夢を見た。オズワルドと一緒に笑う夢。
世界が濁り、雨が降っている
林の中で、誰かが叫ぶ
ーねぇ、お願い…貴方、なら
ーやだよ、ねぇ、死なないで、なんで?
ーいい、の…だから、生きて?
これを。そう言って両手で手を取った
女性の髪の色は水色に光っていた
目がシルバー色に見えたが気のせいだろうか?
ー“アクシオス良い一日を”
そう言って手に力が無くなった女性に名前を叫ぶ
ーねぇ!アクシオスってなぁに!!
ソティラス!!返事してよぉ!!ねぇ!!!
『ーっ!!!』
その声がはっきり聞こえて飛び起きた
時刻は午前6時。
まだ寝ていても良い時間だったが
昨日の夜帰ってきてからの記憶が殆どない。
というか林だ、なんだあの夢は。
メルはすぐにメモをとった。
勿論人間の言葉でだ。
アクシオスとソティラス
その言葉を調べるために
まずは部屋の中に
荷物を入れることから
始めることにした。
『…こんな所か、ん?どうぞー』
ノック音がして一息ついた声が
すぐに悪魔と関わる声に切り替えた
時間は7時になっていた
どうやら朝食が出来たらしく、
モモが呼びに来てくれていた。
「メルさん朝食食べません?」
『ああ私後で良いよ
ちょっと調べたいものあってね』
「…まずあと3箱片付けてからにしません?」
『あはは、やっぱり?』
手伝ってくれる?
喜んで。
そう言われてメルは安堵し
とりあえず食事を済ませてから
という声に苦笑いした。
夢の事は彼女には内緒にしよう。
きっと人間ってバレてしまうから。
嗚呼でもギリシャ語は
言ってるからどうしようかな。
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「今日はどうされる予定ですか?」
『荷物ほどいたら
ちょっと教室ってか
図書館に用事』
「調べものですか?私で良ければ」
『貴方に人間界の言葉
教えて分かると思う?』
「…いいえ」
そう首を横に振ったモモに
ならよろしいとメルは一言言った
ちなみに単語聞いても?
と言われてしまったと思った。
普通に誘導尋問の類である。
本当にこういうのは苦手。
『…言わない?』
「ええ」
『絶対に?』
「ええ」
『〜〜ああ分かりました!
綺麗にしてくれたし
私の部屋いきましょ!!』
そう言って私はモモちゃんの手を引いて寮を後にした
魔力は回復しきっておらず、
半分以下の状態で移動はモモちゃんに。
図書館に来た私とモモちゃんは
こっちだと言う私の声に頷いて足を進めた
「ここが」
『“開けゴマ”』
そう言った途端扉が浮かび上がり
部屋が出てきて扉に切り替わり
ドアが開いた
それに驚きつつ中に入ってと言うメルに
モモがそっと小走りで入った
扉は勝手に閉まり、
ドア部分が消えて本棚に変わる
『ようこそ私の部屋へ。
腰掛けて貰っていいよ。』
「ここは…」
『人間界の知識とか資料
入れてる超超厳重な部屋。
知識持っていくなら
私とサリバン理事長の許可要有りでね。』
「えっっっ!?」
『でこれが書物。』
そう投げたのは此方の悪魔側での言葉は
一切書かれていない
日本語と幾つかの言語か
書かれているだけで
モモが首を傾げた
「えっ!これ読めるんですか?」
『一部だけね。
カナというか振られてるから
これ探すだけ。』
「これだけ?」
『なければこの部屋全部漁る。
それだけ』
「それでもなければ?」
『…人間界に渡航するつもり』
「メルさん!!」
『うるさい!!…泣いてた、
あの子を1人になんかしたくない。』
それにあの女性、シルバーの目の色、かなり憶測だが
そうならとんでもなく恐ろしい現実になるし
でもかなり問題が発生するから困るのだ。
あとモモちゃんを
そんな危険な目に遭わせたくない。
だから記憶だって消したり
「記憶消さないでくださいよ」
消したりえ?っ?え?
『え?』
「だから記憶消さないで下さいよ」
『え?いや何で』
「とぼけないでくれます?
