Novel - Paola | Kerry

it's just you


羽化したのは一体誰の何だったのか

20/09/15
55


時間は過ぎて、秋。
収穫祭が終わり、音楽祭が始まっていた頃だ。
メルはかなり慣れて来たのをバラムから言われて等々
生徒を1人教えることになった。


『あわわわあわわわははははははじめまして!!!』

「君はお付き合いする少女か」

だってえええええそう泣き叫ぶメルにバラムはため息を吐いた。
自分もこんな所が前にあったと思いたくはなかったのもある。


「えと、ドゥルジ・ミレニアと申します!!
ここ此方こそ初めまして!!!」

そうぺこりと勢いよくおじぎしてくれたのは
メルが初めて授業を担当し、生徒に教える子
正確にはバラムの生徒であるが、物覚えが多少悪く
何度も教える位だったらとメルを進めたのだ。

同姓同士で聞きやすいだろうし。という意味を込めて。


『(あれ、ドゥルジって確かゾアルクスタ的な何処かの悪魔だったような?)』

魔神だったかな?そう思いつつ、握手を交わした。

「ドゥルジさんこの子初めてだから
何か分からなければ僕でも対応するから」

「いえいえ、私で力になるのであれば、喜んでお勉強します!」

『ねぇ天使?なんなの?
悪魔なのに天使に見えるんだけどねぇ』

とりあえず落ち着いて?そう言われたバラムに
メルは深呼吸して落ち着きを取り戻す。

『ひとまずどこら辺が分からないのかな?』

「えっとーこの辺りでして」

そう教科書を広げられたのは、動物のカテゴリーだった。
人間の大体は分かっていたらしいが、動物の何故羽が生えてなかったり
そもそもどういう状態なのかが想像できなくて結びつかずに
軽く赤点を取る始末らしい。

いやーーーでも動物かぁとぼやいたメルに
だだ大丈夫かと涙目の彼女に苦笑いで返した

『いやー私も多少しかしらな』

ん゛ーーーー!!!???

そう心の中で叫んだのは犬猫鳥の絵だった
そうだったー!この世界人間界の皆知ってるよね!
幼稚園クラスのレベルしか出ないんだった。

強く咳ばらいをして、さてどうやって教えてあげた方が良いかとみる
髪の毛は金色で、かなり長い髪の毛なのにアホ毛が二つ程飛び跳ねている。

どうしようとおろおろ髪の毛を触って右左を見ていたのに
とりあえずコレ分かると聞いてみた。

『コレの名前は?』

「えと…なんですっけ」

『猫だね』

「ふぇ…」

嗚呼泣かない泣かない!!怒ってないから!!!
そう焦るメルに、バラムがお茶を取ってくると席を外した
それに私とドゥルジが声を出す

「バラム先生に呆れられたのかとおもって…」

『それはない。寧ろ期待してるから私にって言ってくれたんだよ』

「え?」

『あの先生ね?自分の持ってる生徒は特に優しいんだよ。
ちゃんと苦手な所を克服出来るように言い方変えて教えてくれる。
ちょっとスキンシップが多くて驚くかもしれないけどね』

そんなことないですよ!多分と言って席を急に立ったドゥルジが座る
途中で思い当たる節が出たようだ。苦笑いで答えるしかない。

「でも、メル先生は授業を教えたことがないって」

『きっと放って置けないって思ったんだと思う』

「え?」

『頑張ってるのに全く答えに結び付けなくて。
実は私、バラム先生から受けた問題一度も間違えたことないんだ!』

まぁ風邪とか調子悪い時は別だったが。
今の所全問正解である。
それに凄いですと驚く彼女にちょっと笑ってみせた

『へへ…でも私だって最初全部不正解だったんだ。』

「え!?うう、嘘ですよね!?」

『本当だよ。貰った答え全部アウト。
なんならこれ犬なんだけど、ワンワンって書いちゃった。』

合ってないんですか!?と言われたが勿論違う。
ワンワンと鳴く犬であって、ワンワンが犬とはまた話が違うのだ。
それを言い出したらコウモリの翼が生えているもの
全員悪魔と言っているようなものになる。

『ね?違うでしょ?』

そう笑って聞くメルに、うん!とドゥルジが答えた
コウモリって何ですか?それに続いてメルが説明をする。

『嗚呼コウモリって言うのは…んーこんな姿だよ。』

確か耳長かったよな。そうぼやきながらスラスラと絵を描いてみた。
翼を描いていると自分のと同じだとドゥルジが言ったのにそうと答えた。

『コウモリの翼は飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜でできていてね?
人間世界だと翼はこんな羽が沢山生えているのが有名なんだよ。』

へぇーと言って驚くドゥルジにメルは説明を続けた

『人間界では悪魔の翼とも呼ばれているんじゃないかなぁ。』

「どうしてですか?」

『んー人間はね、きっと白が良いもの黒が悪いものと思い込んで
コウモリは夜行性で夜に活動する。連れ去っていく姿
悪いモノはコウモリみたいな翼を付けていると思い込んじゃったんだろうね。』

