手を伸ばした先は地獄かそれとも
温かな温もりにそっと目を閉じる
これでいいのかと、このまま落ちていくので構わないと
廻る世界に魅了された魂は
世界を変えて彩っていく
一つだけだった魂は
二つに分かれまた戻る
それは永久に続く物語
名は変わらずそのまま元に戻る
何があっても、どうなろうとも
最終的に物語は同じ結末を辿る。
『(赤い世界…夢で見た通りだった)』
目を細めて数時間前のことを思い出す
『…あれ?オリアス先生!
急に出て行ってびっくりしたんですよ!
何処行ってー』
たんですか。そう言いたかった。
出来るのであれば、
そう言ってからかいたかった。
なのに振り返った目の色は
何時もの綺麗な金色ではなかったのに
目を背けたかった。
赤い瞳に此方をニヤリと笑うその姿
嗚呼一体何があったというのだろうか?
突如自身の首元に羽織ってあった
黒めの上着がダーツで射貫かれる
当てに来ている…
それにメルは目を細めた
「いやぁー当たらないもんだね」
そう言ったオリアスにメルが問う
『びっくりしましたよ〜
急に当てるんだもの…
嗚呼でも急所外れてますよ?
調子でも悪いんですか?オリアス先生?』
そうにこりと笑いメルは喋る
震えるな、奮い立たせろ。
今までと同じなのだ。
記憶にある
誰も私を見ない
誰も私を知らない。
「嗚呼ごめんごめん、メル先生!
敵がいてさ、打ったけど避けられたようだ」
そう言ったオリアスに
メルが目を開けて微笑み返した
違うこいつは違うと
警告音が頭の中で鳴り響く
「っ!メル先生!!」
「きょーし!!」
『っ!!来るな!!!』
そう言っても遅い、
オリアスの横にはアリスと三郎が走ってきていた
オリアスの目に止まった二人に
一直線で当てれる場所から放つ
『っ!!あ゛っ゛』
左腕にダーツの先が刺さる
当てに来たのは間違いないらしい
毒が塗られていない所
優しさかはたまた時間稼ぎか
「っ!!!」
三郎の背後に敵が居たのを、
アリスが攻撃して何とか防いだ
メルは身体で息をし、
なんとか痛みを抑えた
ダーツの先は勢いで取り出して
そこら辺に投げ捨てた
「っ!オリアス先生は何故此方に」
『…ねぇ、オリアス先生。』
そうにこりと笑ってメルが言い放つ
『私に向かって好きって言ってくれますか?
嘘でも構いません。』
私は貴方のことが好きですよ。
そう言って微笑んだ。
それはメルが約束したもの。
ふたりだけの時に
言ってくれる優しい二つの言葉。
「嗚呼、いいですよ。
俺もメル先生のこと、“好き”ですよ」
その言葉でメルがにやりと笑い
嗚呼と声を漏らす。
これは夢ではないのだと。
やっとその笑顔を見れて、
私はとっても今気分が良い。
悪夢ではない、
良くない現実が
起きている事を実感する。
『(嗚呼違うこいつは違うのだ)』
片手で炎を解き放ちオリアスの周りに
炎の網を作り出した
周囲に青と緑の槍を作り出し、
一度動けば攻撃をしかける状態だ
だが、オリアスの口から漏れたのは笑いだった
「…何がおかしい」
「いや、君は俺を殺す事は出来ない」
それにピクリとメルが反応した
確かにそうだ、優しいあの手が
自分の身体を引き裂く等
恐らく転生しても
どんな姿でもあり得ないだろう。
『(好きだなんて私が伝えたのは
日本語の好きではなかった)』
花を咲かせるように、
笑って言ってくれるその言葉が
私は何よりも嬉しくて
このままであればと願ったことか。
ああでもそれも夢の話。
もう醒めることのない…いや醒めたのだ。
もう夢から醒めてしまえと言うのだ。
『…アリス三郎と一緒に後方の敵を殺せ』
「っ!いけません私はお守り
『煩い行けと言っている!!!』…っ」
行くぞそう三郎に言われてアリスはご無事を
とだけ言って背を向いて走って行った
この場所にはもう
オリアスとメルしかいなかった
『…ああやっと二人っきりになれたね』
「ん、あれメル先生早く解いてくれないかな?」
『化けの皮を剥がせ紛い物め、
その魂は我の物だ。
誰にも渡す訳にはいかない。』
「へぇ…これでも!?」
そう言って槍を掴んで
此方に攻撃を仕掛けて来た
急に出て来た槍にメルは思わず
通常武器として鉄の槍を作り出して防ぐ
体勢が少々悪く、
下になったのを横に交わして距離を取った
「うまいね」
『うるさい』
煩い。
ただその一言だ
オリアスに対して攻撃を仕掛けるが
