら辺は良いとして
それじゃお先に失礼します〜」
『えっ?あっ、ちょ、きゃっ!』
なんで生徒の前で
抱きながら飛んでくのおぉおお!!
そう雄叫びが遠くなりつつ
オリアスの笑い声と共に空に消えていく
それを見た後、
入間達は遊園地に向かって行くのだった
その頃、軽く拉致る形で
飛び出したオリアスとメルは
『にしても荷物沢山あるのに置いてきちゃった』
「ああ、もうオペラさんが
運んでるって一応聞いてるよ」
『(あの人何時届けた何時!!!)』
寝ている時以外予想付かないのだが、まぁそれは良い。
問題は荷物としてもリュックを肩に軽く掛けつつ
空を飛びだしているこのオリアス・オズワールだ。
全く、いきなりお嬢様とか言っちゃってビビったわ。
生徒が居たからかっこつけたかったのか知らないけど
普通に見惚れちゃって
姫抱きされるとは気付かなかったわ。
メルちゃん一生の不覚です。
「にしても良かったの?
入間君のこと断って」
『え?あ、ああ…本当は
ちょっぴり行きたかったですが
生徒同士の付き合いもあるでしょうし、
オペラさんが同行するって
聞いたのでもう間違いなく安心と言いますか…』
「あー成る程。」
『寧ろその遊園地の埋め合わせを
する為に後で他の皆さんから
何処か遊べる場所教えて欲しいもので
…私疎いんですよ。』
知ってる。
そう言ったオリアスに
メルは少しため息を吐いた
「そういや高い所って平気?
駄目だったら目瞑っててもいいんだよ?」
『あっ、いえ…落っこちても
オリアス先生受け止めてくれるんでしょう?』
それなら私は安心というものだ。
というかそのつもりでいたのだったが、
きょとんとした顔で
此方を見たオリアス先生にメルは首を傾げた
「〜っ、あの、ね…
ほんと君って子は」
『ん?』
「まぁそうだよ。
受け止めるから。
酔ったらいってね?
スピード上げるよ〜〜?」
スピードという単語に
疑問を抱くまで三秒
『えっ?』
そう言えば私ジェットコースター的な物に
慣れているわけではない。
どちらかと言えば苦手で、
不規則に動かれるととんでもなく怖い。
はいと言ってオリアスがメルの腹の方に頭を下げる
どうやら帽子を預かって
欲しいらしく、
メルはそっと帽子を手に取って
どうしようかとまじまじ見つめ合っていた
「そぉれ!!」
その言葉で急激に速度が
速くなっていくのに驚き
メルは安心して
自分の胸元に置いていた手を
オリアスの胸元にしがみつき
目をぎゅっとつぶった
ちゃんと帽子は片手で
抱きかかえるように持っているが
他が心配である。
私死なない?
大丈夫?
速度が速くなって
髪の毛が頬に当たって多少痛い
こんな時丸坊主なら良いのにとか
都合のいい事考えた
ー気持ちいいかい?**。
何故か雑音が入る音に、
疑問を抱いた。
白い枠の上に身体を乗り上げ、
風を直に受けて笑い声が聞こえる
一体これは何の記憶だ?
『(なんで?)』
目を開けると何もなく、
オリアスが抱きしめたまま
空を右へ左へと揺れながら飛んでいた
多分だがあと10分もせずに到着するだろう。
目を閉じて鮮明になっていく情景を見るのが何よりも恐ろしくて
私は怖かったが目を開けて
下や前を見る努力をすることにした。
『(今の、誰だったんだろう?)』
黒髪の男性が凄く優しい声で声を掛けてくれた
あの時間、とても嬉しかった気がする。
なんでだろう?
「ほら、もう着いた」
そう考えている間についてしまった。
体感全く分速を感じさせなかった。
秒で着いた気分だ。
大きな羽根を羽ばたかせつつ
地面に降り立ったオリアスに
メルはボケっとして
オリアスの顔をまじまじと見つめていた
「…ん?メルちゃん?」
『っは!あ、ありがとうございます!』
どういたしまして。
そう言われつつメルは
ゆっくりと地面に降ろしてもらった
リュックも返してもらい
髪の毛が乱雑になっていないかを
手櫛でかきつつ
学校内に進んだオリアスの後を追う
「荷物は特訓終わってからで良いから
ひとまず職員室行こうか。」
『はいっ!あれオリアス先生
今日補修は?』
「ラッキーな事になくなったんだよね。
流石に明後日は入ってるけど
メルちゃんの方は大丈夫そうだよね。」
『はい、うちの持ってる子は
全員赤点回避しちゃってるので。』
優秀だねぇと言うオリアスに、
メルはまぁ優秀な人材に恵まれ続けて居ると思った。
というか普通に赤ちゃんレベルの問題を
出し続けているからだと思うが
とは口が裂けても言えない事だ。
『おはようございます』
「あ!メル先輩!!
おはようございます!」
そう声を掛けてくれたのは最近
仲良くしてくれるツムル先生だ
赤髪でツムルとメル、
それにロビンの三人が集まると
信号機みたいだねと言った
メルの言葉で一気に距離が縮まったのだ。
『おはようございます〜わ!
