「失礼しますー!Cクラスのドゥルジ・ミレニアです!」
そう職員室に声を掛けたドゥルジにどうした?とオリアスが声を掛けた
それにオリアス先生とほほ笑み、メル先生はとの声に
メルが声を上げた
『あれ?ドゥルジさんどしたの』
「メル先生に教えて貰いたい所あって〜たすげでぐださいー」
『えぇー?どうしよっかなー?』
「あのうちのバトラの子余りいじめないでやってもらえる?」
ってかいつの間に仲良くなってるの?
そう言ったオリアスにメルがえっと答えた
『え?バトラ?え?』
「あれ?言ってませんでしたっけ?
担任兼遊戯師団の顧問オリアス先生って。」
『うん。聞いてない初耳』
「マジか…ってか君達どういう付き合いなの?
俺知らなかったんだけど」
「メル先生に空想生物学教えて貰ってるんです!
滅茶苦茶教えるの上手くて!!
ああそうだ!此間のテスト持ってきました!!」
そう言ってポケットから取り出した答案をメルに渡す
それにメルはおおー!と声を上げて驚いた。
『凄いじゃん!小テスト満点やん!!よく頑張ったねぇー!!!』
「えへへー!!前よりも分かりやすく感じて、そのまま解いたんです!!」
思わず腕を取ってブンブン振って見せるそれにドゥルジも
負けじと腕を振ってワクワクした目で
そしたらテスト伸びましたー!そう嬉しそうに
答えたのに、メルもまた嬉しくなってにっこりと笑ってみせた
『凄いよ凄いよ〜!!コレ私ヒントも出してない問題じゃない!?
嘘ほんとに取ったの!?えらい〜〜〜!!!!』
「良かったね、中々こんな褒めるの滅多に見ないよ?」
「えへへ…え?」
『え?』
あれ今私どんな顔してました?
すんごい嬉しそうに笑ってたよ?
嘘。ほんと。そうオリアスとメルが交互に言うのに
メルが顔を少し赤らめて頬をかいて笑った
『えへへ、ちょっと恥ずかしいって』
それにオリアスが少し固まったのを
メルもドゥルジも気にせずに二人で会話を続ける
今度は期末満点だね!そう言ったメルに
ドゥルジも元気な声ではいと答えた。
「…成る程、見せたいのがあるからって
渡さなかったのはこういう事か。」
『え?どういうことです?』
テストをそのままメルに渡した彼女が過ぎ去った後
メルはオリアスの言葉に首を傾げた
「いや、彼女だけ小テスト提出しなくてさ。
待って下さいって言われたから
どうしたんだろうって思ってたけど、
…君に見せたかったからなんだねぇ〜?」
そうにやりと笑って隅に置けないなぁと言ったオリアスに
腕を肘でつつかれてむぅと頬を膨らませた。
『可愛い子ですよ!引っこ抜いちゃおうかな?』
「やれるもんなら」
『ふふっ、しませんよ。こういう外側の関わり合いが
彼女の成長を生むんですから。』
外側?そう聞いたオリアスが気付いたのか嗚呼と答えた。
「可愛がってくれて嬉しいよ。…前まで暗い表情でね。
ここ最近彼女嬉しそうに笑って居るのみてホッとしたんだ。」
『え?』
聞いてないそう思ったメルがオリアスの顔を見た
あれ?聞いてない?と言ったオリアスにメルは頷いた。
どうやら彼女クラスの関係上浮いているらしくて
嫌がらせはまだ多くないけど、と言っていたオリアスに
メルは目を見開いたまま下を向くしかなかった。
扉を開ける前の表情は、彼女の姿は知らない。
きっと彼女は見て欲しくないのだ。
あんなに嬉しそうに笑ってくれるのだから…
淡い緑髪のいつかの自分がノイズ音を響かせて脳裏に浮かび上がった
ただ、作り笑顔で世界を走っていたあの時間。
あれから帰れずに時間が過ぎていくのが怖い中
ドゥルジど出会ってそんな恐怖も薄れていたのだ。
『…もっと彼女が生きやすい場所になれるように程々に努力しますね』
「嗚呼、何かあれば俺に連絡欲しいな」
『分かりました。逐一報告するようにします。』
嬉しそうに、花が咲くように笑う姿は今まで見たことがないとか。
そう言ったオリアスに、メルはぼけっと今までの彼女の目を見た。
嘘をつかない少女、彼女の笑顔が続けばいい。
願ってはいけない。そう自分に言い聞かせる。
今までも、これからも、きっと願えば悪い方に向く。
でもその時間を忘れてしまっていたのだ。
だから願ってしまった。
どうか、幸せになりますように。
彼女の幸せをただ、祈って。
それに気づいたのは遅かった。
満点を取ったその日、彼女はいじめられて倒れていたのを職員が見つけた
手紙が添えられており、中身はメルやバラムへの感謝の言葉をつづっていた。
主にメルに対して「ありがとう」とその丁寧な文字にメルの感情が渦巻いた
ドゥルジが倒れていたのを、手紙をオリアスが渡したのだ。
『…なんで忘れてたの』
「え?」
ぼそりと呟いた感情に怒りがこみあげてきた
彼女は笑っていた。それを願っただけで?