少し怯んだ彼の肩に攻撃があたる
メルは怯み手を止めた後、
隙を狙って腹部に攻撃があたった
メル!そう言って加勢に来た
カルエゴ達が急に倒れる
何があったのかと見た場所に
光がほのかに揺らいでいた
オリアスの力を使って、
カルエゴ達を倒しているのだ
魂を殺したくなった
『…何が狙いだ』
「なんにも」
嘘つき。そう思いつつ
私は槍を構えて走り出した
攻撃を交わしつつ
足や腕に刺そうとするが避けられる
足を滑らせて間違いなく突かれると思った
その時
「…っ、ぐ、だ、じょぶ、か?」
そう言ったオリアスにメルは目を開いた
嗚呼戦っているのだと
彼も心の中に降りて来た悪魔に
今この瞬間も戦っているのだ
誰が負け戦をやれというのだろうか
いっそのこと全力でいってからというものだ。
眉をひそめて身体に力を入れた
髪の毛が白くなるのをばたばたと
髪が風に揺らいで視界に入ったので理解した。
「ふっ」
そう笑った声に目を向ける。
空中で女性が此方を見ていた
お前が引き金かと
お前がこの状態にさせたのかと
お前がこの
ごめん。
そう言ってメルはポケットに入れていた
赤いクスリを一粒手に取り口に放り込んだ。
がりっと嚙み砕いて首を横に振った
熱い熱い熱い
心が煮えたぎるような感情に首を振った
だがこのままでは難しい。
メルの目はギラギラと揺らぎ燃え盛り始める
背中に大きな白い翼を広げる。
そう言って女性に切りかかる
魔法を解き放った後
槍をおもいっきり彼女に振り落とす
攻撃がかわされたと思えば
オリアスが庇っていたのだ
嗚呼やめろ、
君に攻撃は出来ればしたくない。
攻撃を緩めるわけにもいかず、
メルは魔力を高めて放出するも
風に身体を取られて距離が離れた。
「っ!メル、逃げ、て」
『…誰が逃げるか』
瓦礫の近くで何とか顔を上げて言う
モモノキの言葉にメルは目を丸くした
嗚呼誰がこんな状況を巻き起こした。
嗚呼誰がこんな状態にさせてしまった。
全ては自分が逃げ出してしまったから。
ループされている時間軸から
離れて一つ罪を犯したから。
こんなことなら、
貴方に触れなければ良かった。
こんなことなら、
貴方に笑顔を見せなければ良かった。
なのに否定をしたら
胸が酷く痛みだして、
コレが感情なのかと知る。
にこりと笑ってみせた
どうせなら、
この目の奥を貴方に見て欲しくて。
寂しい。
そんな気持ちを
僕は感じたくなかった。
『…ごめんね、好きになってしまって』
静かな場所でも聞き取れない程
小さな声で呟いた
貴方に、恋をしてしまったから。
だから貴方が皆が危険な場所に
行ってしまっている事実に
僕は目を背け続ける訳には、
いかなくなった。
もう10分すぎてしまう。
暴走しかけていた状態が切れる。
このまま出来るのなら
もし、神様がこの世にいるというのなら、
どうして私は生まれてきたのか教えて下さい。
「ならば邪魔者は先に消すべきか」
そう言った女性が手から
黒い魔法を作り出し放つ
その場所にはオリアスが立っており、
何処にも動かずに居た
気付いたら身体が動いていた
逃げろ、行くな!!やめろ!!!
そう言った声が後ろから聞こえる気がした。
でもそんな声も消えて溶けて居なくなった。
僕の耳には。
届かない。
手を伸ばして、
足元から威力を放った。
間に合う
これなら
オリアスの目の前で、
僕は背中に痛みが来たことに声が上がる
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』
貴方のことが好きで良かった。
そう思いながら私は貴方の胸で眠れる。
どれ程の悪夢を見たとしても、
幸せな夢だと言えるだろう。
守れた。背中に痛みが入るのに、
二回目だなと思いつつも
意識が薄れていく
…嗚呼、ごめんなさい。
言葉が沢山思い浮かぶ。
ただ言いたかったの。
『…ね、がい、』
好き。
その二文字すらいえずに、
私は意識を手放した。
嗚呼、どうか貴方の
一生が幸福でありますように。
そう願って。私は
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「気分はどうだ」
『…すこぶる悪い』
「だろうな。周りに
人間だと教えたからな。」
『皆驚いたけどすぐに
何人か説教してたからな。』
何でそんな大事な事は先に言っちゃうの!!
そこ言わなくても伝わったよね!?