私記憶操作も得意なんです。」
嗚呼ーそうだった
彼女は何でもできるのだ。
私がかけた術も違和感を
感じた彼女が何度かほどいていたらしい。
いやぁオリアス先生以上に
恐ろしいのこの子かもしれん。
+++++++++++++++++++++++++++
「林の中でねえ」
『“ソティラス”と“アクシオス”って単語が妙に…あ、あった。』
え!?ドコドコ!?そう驚いて本を閉じた
モモノキ先生に人間ということがバレて
軽く記憶操作を解除していたから
前から知っていたのに
何故言わなかったのか
メルさんが言いたくなさそうだったので。
でも今日見たらどうしようか迷っていらしてたので。
それならいっそのこと此方もばらしてしまおうと。
って言ってバラムが頭を抱えつつ、今日の夢の記憶を頼りに
部屋の中で言葉を悪魔語でも書いてその言葉を探していたのだった
だが、見つけてメルの目が見開いたまま口元に手を置いた
『(嗚呼!…なんで)』
神々や悪魔の記述は基本的にギリシャ語の言葉で書かれている。
だから言葉をギリシャ語で調べていたら、まぁあった。
日本語でソティラス、ギリシャ語で意味は
『ー救世主、だなんて…人をえ待ってどっちだ?』
女性の方か?いや忘れてしまった。どえれぇわ。
女性の方なら
呼ばれる子が少女に手渡した。何を?
というか女性の手に何かがあったわけでもない。
いやいやいやおかしい。そんな訳がない。
嫌な予感が頭をよぎる
『…古来から人間界は悪魔や神々を伝えていた。
人間は歪なモノは排除しようとしていたから…
いやでもあり得ないそんなことがあっては、』
「なになに?」
いやあり得ない。
『…少女か女性か分からないけど、いやいい。
オリアス先生そこの左から二段目あ、三列目の
青い本取って下さい。それです』
そう言ってメルは取ってもらった本を受け取り
先程迄読んでいた本を机に置いたまま立ったまま
腕で本をめくっていると宙に浮かせてくれたモモちゃん優しい。
「これは?」
『これは私が悪魔語に直した
人間界の悪魔での言い伝えです。
ああこれじゃない、違う、違う』
「え、待ってさっき一瞬バラムとか
ナベリウスってあったんだけど!!ねぇ!!」
『あった!!!…あっ、た』
そこに記述されていたのは、
女性の姿で黒い装束を纏っている
黒い三角のとんがり帽子を被り、
片手には箒を持っている姿
「“魔女”?」
『…人間界で唯一魔術を使える、人間です。』
「「えええええええ?!」」
「えっ、人間魔術使えるの!?」
『正確には!!…何がかは判明してません。
なのでこれも作り話の一部です。
なのでこれを書いたんですよ。いやでも』
話してごらんそう言われた
メルはバラムたちに説明する。
『…魔女は魔力を持っている。
人々の作物を枯らしたり、悪い影響を行う。
ただ死に際の魔女の手を握ったら、
握った側の方に魔力が移るそうです。』
「それがメルちゃんの見ていた少女ってこと?」
『それだと不可解な点がいくつかあります。』
まず1つ、もしメルがあの魔王デルキラの娘だとして、
魔力が持たずに人間と生まれたら魔力がないのは現時点であり得ない。
なぜなら魔力が宿っているから。
2つ魔女の手を握って魔力を吸い取ったとしても
継承者としてのみ、血は受け継がれることはない。
まぁ他人が籍を名乗るみたいなものだ。
『憶測ですよ…これは憶測。』
「うん」
『その魔女が宿した力が理事長の力以上あって
少女が力を得たことで、悪魔とのかかわりを持った
魔女の継承者として、生まれた子。で』
私はその子と、一体どうしたら出会うのだろうか?
