Novel - Paola | Kerry

it's just you


ループの止め方をわすれてしまったようです4

20/09/15
41


ずっと傍で笑って居られたらどれ程良いだろう。



最初その言葉を知った時、オリアスは何故かと思った。
そりゃいいだろうが、途中で飽きるくない?
そう答えたオリアスに、少女はプッと噴き出して笑ったのだ。

そりゃそうだ。そう言って、寂しそうに吐き捨てて。

教職員がイレギュラーだった女性を処罰している頃
途中で魔関署がやってきて何とか捕まえかえって
いき、全てが収束に収まる頃だった

オリアスは女性を見たあとすぐに
メルの元に歩いて
傍で片膝をついて腰を降ろした



「…どうして庇ったんだ、」



もう微笑まない。

二度と、顔を此方に向けない。

そう思って涙すらも出ないと言う
自分に嫌気が差す。



「ーまだ助かる」


その声にハッと目を開いた

メルを挟んで
オリアスの前から歩いてきたのは
黒髪の長髪の男性だった。


髪の毛を揺らしながらメルの傍に来る


「っな!!身体、が」


「オリアス先生!!!危ないです!!」


他の者は身体の自由が思う様に動かずにバタバタと倒れる
それにオリアスはメルを抱きかかえて逃げようと思ったが
身体の自由が効かずに止まり、
それに眉をひそめ、片目が閉じた



「っ」


「お前らに用はない。
メルに用があって来た。」


そう言って男性はそっと
メルの前に膝をついて微笑んだ


「嗚呼、もう大丈夫だよ。
メル…僕の命を分けてあげる。」



そう言って胸元から突如眩い光が放たれた
光は和らぎ、ふわふわと明るさを維持するだけで
両手の中にある光をそっとメルの胸元に寄せる
まるで水をそそぐように、そっと手を傾けて