そうツムルやあのクララが説教したのだ。
流石のメルも申し訳なくて精神的に参っていた。
「これからどうするつもりだ」
『別の悪魔と魔女の契約交わしちゃって?』
「ああ」
『…どうしようね、正直私分からない。』
でも、皆優しい悪魔だと私は知っている。
だから守りたかった。
命に代えても、守りたいと思えた。
だがそうやって取り残される
悪魔の気持ちは考えていなかった。
流石に申し訳ないので記憶もそのままにするし
死なない様に努力は積み重ねるつもりだ。
『ただ、恋して良かったって思えた…
それだけでも、今は良いと思わせて欲しい。』
今までの私だったらあのまま死んでいた。
無茶して最初のうちに皆の記憶を
消して場所を変えていただろう。
だがそんなことしないで、
あの場所で意識を手放したのは
ある意味信頼を持っていたからこそなのだ。
好きだから。だから貴方の魂を壊したくなんてない。
流石にとりつかれたのにも
怒られていたのだが。
都佑は其処まで自分以外のことに
笑ってやれるほど余裕はなかった。
『ねぇルアラ』
「どうした」
『…ありがとう』
「…いいえ」
貴方が傍に居てくれるから、
私はこうやって居られると思う。
だから居なくなるのが分からない今、
お礼は言ってあげたい。
居なくならないように頑張るは頑張るが。
他の悪魔にバレない様にとくぎを刺されたが
まぁばらす予定は一切ない。
それにメルが人間だということは
ミレイユが人間だったということも分かる。
彼らには同罪として罪を持っておいてもらう事にした。
此方も言わないが、向こうも言わないように。
ある意味契約約束みたいなものである。
『収穫祭は教師として、周りを援護しないとねぇー』
「お前の独断と偏見でな。」
『夢であればどれ程良かったでしょう。』
そう言って唱えるメルに、
ルアラはため息を吐いた。
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『んで?帰らずにお前らなーにしてんだか』
「メルちメルち!!こっち!!」
『とりあえずクララちゃん、
うちの教師陣を玩具にしないであげて…』
頭の上に乗っかっているヒヨコに
メルは笑いを堪える
メルちもーと言ってさり気なく
ヒヨコが頭の上に乗ったが気にしないで置こう。
というか気にすると噴く間違いなく噴く。
「いや資料の内容が一切読めないから
解読しようと思ってたら入間君が読めるって」
『こらーーー!!!
入間ぁあああああ!!!!』
お前日本語読めるんだよなぁあああ!?
駄目だろう!!読ませたら!!!!
そう言っているメルに入間が謝る
「で、でもお願いって言われて…」
『んーーーそれに否定が出来ないのが悔しい!!!
ちょっとダリ先生!!
何で読ませたんですか!!!!』
「メルちゃんに言ってもどうせ
適当に誤魔化されそうだったから」
等と供述しており。
メルはとりあえず燃やされるか
凍らせるかどっちが良い?とだけ聞く。
目は笑っていないのに、
まぁまぁとダリが苦笑いで
メルを落ち着かせる。
「歴史は深いものだから、教師としても
間違った知識を生徒に教えたくないし?ね?」
『…あのミレイユが調べたものが間違えてないと?』
「まっさかー!
知らないけど、理事長なら」
「…ごめんそれは否定できない。」
おおぉう…そう言ったダリに
メルはこらえきれず笑ってしまう。
嗚呼本当におかしい。
間違えているのは恐らく
数えきれない程だろう。
まぁ文字がおかしいと言うよりかは
意味合いが違う事があったりする。
…あれそれって、
文章違うってことだから
そもそも本自体違う可能性あるのでは?
気付かなかったことにしよう。
いや禁忌呪文は流石に間違えて
居ないと思うが…だよなぁ!?
段々あの場所が怖くなってきたが、
まぁつつつ使わなければいいだけのことだ。
研究して合っていたら良いと言う事で
とりあえず話を戻そう。
「それにしても、メルちゃん
これからどうするの?あいつら殺すの?
手伝うよ?」
『とりあえずマルバス先生、
その白衣外してから言って下さい。
後ろの三人構えんな馬鹿まだ行くかよ。』
まだっていった!?
何時いく!?
そう食いかかってきたロビンに
はいはいと箒で掃くように
手をしっしと返した
『うぅん、とりあえず魔法の基礎が終わってるけど
攻撃も無茶戦法だし、まだ勉強することはあるかな。
何処に住んでいるのかも不明なのに襲撃してもね。』
「そのレイとやらに直接行けないのか?」
『出来なくはないけど、
何処に入れるかにもよるし
向こうだって私の読みは分かるだろうから
敵陣にお菓子持っていくようなもんだよ…』
どちらにせよ今は動くべきではない。
先手を取られたのはまぁ痛手だが
実際生徒を狙った犯行ではない為
まぁまだ自分的には良い。
これが生徒だったら
私ブチ切れてるからな。
「にしても魔女って何できるの?」
『ん?空飛べたり炎出したり?』
「出来てるじゃん」
『普通の人間はな?
出来ねぇんだって知ってる?
嗚呼知らないですね
そうですよね人間知らないもんね。』
こりゃ言っても無駄だな。
ため息を吐きつつ
メルは目を背けた。
帰るよーそう言って
生徒も特訓があるだろう。
私はしっしと手であしらう
じゃあまたーそう言って帰っていく者達に
手を振ったメルにルアラは言った
「…また繰り返すのか。」
そう言ったのに、メルは微笑んだ。
『勿論』
彼らの“記憶”は力になるから。
そう言ってメルの左手には
幾つかの光が舞っていた