『うわあああああああああ』
「ぎゃあああああああああああ」
そう勢いよく飛び起きた私に対して
私を見ていた悪魔が更に上の方に飛び跳ねて叫んだ
いや何が起きたというのだ
さっきまでレイが私の前に出てきて
あれそう言えばオリアス先生達大丈夫かな!?
そう驚いていると、目の前に現れていたのは
『…オリアス、先生?』
いつもの教師服、
スーツ姿のオリアス先生だった。
というか場所がまた違う。
保健室に何故横になっている?
時間は今の時間は!?
そう思いオリアス先生に飛びついた
『オリアス先生!今何時ですか!?私、私!!』
「嗚呼、今はお昼だよ…
君初日にぱにくって倒れてたんだよ。」
初めまして。そう言ったオリアスに
メルはショックで頭を石で殴られた気分だった。
え?はじめ…はじ…え?
そう混乱するメルに
本当に大丈夫?記憶ある?と聞かれた。
いやそれはこっちのセリフだ馬鹿野郎。
そう言いたいが、流石に初対面らしき悪魔に
そういう訳にはいけない。
…仕方がない、キャラを偽るか。
『すすすすすいません!
大変ご迷惑をおかけしました。
何とお詫びをすればいいのやら…』
「いやいや、
こっちも急に対応出来なくてごめんね。
気分悪そうだなとは思ってたけど、
気付いて声かけてやれなくてさ。」
楽にしていいからね!誰も怒らないから!!
そう優しく軽く言ってくれる
オリアスにメルはほっとする。
嗚呼、いつぞやの彼だ。
まだ私のことを好きになる前の
…仕事仲間である目。
このままが、良い。
いや…このまま維持しなければいけない。
そう言えば今は初日と言ったな?
あれ待てよ?ひょっとして…教師生活初日の日!?
確かその日はぶっ倒れて
一日ショックで軽く寝込みそうだった日だ。
いやだああああああそう数年前の
黒歴史を思い出しながら頭を抱えるメルに
大丈夫かと何度目かの
心配をかけてくれるオリアスに
笑って大丈夫だと言った。
まぁ笑ってと言うよりかは目を閉じて真剣そうに、
ぶった切る様に強めに言ってしまったので
キャラが濃いのは知られただろう。
『挨拶が申し遅れました…
私の名前は安名メルと申します。』
「俺の名前はオリアス・オズワール。
気軽にオリアス先生って
呼んでくれて構わない。」
そう握手をして
よろしくお願いしますと笑ってみせた
嗚呼、上手く笑えているだろうか?
オリアス先生が笑ってくれているのを見ると
どうやら笑えているらしい。
職員初日だったらまだまだ入間が来る前の話だ。
さて、図書室の内部があるか
どうかも確認しなければいけない。
「ひとまずご飯食べれる?
食べたら午後から校内を案内するけど」
『あっ!だだ大丈夫で、す!!』
「くっ…ふふ、そんな緊張しなくて
良いって〜また倒れちゃうよ?」
それとも、男の人慣れない?
そう苦笑いするオリアスに
都佑はそんな訳ではないですとだけ答えた。
内心は「貴方が好きな人だからですけどね!!!」
と言いたかったがちゃんと黙っている
私は偉いと思う。良いぞ褒めろ。
『も、もう動けるので…あ!ご、ごはん
食べそびれちゃいますよ!だだ大丈夫なんですか!?』
「ああ、別に構わないよ。
いざとなれば星が味方してくれるからね。」
『ほ、星…?』
お星さま…あ!そうか、
彼の家系能力は
幸運を巻き起こすことだ。
「そ。俺の家系能力は
幸運が自分の優位な位置に来るってことだ。
だからそんなに顔を青ざめる位
心配しなくて大丈夫だって。」
そうケラケラ笑うオリアスに、
ついメルも吊られて笑ってしまった
嗚呼、この時間が続けばいい。
どうか、このまま笑って居られたら…
『ははっ…あれ?オリアス先生?』
「んっ!?あ、ああどうした?」
『食堂って…どちらですかね』
流石に初日…場所は大方覚えているが
流石に食堂あっちって移動したら色々不味い。
あれ、君六年間授業受けてたよね?
そう声が聞こえるが、
方向音痴という事を告げると
上手く騙されてくれた。
…いやまぁ前から右だと思ったら
左だから多分方向音痴なのだろうが、
私は自分のことを方向音痴とは思ってないからな?