「他に魔女になる条件は?」
『あー悪魔とまぐわったら魔女になるとか言いますよ』
「「まっ!?/////」」
一部の男女悪魔が顔を真っ赤にしたが、知らない。
他にも、魔女は水中に沈められても悪魔に助けられて
浮かび上がることが出来るだの、
魔女は体のどこかに「契約の印」と呼ばれる、
痛みを感じない箇所がある。だのしっちゃかめっちゃかだが。
まぁそこら辺も追々知れば良い。
とにかくそのソティラスが誰かが問題だ。
「どうして問題なんですか?」
『女性の方が救世主だとしたら、
何かの厄災から守れる力を秘める可能性がある。
逆に少女の方が救世主だとしたら』
「厄災の力を得てしまった子ということになる。
人間にとって魔術は基本使えない代物。
きわめて危険な状態で一刻も早く切り離さなければいけない。」
『そうなんだけど…でも少女がどっちの名前かによって
あと魂が私の周りをうろついている状態も気になる。』
流石に私の周りをふよふよしているのに気づかない悪魔もいない。
なのに誰一人として気付いていないのもおかしい。
目を閉じて見える少女なんて、恐ろしいしね。
『かと言って私が魔女の継承者ということもあり得る話であって』
「え!?まぐわったんですか!?どこで!!」
『違う話をきけ!!』
そう赤い顔のモモに照れるメルは目を閉じて強く言った
全く、話をすっ飛ばすんじゃない。
『もし少女が魔女の力を持っていて、その魔女の力に
耐えきれず…オズワルドと接触していたら?』
「っ!まさか」
『少女が私と力を二つに分けた可能性が高い。
この憶測がもし正しければ、少女と私が融合するのが非常に危険。』
「…ちなみにメルちゃん、昨日戦った時どんくらいの威力だった?」
『たった3ですよ。3。何時も全力10で行ってるのに
たった3で大事になりました。』
「…嘘でしょ」
うそちゃいます。
それにまだある。
『もし融合して、あの子がずっと泣いちゃったら
…私死んでも死にきれない。』
どうせならあの子が少女が笑って居られるようにしたげたい。
だから私は少女が融合をもし拒絶して、いや
人間界で厄災を巻き起こしていて、分断させたのであれば。
私は人間界に帰ってはまずい事にもなるし
少女と融合して魔界を混乱に陥れる可能性だってあるということだ。
それが上に知られてみろ。私死ぬぞ。
今はとにかく体力をつけて、とにかく少女との暴走を阻止する。
感情を綺麗に閉じ込めてこのありさまだ。
「とにかくこの話はまた今度ね。
メルちゃんも力扱えるようにしたいなら
僕とオペラ先輩あとカルエゴ君にちゃんと頼むこと。いいね?」
『はぁい…流石に大丈夫だと思うんですけど。』
そう言ってこんな状況なんじゃねぇ?と言ったバラムに
そうですねと言った。
「でももう一つは何だったんですか?」
『ああ、それが書いてないんだよね。人間界に行くのも無理だし…』
憶測が正しくなければ何事もないが、
人間界に不幸をばらまきにわざわざ行きたくない。
力を良い意味で有効活用できるようにしたい。
幸いなことに少女とは意思疎通も可能だし
暴走してるのは私の方だ。
もうすーーーぐ怒るんだから。
「モモノキ先生は次授業でしょ?後のことは僕達でやるから」
「分かりました…ではまた今日の夜ね!」
『はーいいってらっしゃいモモちゃん!』
「…あのねぇーー君って子は!!」
『ごめんごめん』
謝ってすむもんじゃないよ!!ほんと!!そう言って叱るバラムに
きっと少女もこんな悪魔が居た方が良かっただろうと思った。
「はい。これ約束の薬。こっちがお守りのブザーね。
押したら僕に通達するようになってる。」
『ありがとうございます!』
「薬の効果は8時間ピッタリ。
過剰に摂取してもOK。
ただし一度に2粒迄ね、
過剰って言うのは一時間置きに飲んでもって意味。」
『寝てる時に効果切れたりは?』
「俺が起こす」
『分かりましたわか…え?』
「バラム先生一週間見といた方が良いですよね。」
「そうだね君の家系魔術でも効果あるかは
知らないけど監視は充分しといて損はない。」
「女性寮の方にも許可取っておきますね
…覗き魔って言われたくねえし」
その方がいい。そう言ってバラムが頷いた
いや私の睡眠時間んぅ!!
『まぁ…多くてもまぁまぁでしょ。あ血あげませんからね?
一応汚いんで』
「いっ!いらないよ!!!」
あこれ絶対欲しかった奴だな。一応口止めしといて正解だった。
とりあえず、生理が来るまで手元に離さず薬は飲んで置く。
何時来てもおかしくないからね。
何粒あるのか分からないが、
ぱっと見100はありそうだった。
何かあれば言ってねと言われた。
勿論最初の一日はバラム先生
つきっきりだからな。
なんなの?看護婦さん?いや看護師か。まぁいい。
『今日はどうするんですか?』
「ああ次の授業予定見に仕事に帰るよ。メルちゃんたちは?」
「俺は授業の準備に戻ります。」
『私は部屋に戻って荷物整理します。終わったらゆっくりして
明日ダリ先生の授業手伝おうと思ってて。』
「了解」
『あ、遅れて申し訳ないんですが、
オペラ先輩と入間君がお世話になりました。』
あと理事長そう言って謝るメルにいやいやと首を横に振った
「それにしても君が行かなくてよかった。
ついて行ってたら悪魔に攫われていた可能性だってあるし。」
『いやーまさ…あり得ますねあり得ます。はい。』
数日前のことを思い出して我に返る。
そうだ私何かしら不幸に見舞われていたんだった。
「オペラ先輩にはお世話になりましたって言っといて。」
それじゃ、そう言って彼も部屋を出たので私も荷物を片付けて
オリアス先生と部屋を後にする事にした。