ツムル先生今日半そで?』
「いやガンガン腕まくってるだけですー
今日熱くないですか?」
『いや風にあおられ続けて来ちゃったから何とも…』
そう頭をかきながら自分の席に座る
リュックを自分のひざ元に置いて
中身を取り出すメルにダリから声がかかる
「おはよーおっオリアス先生
早速メルちゃん迎えに行ってくれたの?」
「ええ。理事長に二週間は此方で
お預かりしますし、流石に一言
言っておかないとと思いまして。」
メルはオリアスがそう言った言葉に
先程言われたお嬢様という言葉を思い出して
持ってきていたリュックの中身をみつつ
顔をぼっと言う音が出る位急に赤らめた。
それに何々?とロビンが入ってくる
「どしたのメル先輩ー顔赤いよ?」
うるさい。
そうどこぞの毎日胃痛に悩まされていそうな
アブノーマルクラスの担任が
言いそうな言葉を思いつつも
口に出さずに『いえ別に』と言った。
そう言えば担任は何処に行ったのだろう?
今日はお休みだろうかと思ったら、
とんでもないことを聞いた
「あれ?カルエゴ先生は?」
「どうやら入間君達の監督者として
遊園地に向かったそうです」
「ええ!!
いいなぁー遊園地!!
いきたい!!」
「今度行ったら?」
そう言ったマルバス先生に、
一人じゃつまらないと駄々を捏ねるロビンに
マルバスとメルは苦笑いを零した
『それよりも、今日何をされるんですかね
…私何も聞いてなくて。』
「嗚呼今日はマルバス先生と
ロビン先生とツムル先生がメルちゃんの
講師って事になってるかな?」
「あ、俺予定空いたんで
追加で入りますよ。」
「あそれなら+オリアス先生だね。
一応学校の校舎使ってもらっても構わないけど
バトラが使っている時は基本NGね。
今日は初日だから人少ないから
一応一日空いてるつもり〜」
『了解です』
じゃ、俺は授業あるからと言って
出て行ったダリにメルは
そのまま荷物を机に置いた後
リュックを自分の机の下にしまった
それを見てか、ロビンが
今すぐ行こうとワクワクしている
小走りになっているが、
埃が舞うとオリアスがツッコんだことで
ロビンが一応足を止めた。
一応、と言いたそうな位眉をハノ字にしている。
今にでも「えー」と言いたそうだ。
というか言ったな。
今同時だったぞ。
「メルちゃんはどうする?
別に後からでもいいけど」
『いや流石について行きます。』
そう言ってメルはポケットに香水を忍ばせた。
流石にトイレはまだ大丈夫だし
私の為に時間を空けてくれた訳だから
ゆっくりしているつもりはサラサラない。
一応先月から数えても二週間後
丁度で生理が来るはずだし、
途中でおかしくなるのは無いだろう。
ギリギリまで粘ってから何とか
お休みして、二学期に入りたい所だ。
「イフリート先生が
午後から入るって言ってくれたけど」
『あ〜良いんですかね?
あの先生忙しくなかったですっけ?』
「メルちゃん筋良いから
身体動かしたいーって言ってたよ。
後で昼休憩の時に職員室だるいけど戻ろっか。」
どうせ熱くなるし、
涼しい場所に戻った方が楽でしょ
そう言ったマルバス先生に
うんうんとメルは頷いて歩く
「あ、ごめん足早い?」
『あ、いえ。何時もこれ位で早いので
慣れてるので大丈夫ですよ!』
「え?何時も空飛んでないっけ?」
え?そう言ったメルは
数秒後そう言えばそうですねと答えた。
何時の話だよーととぼけたのを
ツムルがツッコんでくれて
メルははぐらかす事に成功したと思った。
『(…小走りになる位足が速くて
追いかけていた人って誰だ?)』
少なくともオペラ先輩やオリアス先生ではない。
彼らは歩幅を此方に合わせて歩いてくれる。
かと言ってカルエゴ先生でも案外無いのだ。
イライラしていたらそんなことはないが、
基本ゆっくりと歩いてくれる。
入間君達生徒でもそこまで速めに歩く子はいないし
一体誰とどの記憶と間違えたのだろうか?
疑問に思いつつ、メルは空いていた体育館に入った。
入間君が前に言っていた土壁の広い場所だった。
何時もはバレー部か何かが使っているのか、
ルール用らしき模様が白い色で
四角と丸を地面に描かれていた
「ルールは簡単。メルちゃんは俺達と戦って、
一回でもタッチ出来たらOK
逆に俺達は30分逃げ続ける。
体育館の外に出ることは不可とします。
魔術の使用はOKだけど
最初の15分は不可とします。
此処までおっけ?」
『OKです!』
「いい返事だね。使い魔召喚も可能だけど、
使い魔が俺達にタッチするのは無効とします。
逆に使い魔を利用して自分でタッチする時間を
作ろうとするのはOKだよ。
何か質問はある?」
「はい!魔バナナはおやつに入りますか!!」
「そもそも食事をとらないで下さい。」
飲食禁止ですーそういうマルバスに
メルは苦笑いして返した
『なるほど、それを何回します?』
「えーっと休憩も挟みつつだから、
とりあえず人数多いし全員回せたらいいんじゃない?
あ順番は適当だけど良い?」
『何時でも構いませんよ。』
やる気だねぇーというマルバスに
メルはそれほどでもないと言った。
にしても男性とぶっつけでやるのは
如何なものかと思うが
女性だから男性だからと
言って気を抜くのはよろしくない。
全ては実力の世界なのだ。
「じゃ最初は〜どうする?
ツムル先生いく?」
「あ、俺やりたいです!!」
「ん〜ロビン先生は後にしようか。
ツムル先生の次にしよ。」
流石に目覚めて一時間後に
神経研ぎ澄まさないといけないものは嫌です。
そう思ったのが伝わったのか知らないが、
マルバスの言葉にロビンがしょげる。
メルは申し訳ないと心の中で思いつつ、
マルバスにナイスと感謝を述べた。
「じゃよろしくお願いします!」
『よろしくおねがいします!!』