どうせなら、記憶も消してほしかった。
この恋心も全て。なかった事にして欲しかった。
そうでなければあの時力を使う事なんてなかったのに。
嗚呼でも生徒を守れて、嬉しかった。
私はまた一人悪魔を救えたのだ。
彼が成長してこの魔界を回す
一つの大事な存在になれば良いと思う。
…その時、私はその場にきっと生きて居れないだろうけど。
もう長くない時間に、きっと焦りが出たのだろう。
この手が動くのも、もう長くないと言うのか。
伸ばした場所は、先は。本当に正しいのか。
ー間違えずにーーを追いかけておいで。
誰?
ー手を伸ばして。今度こそ掴んで。
貴方は一体誰?
ーそして、永久の中に堕ちておいで。
僕は、そこに行けば
この叫び続ける恋心も、
忘れてしまえるのだろうか?
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意識が戻る、名前を呼ばれて声が上がる
『…ふぁい、うぅん』
「ちょ、頭痛い?大丈夫?」
そう呼ばれて、夢なのかなと思った。
優しい声に、少し期待してしまった。
『ううん、大丈夫。』
そう優しく返してしまった。
嗚呼しくった私の馬鹿。
寝ぼけていたことを謝ると
オリアスがああと顔を赤らめて大丈夫だと言った。
『(記憶が無くても貴方が
私を見てくれるなら…私は、私は)』
感情が浮かび上がる
花が花弁を開くように気持ちが膨れ上がる
いけないきっと首元が光っている。
そっと手を振れると
予想通り、少し熱を持っていた。
この場所が光の真下だから良かった。
「そう…所で、ちょっと聞いても良いかな?」
何だろうそう思ってはいと答えた
「あの黒い剣って、どうやって出したの?」
目を開いて、あ。とだけ答えてしまった。
嗚呼そうだ。
私はどれ位眠っていたのだろう。
『え、となんのことですかね。
ああ所でどれ位眠っていたんでしょうか?
私まだ把握できて』
「言えないこと?あんなに強力な力。
今まで出していなかった訳ないよね?
それに俺について来た時、
生徒他の教師より倍位救ってるの知ってる?」
しかも無傷で。
それに身体が固まる
まずい。
まずいと体中から
嫌な汗が出てくる。
やめろ、これ以上知るな。
身体が、蛇に睨まれた
蛙みたいに固まったまま
えと、と声だけが出た。
それで魔法が解けたかのように
身体が動く
『どういう…』
「とぼけないで。
何なら今すぐバラム先生呼んでこようか?」
『…言いたくないです』
だってこれ以上貴方に話したら、
きっと迷惑をかけてしまう。
折角記憶を失ったのだ。
これ以上また貴方と話せばきっと。
一体何度貴方を危険な目に
合わさなければいけないのだろうか?
先程の魔獣といい、
オリアス先生に憑いていた件といい
彼の前では危険な事が起こり過ぎて
こっちの身体が身が持たない。
嗚呼…なら、私は貴方の傍から
いっそのこと離れてしまえばーー
それは、ミレイユと
同じ状況なのではないか?
貴方が変えたかった未来を、
僕は変えずに戻してしまうのか?
嗚呼ならどうすれば良いと言うのだろう?
ねぇ、誰か教えてよ…ねぇ…!!
頭を抱えて、唸るメルに大丈夫!?
と声を掛けられる
嗚呼不味い感情が浮き上がる。
駄目だ駄目だやめろ咲くな!!!
『…だい、じょうぶ、です』
「けど…」
『今は、一人にして下さい』
「…わかった」
何かあれば言ってね。
魔通信繋げておくから
そう言って席を外したオリアスに、
ルアラがメルの傍によって座る
「…メル」
ぽろぽろと零す涙をぬぐうことも出来ず、
名を呼ぶしかできない
ルアラは寂しそうに喉を鳴らした。
首元が強く光放つ。
嗚呼感情が制御出来ていないのだ。
好きなのだ、彼が、
ずっと傍に居て欲しいと思った
でも言ってはいけない。
ならもう、この記憶を消して。
嗚呼いっそのこと彼が
別の悪魔と付き合えば良いのに
そうすれば、
そうすれば僕はあきらめきれるのに。
目を閉じてまた輪の中に
身体を委ねられるのに!!!
でも…そんなことはできないのだ。
今日は悪夢が見れるかもしれない
…それで良い。
貴方と優しく話せる悪夢が見れるなら
…それは幸せだ。
二度と貴方と笑えないという現実であるのだから。
『(お願い、気付かないで…
殺せまた殺せばいいだけだろう!!!)』
力が抑えきれない。
きっと言いたいのだ。
僕は此処に居る、
貴方が僕を受け入れてくれて
貴方と契約を交わして魔女になって
この世界で生きると決意したと。
なのに貴方の記憶にないのに、
それを言って引かない訳がないだろう。
なら、いっそのこと…消えれたら、
どれ程良いのだろう。
出来ない自分が、憎らしい。
『…会いたい、会いたいよ、ミレイユ』
「メル…」
『ねぇ、どうして?どうして
僕を、選んだの?…ねぇ』
感情が膨れ上がる。
光がリボン上になり、
帯が自分の視界に入る
駄目だと言うのに、
感情が制御できないまま居るのは
久しぶりいや初めてかもしれない。
『こんな、感情…要らない、
いや、いやだよ…ふっ、っ』
貴方に触れて、
世界が変わって、
色鮮やかになって
色褪せたと思ったら、
今度はオリアスと出会って
更に色鮮やかな世界を見られた。
味を占めた私の罰であるのだ。
だからこれは耐えなければいけない。
…途方もない時間を?
これを永遠に?
ぞわりと悪寒がした。
こんなものを続けるのは感情が消えうせる。
間違いなく、感情がなくただの人形になる。
嫌だ、それだけは絶対に嫌だ。
だからと言ってどうすればいい?
貴方に、恋をしない。
呪いでも掛けられたらいいのに。
そうすれば、僕は…嗚呼そうだ。
『…魔力の底上げをしよう。ルアラ』
「なんだ?」
『収穫祭終わったら速攻で特訓する。
吐血できても良い場所で、
あの場所ならもう誰も入れないから。』
「…良いんだな」
『うん』
もう誰も傷つけさせたくないから。
だから僕は力をもっと強めなければいけない。
貴方達にあまり声を掛けないように。
そうしたら、僕の心も傷付くことはない。
また三か月後位に、貴方達の時間が消えるなんて。
僕は見たくもないのだ。