だから人間界でも悪魔の象徴はコウモリの翼である。
そう言ったメルにへぇー!と何度目かの尊敬のまなざしと息が吐かれた

『と言ってもこれはあくまでも仮説だし。
悪魔が人間が居るって思う位なんだからその逆だってあるだろうよ。』

「そうですよね!!勉強になりました!!」

『嗚呼話がズレまくったねごめんよ。』

いえいえ、そう言ったドゥルジが続けてと答えた

『これは猫だよ。基本的には一つの尻尾。
前足後ろ脚共に二つずつで計4つ。で目も二つ。』

「一つじゃないんですねぇ」

『色は様々目の色もね、たまに色違いの綺麗な猫もいる。』

字はどうだろうなぁと言いながら日本語はかかないで置く。
一応これでも知ってはいるが下手に教えて彼女に危険が
巻き起こってはいけないからだ。

『あ、じゃあ猫じゃなくて、人間はどうして翼が無いと思う?』

「え?えと…どうしてかな?」

『人間がもし翼を持っていたら腕の手の代わりに翼になっていた。
そうすれば手で物は書けないし、くちばしが特化されて喋れない。
人間が鳥の姿に変わってしまうだけになってしまう。』

さて話を戻そうか。

『人間はね、飛べない代わりに知識を得たんだよ。』

「知識?」

『そう。何かを考え抜くことさ。
悪魔だと集中したり強力なんてもってのほかじゃない?
でも人間は集中して誰かと協力して動く事に特化した。』

そうすれば、一人で出来ない事も出来る様になる。
空を飛べるようにだってなる。

『実際人間も空を飛べるようになった』

「待って待って待って待ってそこの話くわしく!!!!!」

『ちょっとこの悪魔置いといて続けるね。』

待ってってば!!そういうバラムに煩いとメルは一言言ってのけた

『正確には知恵を振り絞って一時的に
物に乗って移動するようにしたんだ。
翼みたいなのを取り付けて移動もね?で、猫はどうだろう?』

「?」

『猫に翼が無いと言う事は』

「あ!人間と同じように必要なかった!!」

『半分正解。確かに猫に翼は必要なかった。
元々家に住み着く猫にとっては
家から離れる翼なんて必要なかったからだよ。』

「あーーー!!なるほど!」

『翼を付けなくても生きていける環境を整えたから。
まぁ翼が合って危険な場所に生きていたらそりゃあ
翼が生えていたとしても、退化して無くなるだろうけどね。』

そう笑うメルに驚いてメモを取れずにボケっとしている
バラムを呼び起こす

『バラム先生こういうことですよね?』

「へっ!?あ、ああ!そうだよ」

「うわぁー!メル先生本当に授業持ってないの勿体ないですよ!!
凄い興味湧きました!」

そう輝く少女にメルは苦笑いする。
これも言うてログハウスで得た知識の一部だ。
合っているかは世界を渡り歩いてみて確認する以外他が無い。

仮に人間界に行ってインターネットを使えたとしても
大方図書館で使え調べられる位で、合っていたとして
それが人間界で活きるかと言えば違うし。

まぁ出来なくはないが渡航は基本不可な現状、
何もしないで良いに越したことはない。
興味をそそる位で終らせておいて良い位だ。


『はは、そりゃあ何よりだよ。じゃ次のテスト満点ね!』

「うっ…自信ないのでせめて50」

『じゃあ欲を言って90』

「ご、57…?」

『ふふっ、ねぇギリギリ過ぎない?分かったよ。70点ね。』

そう笑ったメルに、やったーと嬉しそうに跳ねて喜ぶ少女に
メルはまたおいでと言って答えた。


『私この部屋か、職員室にいる。
たまにバトラで図書室にいるからさ。
君何年生かな?バトラは?』

「分かりました!…私2年の
遊戯師団に入ってるドゥルジ・ミレニアです!」

『改めて、私の名前はメル。空想生物学担当で
今年から教師になったばかりなの。
今は見習いで、図書師団の顧問してるんだ。』

宜しくそう手を取って、またと
声を掛けてくれて部屋から出て行った彼女を見つつ
後ろの彼に目を向けた。

「ねえ僕あんな情報聞いたことないんだけどねぇ!!」

『あはは私も詳しく教えられませんよ?』

「言ってたのに!?」

『んもー、今度まとめて来ますから、それ見てくれます?』

そう言ったメルに絶対だよ!?
と言ったバラムに苦笑いするしかなかった。

『ドゥルジさん可愛らしい子ですね。』

「うん。君とならきっと上手くいくと思ってね。
すぐに打ち解けて僕は羨ましくも嬉しいよ。」

『へへ、人の相手は好きなので。』

説明絶対間違えて覚えそうだから後で纏めます。
そう自分の説明不足に実感しつつ、
メルもまた部屋を後にする。


『(ちょっ…と言い過ぎたな)』

そう目を細めて心の中でぼやく
コウモリの翼が人間界で悪魔の象徴と言う事は
最早人間界に居たという証拠でもある。

流石にバレるのも時間の問題だな。
そう思いつつ、どう誤魔化そうかと考えていた。
後ろの陰に気付かずに。




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