いや私がもっと見てあげれなかった気付かなかった。
彼女は悲鳴を確かに上げていた筈だ
でも、気付いて欲しくないと言う気持ちもあっただろう。
不幸にも、悪周期に入った悪魔の手にあたり、
頭からの出血が多くて瀕死状態。
保健室でかなりの手当はしたものの、意識が戻る気配は一度もない。
満点を取って嬉しくて手紙を書いたのはノートから
紙を引きちぎって描いてあったのが分かった。
貰ってすぐに気持ちを忘れない前に書いたのだろう。
嬉しそうに笑うのを堪えて書いているのが目に浮かんだ。
手紙をぐしゃりと握りしめて、低く声が上がる
嗚呼、悪魔よりも、見つけられなかった自分が
気付いて手を取れなかった愚かな自分が忌々しい!!!!
笑って居る少女を思い出して首を横に振った
それに声が聞こえた
ーしょうがないよな!悪周期だもん!
その声にメルの紐が切れた。
目をシルバー色に光らせて
首元にあった印が赤く光り輝く
今なんといった?誰が何を言った?
そうメルが振り返る、攻撃していた
悪魔もまた攻撃を受けていたらしく
軽く手当てをしてすぐに出る予定だった。
メルのとてつもない殺気に、
その場に居た者がぴたりと固まった
笑って居た彼女が、
こうなったのもお前のせい。
自分が悪いのは百も承知だ。
だが攻撃したお前も同罪。
仕方がないで終らせるものがあってたまるか。
『ー今、なんといった』
手に力が入りピリピリと痛みが入る
抑えろ、そう肩に手を置かれても
苛立ちが消えることはない
シルバー色の光が薄っすらと光始める
着ていた黒装束が浮かび上がった
目を細めて、もう一度言おうかと言った
『いま、なんといった…』
「しょ、しょうがない、って言ったんだよ!!」
『しょうがない?自身の周期も
コントロールせずに暴れまわり?
挙句の果てには少女の頭を血に染めて
笑うのがしょうがないというのか?』
「ひっ!!」
「メル先生!!落ち着いて!!!」
『…笑って、笑って居てくれればいいと
…思った、私がいけなかったのか?
嗚呼そうか。お前ではないな、』
幸い魂はまだある。この子に罪はないのだ。
メルは大きく息を吸って吐いた。
まだまだ光が落ち着くことはない。
…なら使ってしまえばいい、そう思ったメルが指を鳴らした
突如周りの者がバタバタと倒れていくのにオリアスが
何をしたと声を荒げるも、メルは何も考えていない。
ただ真顔で少女の前に立っていた
片手を取って辞めろと言うが
言う事を聞かずにぼやいた言葉に首を傾げる
『…赤本第56ページ左側8行目。
悪魔の生命維持活動の救済について。』
「…え?」
『“我が血の元に、光りが灯されん
永久の闇の中渦巻く蜻蛉よ
この者に光をもたらさんことを”!!!』
『“アニマ・エストレア(流星の息吹き)”』
そう目を細めたメルが手から血を流し
そのまま少女の口に落とす
すると少女の身体が光り輝き、
傷口だった頭の血の色も消えていくのに
オリアスは目を開いてみていた。
すぅ、そう息を吸うドゥルジにメルは大きく息を吐いた
ほっとしたような笑顔。子供を救った母親の様なその姿に
呆然と見ているしかなかった。
『…よかった、貴方は死ぬべきじゃない。血は止まって』
「っ!メル先生!!っメルちゃん、おいっ!!しっかりしろ!!!」
そう言葉を紡ぐこともせずに意識を手放したメル
地面に落ちないように受け止めた
オリアスが必死になって声をかけるも
びくともしないのに、色々頭が追い付かなかった。
なんだ今のは、銀色の目を光らせた後、首元から光が漏れた
殺意は本気で怒ったカルエゴやダリ並みのいやそれ以上かもしれない。
それが漏れたと思えば、周りは倒れて、泣きそうな顔で手から血を流して
回復した?心臓が止まりかけていたこの子を?どうやって?
倒れたメルの首元に目を向けたが、何もない印に首を傾げた
上手く見れないだけかもしれない。そう思いつつ
この状況をどう説明しようかと考えてるばかりだった。