「僕は待っているよ。
…だから早く追いかけておいで。
止まらないでこちら側に。」


「っ!!お前は!!!」


「僕の名前はレイだ」


「…お前が、」


さっきの、良い一撃だったよ。
そう言ってくすりと笑った
その笑顔は何処かメルを思い浮かばせる。


「ああ無駄な事は考えない方が良い。
僕が攻撃をして君達が傷付いたら、
メルは泣いてしまうこと位想像付くだろう?」


「っ、」


光が消えた後、スッとメルの呼吸が始まる音がした
それに驚きオリアスはメルの顔を見た
口は少し開き、唇の色は赤みを帯びていた
真っ白だった顔も桃色に染めて


「今度は、ちゃんと手を伸ばして掴むんだよ」


そう言ってレイがメルの左手に
キスを落として
オリアスをじっと睨んだ



白い世界でみた少女の目にそっくりで
オリアスはレイを睨み返した


「ふっ、ではこれで」

「っ!!待て!何故…息を取り戻させた。
お前の狙いはなんだ」

「それはメルに聞いてごらん。
きっとそれが答えだ。
だって僕はメルであり、
メルは僕なのだから。」


ではまたいつか。お会いしましょう。
そうおじぎをしてレイは暗闇に溶けて消えた


息を吹き返したメルが唸り、
ゆっくりと目を開いた

「っ!!メル!!!」

『おず、?あのね、さっき、夢見れたの』

手を伸ばして言うメルにそっと手を取った
さっきまで冷たかった手が
温もりを持っていることに安堵する



『お友達と、遊ぶ、夢…
お兄、ちゃんって言ってた』


「っ」


『おず?どしたの?』


そうメルを強く抱きしめたオリアスに
きょとんとしたメルは首を傾げた
駄目だ、あの目はいけない。


『追いかけてって、温かくて、
何処かで会った気がするの。』


ああ思い出さなくていい。
そう低い声で小さく言った。


あのレイと言った奴の目はただ堕ちた目に見えた。
手を取ってしまえば一体どうなるというのか。
考えただけでも恐ろしい。


え?と答えたメルの言葉は
他の悪魔の声でかき消される



「〜〜〜っ!!メル様ご無事で!!!!」


そう顔から全部出そうな勢いのアスモデウスに
メルは驚き声が裏返る


『っえええ!?ああ、
アスモデウス君どうしたの!あれ!?
マルバス先生血まみれ!ちょどこで
そんな実験してきたんですかうっわくっさ!!』


「ちょ、嘘でしょ傷付くわぁ…」


泣きそうなマルバスにメルが訂正をいれ謝る
いや臭いは言い過ぎたよ
でも臭いんだもん仕方がないよね。



『え、え?あれダリ先生すんごい切り傷ありません!?
え?よく見たらツムル先生髪の毛切れてません!?』


「あ、気付かなかった」


『えぇ…何があったのぉ…って入間君!?
腕どうしたの!!めっちゃ血やん!!』


「っ、メル、おねぇちゃあああ」


『あらあらあらどうしたの!
えぇ…メルちゃん困惑だよ?』


オリアスが抱きしめていたのが
更に強まりメルがウッと唸った
流石に強すぎたかと思ったが、
オリアスは低い声で囁いた



「…良かった、ほんと、良かった」


『…ごめんね、心配かけちゃってたね』 


そう背中をとんとんと叩いて
メルは大丈夫だよと言った


今とっても気分が良いから!
そう言ってオリアスの腕から離れる


翼を広げて首を横に振る。
足を地面につけて
身体を少し丸め目を閉じる



『嗚呼、これはただの悪夢だった。
誰も傷付いていない誰も死んでいない』



そう言うメルの足から
円状に広がり草木が生い茂っていく
校舎の壁は崩れ落ちていた所が直っていくのに
なになにと声を上げる者がいた


『何もなかった。なにも知らない。
ただ何時もの日常があるだけ。』


そう目をゆっくりと開きながら言う
メルは微笑み笑っていた


数秒した後、翼を前後ろに動かしながら
地面に降り立った
背伸びをしたあと、背中をみて指を回す



すると背中から生えていた
白い翼は綺麗に白い靄と同時になくなり
髪の毛も白色から薄い水色に変化していた



『よーし!これで元通り〜!で?
何があったのか私も知らないんだけど。』



そう首を傾げるメルに、
オリアスも頷いた。



「とりあえず場所を移動しましょう。
生徒の安全確認が終わり次第、校舎を閉鎖します。」


「メル、お前はオリアスと
一緒に先にログハウスへ行け」


『えーーあそこから時間分かんねぇんだって
ーきーかーせーろーよぉー』


うるっせぇつべこべ言わず
いけえええそう言ったルアラに
苦笑いして分かったーと言いながら
オリアスの手首を掴んで走り出した


『とーびまーす!!』


「っええ?!」


そう言った途端メルとオリアスが消えて居なくなる
一体何処にと言ったアスモデウスに
ルアラが後で行ける場所さと言った


+++++++++++++++++++++++++++


「おお、思っていたが流石優秀だな。」


『へへー!頑張ったよ!
ちゃんと知ってる悪魔しか入れてないもんね!!』


そう強気で言うメルに
ルアラがはいはいで答え返した

あしらわれたと嘆くメルに
まぁまぁとマルバスが落ち着かせる


「にしても此処は一体何処だ?
職員室にメルを知る
メンバーを出来るだけ
集めてと言われて来てみれば…」


「此処はメルがミレイユ様と
過ごした場所の地下室だ。
と言っても新しくメルが
作り出したものだから此処は地下二階だがな。」


『いやー流石にログハウスの中は
照れちゃうから困るので〜!』


そう笑うメルに照れずに
さっさと言えとルアラが言う

全くもうせっかちなんだから
と言いつつも部屋の広さは約30畳
軽く合宿して泊まり込み出来る広さだった。


壁や天井床はコンクリート製なのか、
薄い灰色になっている。

急いで作ったからコレが限界なんだよ?
って文句を言っている割にはとんでもない事を
していることは入間でも分かった。



『にしても今何日よ。
私の記憶上だと
収穫祭前なんだけどさぁ』


「時間軸はそこで合っている。
急に奴らがやってきて学校を崩壊させたのだ。」


カルエゴが言うには、
収穫祭前に一気に攻撃を押しかけて来たらしい。

警戒はしていたものの、
女性に魔術攻撃が効かないわ


植物で縛り上げたり毒を入れたり
物理でも効果がなく驚いていたらしい。



そんな時にオリアスが校舎の中庭に入り
姿を晦ましていたと思えば
急に攻撃を仕掛けて来た。
その対峙をメルが受けていたらしい。

魔法を使用し過ぎると髪の色が白くなることを
知らなかった者もいたが
メルの髪の毛が白くなった時、
オリアスが攻撃を仕掛けて避け切れず目をつぶった


その瞬間オリアスが攻撃を間一髪で逸らしたのだ。
唸り声をあげて苦しそうにしているのに、
カルエゴ達は身体の自由が効かず地面にくっついたまま
前を見るしかなかったそうだ。