「Aのおすすめ頂戴ーあれ、メル先生は?」
『ふえっ!?あ、ああ私も同じので!』
多分、うん多分食べれる!!そう思いつつ
丁度その二つでおすすめが完売すると言われて
都佑は目を丸くしてぽかんと口を開けて驚いていた。
すると隣からオリアスが
顔を覗き込んで笑って答えた。
「ね?言ったとおりでしょ?」
数分後、ごはんが出来たので取りに行って
そのまま食堂でご飯を食べることにした。
生徒に絡まれているオリアスをよそ目に、
メルは目の前に出て来たランチに
よだれが垂れるのを必死でこらえていた。
食べて良いよと言われて
オリアスとランチを二度見した後
頂きますと声を出して両手を合わした。
ご飯を口の中に入れると、
味が通っているお肉にうまいーと
思いつつ丸々食べていく。
普通に噛み砕くのもありだが、
丸々食らいつくのが美味しいのだ。
彼がまだ見ていない状態で
私はガンガン食べる。
いやー量を食べるのも良いものだ。
そう言えば最近野菜中心で
種から植物を育てまくったお蔭で
あまり肉や魚は食っていなかったので、
久しぶりに食べて嬉しい。
あ、でもおかわりするのも
初対面の悪魔には悪い…
いやでも勢いで食べてしまおうーと思い、
生徒と会話して終わった後には
都佑は席を立って
食堂の注文メニューで悩んでいた。
んーとりあえずこっちにするか。
二つ程頼んですぐに注文が通ったのに
ラッキーと思いつつ、席に戻る。
「ちょ、いつの間にそんな食べてるの!?
俺まだなんだけど…」
『へへ、最近野菜中心で
肉と魚中々食べれて無くて
久しぶりに食べて
つい食べ過ぎちゃいますね。』
「へぇー逆に健康的で良くない?」
『えぇ?まぁそうですけど
…あ、待ってめっちゃうま』
そりゃよかったね。
そうケラケラ笑うオリアスに
メルも笑った。
いやー三皿流石に完食するとは。
この小さい身体に何処いってんだか。
そうオリアスに言われつつ、
メルも不思議だなぁと
自分の身体の未知なる部分を想像しつつ。
職員室に帰っている頃だった。
後ろからお!と声がかかる。
「オリアス先生ーあメル先生
もう体調は良くなったの?」
『はい!大変お騒がせをしました
・・えっと、初めまして』
「うん!初めまして。
ダンダリオン・ダリです。
魔界歴史学担当で教師統括してるんだ。」
『はわわ…メルと申します!
宜しくお願いします!!!』
そうぺこりとおじぎをすると、
ダリがケラケラと笑ってくれた。
先生と呼んでくれている所
本当にこの世界が職員
初日の時間軸だと言う事を知る。
少し寂しさはあるが、
あんな時間に閉じこもるよりかは
万倍良いだろう。
とにかく、この時間を
精一杯生きるしかない。
というか…私この初日以降の
記憶が実は一切ないのだが…
そういや前オリアス先生達は
知ってそうな勢いだったけど
ひょっとして私今こうやって来たのが
あの時間軸に引き継がれているのでは?
いやまさかなぁ
そうダリ先生が説明を
半分している間に考えていた中
職員室に戻ってきた。
「メル先生はんーそうだな、
この席空いてるから使って。」
『はわーーー』
自分の席だーーーー
数日いや数週間ぶり!!
そう思いつつ、新人で席貰えて
喜んでいるように周りは見えているだろう。
その間に、とダリが話を続ける。
「オリアス先生、今日からメル先生の教育係ね!」
「ええ?!」
『ええええええ!?ちょちょちょちょちょ!』
なんで!?そう言った
メルに何でって?とダリが答える
「メル先生のこといち早く気付いて
対応したのがオリアス先生だったから!
って言うのは建前で、
君達が関わってると
何か面白そうだったから!!」
ああああああこいつうううううう昔からかあああああ
どうやらオリアス先生とは
引き離されることは
昔に飛んでも無いらしい。
悲しいかな、
とりあえずこのまま
話を続けるしかない。
落ち込んでいるメルに、
オリアスがごめんねと言うのだが
メルは全然と首を勢いよく振る
落ち込んでいるのはオリアスが
嫌だからではないのだ。
オリアスにこれ以上迷惑をかけたくないのに
何故か自分が倒れたのを見ただけで教育係に
任命されて、申し訳なくて頭が上がらないのだ。
『私のせいでずっと
ご迷惑をおかけすると
思ったら頭が…うう』
「いやいやいや先のこと
考えなくても良いから!!」
そう慌てるオリアスに、
メルはでもーと声を上げる。
「大丈夫だって、ほら教室回るよ」
そう言って指を職員室外に指す。
それに従い自分の荷物をちゃんと席に置いた
一応鞄の中にあった香水を片手に、
オリアスの後ろをついて行くことにしたのだった。