唸り声を上げた後、メルの目が怒り狂い
お前がやったのかと攻撃を女性に仕掛けた

魔法で効果はあるものの、
オリアスから離れて攻撃していたのに気付いた女性が
オリアスの方に向かって攻撃を放った。


間違いなく当たってしまう。
そう感じたメルが急いで手を伸ばして
オリアスの前に突進した


背中に黒い光が入り込み、
都佑が大きな悲鳴を上げてから
身体が動かなくなった。


そこからはオリアスが見た所からだ。






ぐったりとしているメルを
いくら呼んでも醒まさない

それに周りも何も出来なかった
怒りで悪周期に入りかけたものだ

メルを狙っての作戦だったという女性に、
生徒を非難させるだけでなく
教員の事情を知らなかった落ち度というものもあった。


オリアスが怒りメルと同じように
魔法で攻撃をしたおかげで
女性の周りにあったバリアは消し飛び、
他の教員からの応援が出来たのだ。

メルには一度死んでいることは伝えずに説明する
それに気づかずメルは声を上げながら首を傾げた


『ふぅん?…成る程、ねぇ』


「今この場でお前の全てを
聞かねば気が済まない。
言え。洗いざらい全て言え。」


『…言ってどうにかなると思うか?』


そう言ったメルの目はシルバー色に変わっていた
ふわりと髪の毛が巻き上がり浮遊しているのか
足が地面から離れている


顎を引いて一直線に身体を伸ばしている
じっとカルエゴを見ていた


「言わなかったからこうなった。違うか?」


『…否定はできない。
はぁ、約束の時間が大幅に
前倒しされている気が、まぁ良い喋る喋る。
ただ、先に約束して欲しい。』



なんだ。そう言ったカルエゴに
メルは周りを見て言った


『私が言う全てを受け入れて欲しい。
そして意思決定は私にあると思え。』


「受け入れなければ?」


『今すぐお前達の身体を
拘束して記憶を欠片残さず消す』


「やれるか?」


そう言ったカルエゴの言葉で
全員の身体が床にたたきつけられた
カルエゴの目線に複数の槍が現れる
警告だそう言いたそうに、メルの目が細まり
地面に伏せられているカルエゴを睨む。

ふっとカルエゴが笑った


『…わかった分かった、
そんなに死にたいのなら巻き込んでやるから』


「誰も好きで巻き込まれたくないわ」


だろうなそう言いつつメルが
指を鳴らして周りの悪魔を自由にした
肩を下げて胡坐をかきながら浮遊して、
メルはがっくしと言いたそうな程に
首を前に降ろした後顔を上げて
顎に手を置いてジト目でオリアスを見た


『なぁんで、めぐるんだろうなぁ』


そうぼやいてそっぽを向いた。
その後メルは説明するには
場所が悪いねと言って
指をまた鳴らす。


すると机と席が突如現れ
どうぞとメルが手を前に差し出して
頷いたのをきっかけに
皆は近くにあった椅子に腰かけた



『さて、何処から話そうか〜
私がミレイユに拉致られた所?
それとも私が虐待されてた所?
それともこの魔界に降り立った所?』




それとも。私が願いを零してしまったあの時間?
そう目を細めたメルに、
全てだと目を閉じたまま胸で腕を組んで言った



『…では姿を見せようか。』


そう言ってメルが
上着を脱いで地面に落とした後


スカートに手をかけたのに気付いた
ツムリが制するも遅し
パニエだろうかふわりとした白いパンツの上は
胸元だけ黒い布で包まれており、
首元のチョーカーが光る
浮遊したまま身体を丸めるように
膝を抱えて後ろを向いて言う

















『私は人間だ。
羽も翼も尻尾も角も牙も魔力さえない。
ただの無力なか弱い人間だ。』





















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